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富山での御縁
21 デカパイコンビ1
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お酒が回って、二人で布団にゴロン。
そう。手を繋いでいれば、ビンちゃんも布団で寝られます。
手を離しちゃうと三十秒で戻っちゃいますけどね。
……で、気が付くと朝五時過ぎ。
ビンちゃんは、もう起きていました。
二日酔いは大丈夫かなって思いましたが、ケロッとしている。
さっすが神様。
でも、大変だ。まだ、温泉に一回しか入っていないのです。
さあ、朝湯ですよ。ビンちゃん誘ってレッツゴー。
一階の温泉。
浴衣を脱いで、浴場に入ると、OK!誰もいない。
掛け湯して、手を繋いで入ります。
う~ん、あったかい!
でも、五つ数える間もなく露天風呂に通じる扉が開きました。
誰も居ないわけでは無かったのです。
そして、入ってきたのは、あのデカパイ女子二人組!
若い子が何でこんなに早起きなのよ!
大変だ。また湯が凹んでいるのを見られちゃった。
慌ててビンちゃんを抱っこして上がります。
ツカツカ寄ってきた二人のうちの一人。
「Excuse me, may I ask you a question?(すみません。ちょっとお伺いして良いですか?」
おや、オッパイデカイ癖に流ちょうな英語。
あ、失礼。これは偏見ですね…。
私が返事を返さないと、
「Je peux vous poser quelques questions ?」
へ? こ、このイントネーションは、フランス語?
「え、え~と、その…」
まごまごしていると……。
「Darf ich Sie etwas fragen?」
へええ? こ、これは、もしかしてドイツ語??
「あ、あの~、ごめんなさい。何言ってるか分かんない…」
「Posso farti una domanda?」(…イタリア語)
「へえええ~。だから、分かんないんですって」
「можно задать тебе вопрос?」(…ロシア語)
この子、いったい何か国語喋れるのよ!
超頭いいじゃん!
「ちょっと、レイラ。お姉さん困ってるよ。
さっきから、お姉さんは日本語話してるじゃない……」
そう、もう一人のあなた。鋭い。その通り!
……と言うか、普通気付くだろうが!
頭いいのか悪いのか、分かんないよ、この子!
「あっ!! ご、ごめんなさい!」
「い、いえいえ。この見てくれですからよく間違われますが、私は日本人です。日本語しか話せないので…」
「失礼しました」
語学万能デカパイ女子は、ぺコンと頭を下げました。
が、その頭を直ぐに上げる。
見事なオッパイがプルンプルンと震える。
う、羨ましい・・・。
「あ、あの、私たち、見ちゃったんです。
お姉さんがお湯につかっていた時、お姉さんの近くのお湯が大きく凹んでました。
お姉さん、超能力者か何かですか?」
お~っと、どストレートに訊いてきたぞ。
超能力者だなんて…。
そんなだったら、どんなに良いでしょう。
でも、私はシガナイ貧乏神様憑き。
「え~と、気の所為でしょ。
お湯が凹むなんて、あるはず無いじゃない。
気の所為、気の所為」
「気の所為なんかじゃありません。
二人で見たんです。それも、二度も!
お姉さんが超能力者じゃないのなら、きっと、何かの心霊現象です。
お姉さん!何かヤバいモノに取り憑かれてるかもしれませんよ」
まあ、何て鋭い子でしょう…。
その通りです。私はヤバーいモノに取り憑かれております。
でも、余計なお世話ですから、放っておいて頂戴!
「変な言いがかりは、迷惑ですから」
それだけ言って、私は急いで浴室から出ました。
ビンちゃんは一足遅れで壁を突き抜けて出てきます。
かなり不機嫌そうな顔をしています。
まあそうでしょう。
お楽しみの温泉を邪魔され、「ヤバいモノ」扱いされましたからね……。
流石にデカパイ二人は追いかけて来るような真似はしませんでしたが、私は急ぎ浴衣を着ます。
ビンちゃんはと言うと、あ~ら便利。ポンと着物を着た状態に…。
そのまま二人で部屋に戻りました。
「ごめんね、ビンちゃん。ビンちゃんがもっと温泉入りたいなら、今度は他の人に邪魔されずに入れるところに連れてってあげるから、許して」
「なに?そんな所、あるのか?
行きたい。是非行きたいぞ」
「ははは…。分かりました。また今度ね」
「約束じゃぞ。良いな。良いな!」
「はい、はい。分かりました」
あ、でも、こんな約束しちゃって良いのかな…。
そんな資金あるだろうか?
なんてったって、私は貧乏神様憑き。
しかも、その貧乏神様は、無くしていた力を取り戻しつつあるのです。
でも、まあ、何とか、なるっしょ。
そう、私はラッキーガール!
そう。手を繋いでいれば、ビンちゃんも布団で寝られます。
手を離しちゃうと三十秒で戻っちゃいますけどね。
……で、気が付くと朝五時過ぎ。
ビンちゃんは、もう起きていました。
二日酔いは大丈夫かなって思いましたが、ケロッとしている。
さっすが神様。
でも、大変だ。まだ、温泉に一回しか入っていないのです。
さあ、朝湯ですよ。ビンちゃん誘ってレッツゴー。
一階の温泉。
浴衣を脱いで、浴場に入ると、OK!誰もいない。
掛け湯して、手を繋いで入ります。
う~ん、あったかい!
でも、五つ数える間もなく露天風呂に通じる扉が開きました。
誰も居ないわけでは無かったのです。
そして、入ってきたのは、あのデカパイ女子二人組!
若い子が何でこんなに早起きなのよ!
大変だ。また湯が凹んでいるのを見られちゃった。
慌ててビンちゃんを抱っこして上がります。
ツカツカ寄ってきた二人のうちの一人。
「Excuse me, may I ask you a question?(すみません。ちょっとお伺いして良いですか?」
おや、オッパイデカイ癖に流ちょうな英語。
あ、失礼。これは偏見ですね…。
私が返事を返さないと、
「Je peux vous poser quelques questions ?」
へ? こ、このイントネーションは、フランス語?
「え、え~と、その…」
まごまごしていると……。
「Darf ich Sie etwas fragen?」
へええ? こ、これは、もしかしてドイツ語??
「あ、あの~、ごめんなさい。何言ってるか分かんない…」
「Posso farti una domanda?」(…イタリア語)
「へえええ~。だから、分かんないんですって」
「можно задать тебе вопрос?」(…ロシア語)
この子、いったい何か国語喋れるのよ!
超頭いいじゃん!
「ちょっと、レイラ。お姉さん困ってるよ。
さっきから、お姉さんは日本語話してるじゃない……」
そう、もう一人のあなた。鋭い。その通り!
……と言うか、普通気付くだろうが!
頭いいのか悪いのか、分かんないよ、この子!
「あっ!! ご、ごめんなさい!」
「い、いえいえ。この見てくれですからよく間違われますが、私は日本人です。日本語しか話せないので…」
「失礼しました」
語学万能デカパイ女子は、ぺコンと頭を下げました。
が、その頭を直ぐに上げる。
見事なオッパイがプルンプルンと震える。
う、羨ましい・・・。
「あ、あの、私たち、見ちゃったんです。
お姉さんがお湯につかっていた時、お姉さんの近くのお湯が大きく凹んでました。
お姉さん、超能力者か何かですか?」
お~っと、どストレートに訊いてきたぞ。
超能力者だなんて…。
そんなだったら、どんなに良いでしょう。
でも、私はシガナイ貧乏神様憑き。
「え~と、気の所為でしょ。
お湯が凹むなんて、あるはず無いじゃない。
気の所為、気の所為」
「気の所為なんかじゃありません。
二人で見たんです。それも、二度も!
お姉さんが超能力者じゃないのなら、きっと、何かの心霊現象です。
お姉さん!何かヤバいモノに取り憑かれてるかもしれませんよ」
まあ、何て鋭い子でしょう…。
その通りです。私はヤバーいモノに取り憑かれております。
でも、余計なお世話ですから、放っておいて頂戴!
「変な言いがかりは、迷惑ですから」
それだけ言って、私は急いで浴室から出ました。
ビンちゃんは一足遅れで壁を突き抜けて出てきます。
かなり不機嫌そうな顔をしています。
まあそうでしょう。
お楽しみの温泉を邪魔され、「ヤバいモノ」扱いされましたからね……。
流石にデカパイ二人は追いかけて来るような真似はしませんでしたが、私は急ぎ浴衣を着ます。
ビンちゃんはと言うと、あ~ら便利。ポンと着物を着た状態に…。
そのまま二人で部屋に戻りました。
「ごめんね、ビンちゃん。ビンちゃんがもっと温泉入りたいなら、今度は他の人に邪魔されずに入れるところに連れてってあげるから、許して」
「なに?そんな所、あるのか?
行きたい。是非行きたいぞ」
「ははは…。分かりました。また今度ね」
「約束じゃぞ。良いな。良いな!」
「はい、はい。分かりました」
あ、でも、こんな約束しちゃって良いのかな…。
そんな資金あるだろうか?
なんてったって、私は貧乏神様憑き。
しかも、その貧乏神様は、無くしていた力を取り戻しつつあるのです。
でも、まあ、何とか、なるっしょ。
そう、私はラッキーガール!
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