17 / 78
富山での御縁
17 つるぎ温泉1
しおりを挟む
積み込んだ石でズッシリ重くなった車に乗り込み、ヒスイ海岸を後にした私たち。ビンちゃんは平気な顔ですが、私は石運びで結構グッタリです。
向かうは今晩のお宿。
上市町にある、つるぎ温泉の、私の定宿。
ここのスゴイところは、何と言ってもお湯!
茶褐色というか、黒っぽい色の独特の温泉です。
湯口で少し泡立ち、それは、まるでコーラの様。
コーラに浸かっているような不思議な気分になります。
…少しヌルッとしたお湯で、滑りますので、要注意。
あ、あと、料理も凄いんです。
感動的に美味しい!
元は公の年金施設か何かだったようで、少し古い感じですが、私はその辺りは気になりません。
富山に泊まるなら、絶対ここと決めている御宿です。
え? 宿の名前を教えろって?
ナイショ!
だって、御客が殺到したら、私が泊まれなくなっちゃうも~ん!
太鼓演奏のお迎えを受けながら、フロントでチェックイン手続き。
部屋に入り、浴衣に着替え、温泉へレッツゴー!
エレベーターで一階へ。
あ、因みに、フロントがあるのは二階。
玄関入ると二階に着くという、変な作りです。
私のお部屋は四階ですね。
階段も有りますが、まあ、普通、エレベーター使いますよね。
でも、ビンちゃん、エレベーターに乗ったの初めてだったようで、目を丸くしていました。
あ、否、乗ったと言うと、ちょっと違うのかな?
もともと浮遊しているのですから。
いきなり床が下がって、着いて行くのにタイムラグが出来、驚いたようです。
大浴場の脱衣室。誰もいない無人状態。
よし、ラッキー!
いそいそと浴衣を脱いで裸になる私を、ビンちゃん、ジッと見ています。
「改めて見ると、お前、綺麗な肌をしとるな。それに…」
いやだ、そんなこと言われたの、初めて。
照れるじゃあないですか……。
でも、「それに…」って、なんですか?
「股の毛も、金色なんだな」
「う、な、ナニ見てるんですか~!」
私は、サッと両手で股間を隠しました。
まったく、何を言い出すかと思いきや。
当り前じゃないですか。髪の毛も眉毛も睫毛も金髪なんです。
アンダーだけ黒かったら変でしょうにっ!
「あ、いや、すまぬ。他意は無い。
キラキラして綺麗だなと思っただけだ」
う~っ! その「綺麗だ」っての、反則です。
言われ慣れない言葉に、顔が赤くなる……。
そんな事より、です。
昼間の温泉の時は、ビンちゃんは御湯の周りを浮遊して遊んでいました。
でも、私と一緒なら、ビンちゃんも温泉に入れるかもしれないのです。
私が触れた物であれば、ビンちゃんも触れられるのだから…。
「ねえ、ビンちゃんも、温泉入りましょ!」
「い、いや、私は……」
「なんで? 入ってみたいと思わない? 気持ちイイよ」
「気持ち良いのか?
入れるものなら入ってみたいが…。入れるか?
水は石のようにはいかぬと思うぞ」
「そうかな……。でも、試す価値はあるんじゃない?」
「まあ、そうか…」
「あ、でも、着物……」
そう、ビンちゃんの赤い着物。
これって脱げるの?
「着物? ああ、これか。こんなものは、問題ない」
と言ったとたん、ビンちゃんの着物がポンと消えて、あっと言う間にスッポンポン。
いやだ、人の肌のこと言って、ビンちゃんの方がツルツルのスベスベじゃあないですか。
やっぱり、お子様姿だから、アソコのヘアは生えてないわね。
当たり前か…。
「こら、何をマジマジ見ておる」
「あ、いや、ビンちゃんの肌こそ、とっても綺麗だな~って」
「やめよ。照れるでは無いか」
へへ~ん、さっきのお返しですよ。
でも、ちょっと顔を赤くしているビンちゃん、とっても可愛らしい。
向かうは今晩のお宿。
上市町にある、つるぎ温泉の、私の定宿。
ここのスゴイところは、何と言ってもお湯!
茶褐色というか、黒っぽい色の独特の温泉です。
湯口で少し泡立ち、それは、まるでコーラの様。
コーラに浸かっているような不思議な気分になります。
…少しヌルッとしたお湯で、滑りますので、要注意。
あ、あと、料理も凄いんです。
感動的に美味しい!
元は公の年金施設か何かだったようで、少し古い感じですが、私はその辺りは気になりません。
富山に泊まるなら、絶対ここと決めている御宿です。
え? 宿の名前を教えろって?
ナイショ!
だって、御客が殺到したら、私が泊まれなくなっちゃうも~ん!
太鼓演奏のお迎えを受けながら、フロントでチェックイン手続き。
部屋に入り、浴衣に着替え、温泉へレッツゴー!
エレベーターで一階へ。
あ、因みに、フロントがあるのは二階。
玄関入ると二階に着くという、変な作りです。
私のお部屋は四階ですね。
階段も有りますが、まあ、普通、エレベーター使いますよね。
でも、ビンちゃん、エレベーターに乗ったの初めてだったようで、目を丸くしていました。
あ、否、乗ったと言うと、ちょっと違うのかな?
もともと浮遊しているのですから。
いきなり床が下がって、着いて行くのにタイムラグが出来、驚いたようです。
大浴場の脱衣室。誰もいない無人状態。
よし、ラッキー!
いそいそと浴衣を脱いで裸になる私を、ビンちゃん、ジッと見ています。
「改めて見ると、お前、綺麗な肌をしとるな。それに…」
いやだ、そんなこと言われたの、初めて。
照れるじゃあないですか……。
でも、「それに…」って、なんですか?
「股の毛も、金色なんだな」
「う、な、ナニ見てるんですか~!」
私は、サッと両手で股間を隠しました。
まったく、何を言い出すかと思いきや。
当り前じゃないですか。髪の毛も眉毛も睫毛も金髪なんです。
アンダーだけ黒かったら変でしょうにっ!
「あ、いや、すまぬ。他意は無い。
キラキラして綺麗だなと思っただけだ」
う~っ! その「綺麗だ」っての、反則です。
言われ慣れない言葉に、顔が赤くなる……。
そんな事より、です。
昼間の温泉の時は、ビンちゃんは御湯の周りを浮遊して遊んでいました。
でも、私と一緒なら、ビンちゃんも温泉に入れるかもしれないのです。
私が触れた物であれば、ビンちゃんも触れられるのだから…。
「ねえ、ビンちゃんも、温泉入りましょ!」
「い、いや、私は……」
「なんで? 入ってみたいと思わない? 気持ちイイよ」
「気持ち良いのか?
入れるものなら入ってみたいが…。入れるか?
水は石のようにはいかぬと思うぞ」
「そうかな……。でも、試す価値はあるんじゃない?」
「まあ、そうか…」
「あ、でも、着物……」
そう、ビンちゃんの赤い着物。
これって脱げるの?
「着物? ああ、これか。こんなものは、問題ない」
と言ったとたん、ビンちゃんの着物がポンと消えて、あっと言う間にスッポンポン。
いやだ、人の肌のこと言って、ビンちゃんの方がツルツルのスベスベじゃあないですか。
やっぱり、お子様姿だから、アソコのヘアは生えてないわね。
当たり前か…。
「こら、何をマジマジ見ておる」
「あ、いや、ビンちゃんの肌こそ、とっても綺麗だな~って」
「やめよ。照れるでは無いか」
へへ~ん、さっきのお返しですよ。
でも、ちょっと顔を赤くしているビンちゃん、とっても可愛らしい。
1
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
百合系サキュバス達に一目惚れされた
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
貧乏神の嫁入り
石田空
キャラ文芸
先祖が貧乏神のせいで、どれだけ事業を起こしても失敗ばかりしている中村家。
この年もめでたく御店を売りに出すことになり、長屋生活が終わらないと嘆いているいろりの元に、一発逆転の縁談の話が舞い込んだ。
風水師として名を馳せる鎮目家に、ぜひともと呼ばれたのだ。
貧乏神の末裔だけど受け入れてもらえるかしらと思いながらウキウキで嫁入りしたら……鎮目家の虚弱体質な跡取りのもとに嫁入りしろという。
貧乏神なのに、虚弱体質な旦那様の元に嫁いで大丈夫?
いろりと桃矢のおかしなおかしな夫婦愛。
*カクヨム、エブリスタにも掲載中。
デリバリー・デイジー
SoftCareer
キャラ文芸
ワケ有りデリヘル嬢デイジーさんの奮闘記。
これを読むと君もデリヘルに行きたくなるかも。いや、行くんじゃなくて呼ぶんだったわ……あっ、本作品はR-15ですが、デリヘル嬢は18歳にならないと呼んじゃだめだからね。
※もちろん、内容は百%フィクションですよ!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ニンジャマスター・ダイヤ
竹井ゴールド
キャラ文芸
沖縄県の手塚島で育った母子家庭の手塚大也は実母の死によって、東京の遠縁の大鳥家に引き取られる事となった。
大鳥家は大鳥コンツェルンの創業一族で、裏では日本を陰から守る政府機関・大鳥忍軍を率いる忍者一族だった。
沖縄県の手塚島で忍者の修行をして育った大也は東京に出て、忍者の争いに否応なく巻き込まれるのだった。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる