61 / 78
親友との再会
61 葬儀
しおりを挟む
翌日は、お通夜。
しかし、咲夜ちゃん、着る物も燃えてしまって、喪服が無い…。
私のを貸すって訳にもいかないんですよね。彼女は結構身長あるし、胸もゴリッパ…サイズが合わないんです。それに、私自身も参列したいし。
あの……。
どうでも良いけどさ。弟子といい、咲夜ちゃんといい、ナギさんまでも、どうして私の周りには、こんな巨乳が集まるのかな。
私だって、決してペチャパイって訳じゃ無いのですよ。極々普通の、標準サイズ(…よりも、ホンノ、ホンノちょっとだけ控え目?)なんです!
でも周りがデカイと、極端に小さく見えちゃうじゃないですか…。
いや、こんな話は、ホンットどうでも良いんですが……。
で、お店で急ぎ咲夜ちゃんの喪服を調達し、私の運転で葬斎場へ。
田舎では、葬儀はご近所さん総出で手伝ってくれます。
最近は家族葬も増えて、こういったのはだいぶ少なくなってきていますが、ヒトリボッチになってしまった咲夜ちゃんにとっては有難いこと。
そうそう、私が彼女の家にお世話になっていた時は、彼女のお婆ちゃんも健在でした。
でも、私の祖母と一日違いで亡くなってしまい、互いに互いの御葬儀には行けませんでした。
あの時は大変だったな。
祖母の家は超山奥の一軒家で、ご近所さんもいない。余計なシガラミが無い反面、全てこっちで手配しないといけなかったからね。
ただ、どっちが楽かというと、これは、どっちもどっちかもしれない。
人にしてもらうのは、気苦労が多い。その気苦労、彼女一人が背負わなければいけないのです。
聞きたくもない中傷も聞こえてきたりします。貧乏神だの、厄病神だのって、咲夜ちゃんのことよね。
悪魔の眼だなんて、咲夜ちゃんが気にしているオッドアイに関する囁きも…。
こいつら、なんて失礼なヤツラなの?!
ふざけたことをボソボソ言っている奴は私がキッと睨みつけてやります。
すると、
「ひいっ、死神…」って、逃げてゆきます。
が、なんだと~!
御葬儀の場でそれは、洒落にもならんだろうがっ!
まったくもう、失礼極まりないっ!!
その翌日は告別式。
弟子二人も学校休んで来てくれました。
相変わらず、ボソボソ小声で聞こえてくるのは「貧乏神」やら、「厄病神」やら、「死神」の声…。
私と弟子の三人がかりで、フザケタ発言をする奴らを睨みつけます。
尤も、死神ってのは大方私に向けられた言葉ではありまするが……。
まあ、もはや私はそんな中傷、気にしておりませんよ。バッカバカしい!
だけれども……。ああ、嫌な奴らが来た。
それは、中学・高校時代の同級生二人。
いちいち私に突っかかって、私を率先してハバにした女子の中心人物、木弓真央。
コイツの妨害が無ければ、私ももう少し皆と関りが持てていたかもしれないという諸悪の根源!
さらに、もう一人は男子。前に話しましたよね。私、多喜ハルカに「多くの喜びは遥か彼方」なんて言いくさったヤツがいたって。
それがコイツ、星野勇樹。
あの時は私も頭にカッときて、思いっきり頬を引っ叩いてやりました。
以後、コイツとは一切口をきいていません。
二人とも、咲夜ちゃんのご近所さんだからね。来ても仕方ないか。
コイツラさ、中学卒業したら離れられると思ったら、高校までも一緒だったんだよね。まあ、クラスは違ったけどね。
あれ? でも、二人一緒に来たってことは、御両人さんは、付き合ってるの?
嫌な奴ら同士で、お似合いカップルかもね……。
え? うそうそ、いやいや、私を見るなり、木弓がこっちへツカツカ寄ってくるよ。
来なくて良いよ。あんたなんかと話したくない。
私の真ん前までズカズカ進んで来た木弓。
「なんで、アンタがここに居るのよ、死神!
アンタが咲夜のお父さんを呪い殺したんじゃないの」
あいや~。久しぶりに顔を合わせた相手に、面と向かって、そこまで言うか?!
これには流石の私も、呆気に取られて言葉が出ません。
「止めろよ、真央。そんなこと、有るはず無いだろ! お前、失礼が過ぎるぞ!」
なんて、私を庇ってくれるのは、弟子二人ではありません。彼女らも、真ん前での堂々たる失礼発言に、目を剥いてフリーズしてる…。
そして、その庇ってくれた人物というのが、発言者を追いかけてきた星野でした。
でもさあ、何だかね~。アンタがそれ、言うか~?
中学時代の多感な私に向かって「多くの喜びは遥か彼方」なんて言い放ったのは、誰なんだよ!
とは言え、庇ってくれるのは嬉しかったりする。
それに、すっかりたくましくなって、ちょっとイケてるかも……。
失礼な木弓は、星野が引っ張って連れて行ってくれます。
が、木弓め、離れざまに私に向かい、ニクッタラシイ顔してアッカンベーしていきやがった。
ホント、ムカつく!!
それに引き換え、星野は何だかイイ奴に思えてしまう。
ちょっと、カッコよかったかも。
いや、いや、いや。何考えてるんだ、私。
あんな奴にトキメイテどうする!
あいつが私に言った暴言! ひと時も忘れちゃいませんよ!
告別式が終わり、そのまま斎場の火葬室へ。
親戚が少なくて叔母様だけですので、私も、弟子二人も付き添います。
火事で亡くなったとはいえ、土葬という訳にはゆきませんので、火葬。
再度火の中で焼かれるということになります。
これは、どうなんでしょうね…。ちょっと複雑な気分。
棺が炉の中へ、ゆっくり移動させられ、扉が閉まる。
スイッチが押され、点火…。
永遠の別れ。
やっぱり、この瞬間が一番悲しい。
咲夜ちゃんも声を上げて泣き出してしまいました。
分かるよ。分かるよ、咲夜ちゃん。私もお父さんを送っているからね。
我慢なんてしなくて良いの。気が済むまで、思いっきり泣いて…。
私は、蹲ってしまった咲夜ちゃんをシッカリと抱き締めました。
しかし、咲夜ちゃん、着る物も燃えてしまって、喪服が無い…。
私のを貸すって訳にもいかないんですよね。彼女は結構身長あるし、胸もゴリッパ…サイズが合わないんです。それに、私自身も参列したいし。
あの……。
どうでも良いけどさ。弟子といい、咲夜ちゃんといい、ナギさんまでも、どうして私の周りには、こんな巨乳が集まるのかな。
私だって、決してペチャパイって訳じゃ無いのですよ。極々普通の、標準サイズ(…よりも、ホンノ、ホンノちょっとだけ控え目?)なんです!
でも周りがデカイと、極端に小さく見えちゃうじゃないですか…。
いや、こんな話は、ホンットどうでも良いんですが……。
で、お店で急ぎ咲夜ちゃんの喪服を調達し、私の運転で葬斎場へ。
田舎では、葬儀はご近所さん総出で手伝ってくれます。
最近は家族葬も増えて、こういったのはだいぶ少なくなってきていますが、ヒトリボッチになってしまった咲夜ちゃんにとっては有難いこと。
そうそう、私が彼女の家にお世話になっていた時は、彼女のお婆ちゃんも健在でした。
でも、私の祖母と一日違いで亡くなってしまい、互いに互いの御葬儀には行けませんでした。
あの時は大変だったな。
祖母の家は超山奥の一軒家で、ご近所さんもいない。余計なシガラミが無い反面、全てこっちで手配しないといけなかったからね。
ただ、どっちが楽かというと、これは、どっちもどっちかもしれない。
人にしてもらうのは、気苦労が多い。その気苦労、彼女一人が背負わなければいけないのです。
聞きたくもない中傷も聞こえてきたりします。貧乏神だの、厄病神だのって、咲夜ちゃんのことよね。
悪魔の眼だなんて、咲夜ちゃんが気にしているオッドアイに関する囁きも…。
こいつら、なんて失礼なヤツラなの?!
ふざけたことをボソボソ言っている奴は私がキッと睨みつけてやります。
すると、
「ひいっ、死神…」って、逃げてゆきます。
が、なんだと~!
御葬儀の場でそれは、洒落にもならんだろうがっ!
まったくもう、失礼極まりないっ!!
その翌日は告別式。
弟子二人も学校休んで来てくれました。
相変わらず、ボソボソ小声で聞こえてくるのは「貧乏神」やら、「厄病神」やら、「死神」の声…。
私と弟子の三人がかりで、フザケタ発言をする奴らを睨みつけます。
尤も、死神ってのは大方私に向けられた言葉ではありまするが……。
まあ、もはや私はそんな中傷、気にしておりませんよ。バッカバカしい!
だけれども……。ああ、嫌な奴らが来た。
それは、中学・高校時代の同級生二人。
いちいち私に突っかかって、私を率先してハバにした女子の中心人物、木弓真央。
コイツの妨害が無ければ、私ももう少し皆と関りが持てていたかもしれないという諸悪の根源!
さらに、もう一人は男子。前に話しましたよね。私、多喜ハルカに「多くの喜びは遥か彼方」なんて言いくさったヤツがいたって。
それがコイツ、星野勇樹。
あの時は私も頭にカッときて、思いっきり頬を引っ叩いてやりました。
以後、コイツとは一切口をきいていません。
二人とも、咲夜ちゃんのご近所さんだからね。来ても仕方ないか。
コイツラさ、中学卒業したら離れられると思ったら、高校までも一緒だったんだよね。まあ、クラスは違ったけどね。
あれ? でも、二人一緒に来たってことは、御両人さんは、付き合ってるの?
嫌な奴ら同士で、お似合いカップルかもね……。
え? うそうそ、いやいや、私を見るなり、木弓がこっちへツカツカ寄ってくるよ。
来なくて良いよ。あんたなんかと話したくない。
私の真ん前までズカズカ進んで来た木弓。
「なんで、アンタがここに居るのよ、死神!
アンタが咲夜のお父さんを呪い殺したんじゃないの」
あいや~。久しぶりに顔を合わせた相手に、面と向かって、そこまで言うか?!
これには流石の私も、呆気に取られて言葉が出ません。
「止めろよ、真央。そんなこと、有るはず無いだろ! お前、失礼が過ぎるぞ!」
なんて、私を庇ってくれるのは、弟子二人ではありません。彼女らも、真ん前での堂々たる失礼発言に、目を剥いてフリーズしてる…。
そして、その庇ってくれた人物というのが、発言者を追いかけてきた星野でした。
でもさあ、何だかね~。アンタがそれ、言うか~?
中学時代の多感な私に向かって「多くの喜びは遥か彼方」なんて言い放ったのは、誰なんだよ!
とは言え、庇ってくれるのは嬉しかったりする。
それに、すっかりたくましくなって、ちょっとイケてるかも……。
失礼な木弓は、星野が引っ張って連れて行ってくれます。
が、木弓め、離れざまに私に向かい、ニクッタラシイ顔してアッカンベーしていきやがった。
ホント、ムカつく!!
それに引き換え、星野は何だかイイ奴に思えてしまう。
ちょっと、カッコよかったかも。
いや、いや、いや。何考えてるんだ、私。
あんな奴にトキメイテどうする!
あいつが私に言った暴言! ひと時も忘れちゃいませんよ!
告別式が終わり、そのまま斎場の火葬室へ。
親戚が少なくて叔母様だけですので、私も、弟子二人も付き添います。
火事で亡くなったとはいえ、土葬という訳にはゆきませんので、火葬。
再度火の中で焼かれるということになります。
これは、どうなんでしょうね…。ちょっと複雑な気分。
棺が炉の中へ、ゆっくり移動させられ、扉が閉まる。
スイッチが押され、点火…。
永遠の別れ。
やっぱり、この瞬間が一番悲しい。
咲夜ちゃんも声を上げて泣き出してしまいました。
分かるよ。分かるよ、咲夜ちゃん。私もお父さんを送っているからね。
我慢なんてしなくて良いの。気が済むまで、思いっきり泣いて…。
私は、蹲ってしまった咲夜ちゃんをシッカリと抱き締めました。
1
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
百合系サキュバス達に一目惚れされた
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
貧乏神の嫁入り
石田空
キャラ文芸
先祖が貧乏神のせいで、どれだけ事業を起こしても失敗ばかりしている中村家。
この年もめでたく御店を売りに出すことになり、長屋生活が終わらないと嘆いているいろりの元に、一発逆転の縁談の話が舞い込んだ。
風水師として名を馳せる鎮目家に、ぜひともと呼ばれたのだ。
貧乏神の末裔だけど受け入れてもらえるかしらと思いながらウキウキで嫁入りしたら……鎮目家の虚弱体質な跡取りのもとに嫁入りしろという。
貧乏神なのに、虚弱体質な旦那様の元に嫁いで大丈夫?
いろりと桃矢のおかしなおかしな夫婦愛。
*カクヨム、エブリスタにも掲載中。
デリバリー・デイジー
SoftCareer
キャラ文芸
ワケ有りデリヘル嬢デイジーさんの奮闘記。
これを読むと君もデリヘルに行きたくなるかも。いや、行くんじゃなくて呼ぶんだったわ……あっ、本作品はR-15ですが、デリヘル嬢は18歳にならないと呼んじゃだめだからね。
※もちろん、内容は百%フィクションですよ!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ニンジャマスター・ダイヤ
竹井ゴールド
キャラ文芸
沖縄県の手塚島で育った母子家庭の手塚大也は実母の死によって、東京の遠縁の大鳥家に引き取られる事となった。
大鳥家は大鳥コンツェルンの創業一族で、裏では日本を陰から守る政府機関・大鳥忍軍を率いる忍者一族だった。
沖縄県の手塚島で忍者の修行をして育った大也は東京に出て、忍者の争いに否応なく巻き込まれるのだった。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる