12 / 78
貧乏神に取り憑かれました
12 ビンちゃん2
しおりを挟む
だ、ダメだ!!
と思ったその時、私の目の前を、赤いモノが突然遮った…。
こ、これはビンちゃんの着物!
黒い影はビンちゃんによって、いとも容易くねじ伏せられてしまいました。
「ひい~ん。怖かったよ~!!」
「どうじゃ。狙われるということがどういうことか、分かったか?」
「わ、分かりました~!というか、ビンちゃん!
さっき、こうなるのが分かってて、出て行ったでしょう!酷い!イケズ!」
「何を言うか! お前が私を邪魔者扱いするからだ!
しかし、こやつ、お前の名を知っているようだが…。どうも、お前の能力に気付いて襲ってきたわけでは無いようだな…。知り合いか?死んで間もない霊体だな」
「へ? 死んで間もない……」
私は、旅先では常用しているサングラスを外して、黒い影を覗き込みます。
よく見ると、薄っすら透けていますが、人…。顔がある。
「うん? あ、あれ、見たことある……って、社長?!」
「社長だと?」
私が入るはずだった会社を、私の初出社日に倒産させた「二代目バカ社長」!
「あ、そういえば、私にも見覚えがあるぞ。たしか、門前の蕎麦屋前で妾を何人か連れてバカ騒ぎしておった阿呆……。
人前にもかかわらず妾の乳を揉み、股間に手を突っ込んでアッハンウッフンさせておったので頭に来てな。財運を吹き飛ばしてやった。
その直後にジジイたちに捕まってしまって、結果どうなったか分からなかったが…。ふん、倒産して自殺でもしたか」
・・・・。
え~と……。
ど、どういうことでしょうか……。
・・・。
な、なになに、なになに、なんですか!?
つまるところ、私が入るはずだった会社を倒産させたのは、ビンちゃんってことですか?!
私をこんな状況に追い込んだ元凶は、目の前に居る貧乏神のエース様、ビンちゃん!!
「ひ、酷いよ~!! 私、その会社で働くはずだったのに!
希望に満ちた初出社日に倒産で、そこからここへ来て、で、頭に枝当たってって!
全部、ビンちゃんの所為じゃない!!」
しかし、ビンちゃんは、微塵も悪びれる様子は有りません。
「何を言うか。だったら尚更、私を崇めよ。お前に執着して居るこいつの淫気に満ちた目。これは、お前の肉体目当てに違いない。そのためにお前を会社に入れようとしたのだな。
もし、そのまま入社して居ったら、どうなっていたやら…。お前も、あの時の妾どもの様になっていたに違いないぞ」
「へ?」
め、妾? 社長の?
わ、私が?!
そ、そう言えば…。
面接に来ていた子、みんな女の子だったな。
それも、結構美人さん多かった……。
なに? あれ、社員と言うより、社長の愛人候補の面接?
で、その中で、私が選ばれた……。
あ、そうだ。会社は主にヨーロッパからの輸入食品を扱ってた。
もしかして、社長は金髪が好みだった?
で、私が選ばれた……。
入っていたら、セクハラ三昧。
社長室にでも閉じ込められて、無理矢理アッハンウッフン。
んで、そのまま社長の愛人……。
「ひいいい~ん! ビンちゃん有難うございます。
ビンちゃんは、私の大恩人です!神様です!」
「何を今更。私は最初から神だと言うとろうに」
で、社長の霊は、というと、ビンちゃんにお尻をボコンと蹴られて、壁を突き抜けてビューンと飛んで行ってしまいました。
死後間もないから形を保ってるけど、もう少し立てば消えてしまうだろうとのこと。
特に何の力も無く、最後にモノに出来なかった私へ未練があっただけの様です。
いや~でも、考えると、ホント怖い。
あの社長の毒牙に掛かろうとしていたなんて。
それを、ビンちゃんのお陰で助かっていただなんて。
まさに危機一髪。ビンちゃん様々!
その上、更に今も……。
分かりました!
これは、間違いなく運命です。
貧乏神様であろうと、私はビンちゃんのお世話、させて頂きます!
でも、ホントにお世話って、どうすれば良いのでしょう…。
そうだ、後で神主さんに訊いてみよう。
あ、その前に取り敢えずは、中断している食事ですよ。
私は女将さんに、茶碗と箸と皿と座布団をそれぞれ一つずつ、追加依頼しました。
女将さんは怪訝な顔をしつつも、直ぐに用意してくれました。
茶碗に御飯をよそいます。
おかずの手を付けていないモノを半分にし、お皿に盛り付けます。
そして私の向かい側に座布団を敷き、おかずの乗ったお皿と御飯と箸を置き……。
「ビンちゃん、どうぞ、こちらへ。
さっきは、あ、いえ、私の入るはずだった会社の件も、ホントに有難うございました」
ビンちゃんに向かいの席を勧め、坐って丁寧に頭を下げます。
今度はビンちゃん、それを断らずニッコリ嬉しそうに笑って、席に着きました。
さあ、改めまして、朝食再開。やっぱり美味しい!
ビンちゃんはというと、食事には手を付けません。
いや、まあ、当り前。触れられませんからね。
でも、ニコニコと私の食べるのを見ていました。
ずっと無表情だったのに、こんな笑顔を見せてくれて、ちょっと、びっくり。
それに…。か、可愛い!
私が自分の分を食べ終えますと
「おい、こっちも食べよ。勿体無いぞ」
ビンちゃんは自分の分を勧めます。
いや、それは、ビンちゃんの分ですよ。ん?でも食べられないのか……。
そうですよね、このまま残すのは勿体無い。
元々一人分を分けたモノだから、入らなくは有りませんが、御礼の気持ちとしてビンちゃんに上げたモノ…。
私が食べちゃったら、意味なくないかな?
う~ん。まあ、ビンちゃんが勧めてくれるのです。
有難く頂戴することにしましょう。
神様に逆らっちゃダメ。
朝食後は、女将さんにお世話になったお礼を言い、旅館を出ます。
御主人=神主さんからの、神社に寄って欲しいとの伝言。
勿論私も、お礼を言いたいので、そのつもりでした。
と思ったその時、私の目の前を、赤いモノが突然遮った…。
こ、これはビンちゃんの着物!
黒い影はビンちゃんによって、いとも容易くねじ伏せられてしまいました。
「ひい~ん。怖かったよ~!!」
「どうじゃ。狙われるということがどういうことか、分かったか?」
「わ、分かりました~!というか、ビンちゃん!
さっき、こうなるのが分かってて、出て行ったでしょう!酷い!イケズ!」
「何を言うか! お前が私を邪魔者扱いするからだ!
しかし、こやつ、お前の名を知っているようだが…。どうも、お前の能力に気付いて襲ってきたわけでは無いようだな…。知り合いか?死んで間もない霊体だな」
「へ? 死んで間もない……」
私は、旅先では常用しているサングラスを外して、黒い影を覗き込みます。
よく見ると、薄っすら透けていますが、人…。顔がある。
「うん? あ、あれ、見たことある……って、社長?!」
「社長だと?」
私が入るはずだった会社を、私の初出社日に倒産させた「二代目バカ社長」!
「あ、そういえば、私にも見覚えがあるぞ。たしか、門前の蕎麦屋前で妾を何人か連れてバカ騒ぎしておった阿呆……。
人前にもかかわらず妾の乳を揉み、股間に手を突っ込んでアッハンウッフンさせておったので頭に来てな。財運を吹き飛ばしてやった。
その直後にジジイたちに捕まってしまって、結果どうなったか分からなかったが…。ふん、倒産して自殺でもしたか」
・・・・。
え~と……。
ど、どういうことでしょうか……。
・・・。
な、なになに、なになに、なんですか!?
つまるところ、私が入るはずだった会社を倒産させたのは、ビンちゃんってことですか?!
私をこんな状況に追い込んだ元凶は、目の前に居る貧乏神のエース様、ビンちゃん!!
「ひ、酷いよ~!! 私、その会社で働くはずだったのに!
希望に満ちた初出社日に倒産で、そこからここへ来て、で、頭に枝当たってって!
全部、ビンちゃんの所為じゃない!!」
しかし、ビンちゃんは、微塵も悪びれる様子は有りません。
「何を言うか。だったら尚更、私を崇めよ。お前に執着して居るこいつの淫気に満ちた目。これは、お前の肉体目当てに違いない。そのためにお前を会社に入れようとしたのだな。
もし、そのまま入社して居ったら、どうなっていたやら…。お前も、あの時の妾どもの様になっていたに違いないぞ」
「へ?」
め、妾? 社長の?
わ、私が?!
そ、そう言えば…。
面接に来ていた子、みんな女の子だったな。
それも、結構美人さん多かった……。
なに? あれ、社員と言うより、社長の愛人候補の面接?
で、その中で、私が選ばれた……。
あ、そうだ。会社は主にヨーロッパからの輸入食品を扱ってた。
もしかして、社長は金髪が好みだった?
で、私が選ばれた……。
入っていたら、セクハラ三昧。
社長室にでも閉じ込められて、無理矢理アッハンウッフン。
んで、そのまま社長の愛人……。
「ひいいい~ん! ビンちゃん有難うございます。
ビンちゃんは、私の大恩人です!神様です!」
「何を今更。私は最初から神だと言うとろうに」
で、社長の霊は、というと、ビンちゃんにお尻をボコンと蹴られて、壁を突き抜けてビューンと飛んで行ってしまいました。
死後間もないから形を保ってるけど、もう少し立てば消えてしまうだろうとのこと。
特に何の力も無く、最後にモノに出来なかった私へ未練があっただけの様です。
いや~でも、考えると、ホント怖い。
あの社長の毒牙に掛かろうとしていたなんて。
それを、ビンちゃんのお陰で助かっていただなんて。
まさに危機一髪。ビンちゃん様々!
その上、更に今も……。
分かりました!
これは、間違いなく運命です。
貧乏神様であろうと、私はビンちゃんのお世話、させて頂きます!
でも、ホントにお世話って、どうすれば良いのでしょう…。
そうだ、後で神主さんに訊いてみよう。
あ、その前に取り敢えずは、中断している食事ですよ。
私は女将さんに、茶碗と箸と皿と座布団をそれぞれ一つずつ、追加依頼しました。
女将さんは怪訝な顔をしつつも、直ぐに用意してくれました。
茶碗に御飯をよそいます。
おかずの手を付けていないモノを半分にし、お皿に盛り付けます。
そして私の向かい側に座布団を敷き、おかずの乗ったお皿と御飯と箸を置き……。
「ビンちゃん、どうぞ、こちらへ。
さっきは、あ、いえ、私の入るはずだった会社の件も、ホントに有難うございました」
ビンちゃんに向かいの席を勧め、坐って丁寧に頭を下げます。
今度はビンちゃん、それを断らずニッコリ嬉しそうに笑って、席に着きました。
さあ、改めまして、朝食再開。やっぱり美味しい!
ビンちゃんはというと、食事には手を付けません。
いや、まあ、当り前。触れられませんからね。
でも、ニコニコと私の食べるのを見ていました。
ずっと無表情だったのに、こんな笑顔を見せてくれて、ちょっと、びっくり。
それに…。か、可愛い!
私が自分の分を食べ終えますと
「おい、こっちも食べよ。勿体無いぞ」
ビンちゃんは自分の分を勧めます。
いや、それは、ビンちゃんの分ですよ。ん?でも食べられないのか……。
そうですよね、このまま残すのは勿体無い。
元々一人分を分けたモノだから、入らなくは有りませんが、御礼の気持ちとしてビンちゃんに上げたモノ…。
私が食べちゃったら、意味なくないかな?
う~ん。まあ、ビンちゃんが勧めてくれるのです。
有難く頂戴することにしましょう。
神様に逆らっちゃダメ。
朝食後は、女将さんにお世話になったお礼を言い、旅館を出ます。
御主人=神主さんからの、神社に寄って欲しいとの伝言。
勿論私も、お礼を言いたいので、そのつもりでした。
1
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
貧乏神の嫁入り
石田空
キャラ文芸
先祖が貧乏神のせいで、どれだけ事業を起こしても失敗ばかりしている中村家。
この年もめでたく御店を売りに出すことになり、長屋生活が終わらないと嘆いているいろりの元に、一発逆転の縁談の話が舞い込んだ。
風水師として名を馳せる鎮目家に、ぜひともと呼ばれたのだ。
貧乏神の末裔だけど受け入れてもらえるかしらと思いながらウキウキで嫁入りしたら……鎮目家の虚弱体質な跡取りのもとに嫁入りしろという。
貧乏神なのに、虚弱体質な旦那様の元に嫁いで大丈夫?
いろりと桃矢のおかしなおかしな夫婦愛。
*カクヨム、エブリスタにも掲載中。
【完結】召しませ神様おむすび処〜メニューは一択。思い出の味のみ〜
四片霞彩
キャラ文芸
【第6回ほっこり・じんわり大賞にて奨励賞を受賞いたしました🌸】
応援いただいた皆様、お読みいただいた皆様、本当にありがとうございました!
❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.
疲れた時は神様のおにぎり処に足を運んで。店主の豊穣の神が握るおにぎりが貴方を癒してくれる。
ここは人もあやかしも神も訪れるおむすび処。メニューは一択。店主にとっての思い出の味のみ――。
大学進学を機に田舎から都会に上京した伊勢山莉亜は、都会に馴染めず、居場所のなさを感じていた。
とある夕方、花見で立ち寄った公園で人のいない場所を探していると、キジ白の猫である神使のハルに導かれて、名前を忘れた豊穣の神・蓬が営むおむすび処に辿り着く。
自分が使役する神使のハルが迷惑を掛けたお詫びとして、おむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりをご馳走してくれる蓬。おにぎりを食べた莉亜は心を解きほぐされ、今まで溜めこんでいた感情を吐露して泣き出してしまうのだった。
店に通うようになった莉亜は、蓬が料理人として致命的なある物を失っていることを知ってしまう。そして、それを失っている蓬は近い内に消滅してしまうとも。
それでも蓬は自身が消える時までおにぎりを握り続け、店を開けるという。
そこにはおむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりと、かつて蓬を信仰していた人間・セイとの間にあった優しい思い出と大切な借り物、そして蓬が犯した取り返しのつかない罪が深く関わっていたのだった。
「これも俺の運命だ。アイツが現れるまで、ここでアイツから借りたものを守り続けること。それが俺に出来る、唯一の贖罪だ」
蓬を助けるには、豊穣の神としての蓬の名前とセイとの思い出の味という塩おにぎりが必要だという。
莉亜は蓬とセイのために、蓬の名前とセイとの思い出の味を見つけると決意するがーー。
蓬がセイに犯した罪とは、そして蓬は名前と思い出の味を思い出せるのかーー。
❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.
※ノベマに掲載していた短編作品を加筆、修正した長編作品になります。
※ほっこり・じんわり大賞の応募について、運営様より許可をいただいております。
金沢ひがし茶屋街 雨天様のお茶屋敷
河野美姫
キャラ文芸
古都・金沢、加賀百万石の城下町のお茶屋街で巡り会う、不思議なご縁。
雨の神様がもてなす甘味処。
祖母を亡くしたばかりの大学生のひかりは、ひとりで金沢にある祖母の家を訪れ、祖母と何度も足を運んだひがし茶屋街で銀髪の青年と出会う。
彼は、このひがし茶屋街に棲む神様で、自身が守る屋敷にやって来た者たちの傷ついた心を癒やしているのだと言う。
心の拠り所を失くしたばかりのひかりは、意図せずにその屋敷で過ごすことになってしまいーー?
神様と双子の狐の神使、そしてひとりの女子大生が紡ぐ、ひと夏の優しい物語。
アルファポリス 2021/12/22~2022/1/21
※こちらの作品はノベマ!様・エブリスタ様でも公開中(完結済)です。
(2019年に書いた作品をブラッシュアップしています)

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
裏吉原あやかし語り
石田空
キャラ文芸
「堀の向こうには裏吉原があり、そこでは苦界の苦しみはないよ」
吉原に売られ、顔の火傷が原因で年季が明けるまで下働きとしてこき使われている音羽は、火事の日、遊女たちの噂になっている裏吉原に行けると信じて、堀に飛び込んだ。
そこで待っていたのは、人間のいない裏吉原。ここを出るためにはどのみち徳を積まないと出られないというあやかしだけの街だった。
「極楽浄土にそんな簡単に行けたら苦労はしないさね。あたしたちができるのは、ひとの苦しみを分かつことだけさ」
自称魔女の柊野に拾われた音羽は、裏吉原のひとびとの悩みを分かつ手伝いをはじめることになる。
*カクヨム、エブリスタ、pixivにも掲載しております。
アデンの黒狼 初霜艦隊航海録1
七日町 糸
キャラ文芸
あの忌まわしい大戦争から遥かな時が過ぎ去ったころ・・・・・・・・・
世界中では、かつての大戦に加わった軍艦たちを「歴史遺産」として動態復元、復元建造することが盛んになりつつあった。
そして、その艦を用いた海賊の活動も活発になっていくのである。
そんな中、「世界最強」との呼び声も高い提督がいた。
「アドミラル・トーゴーの生まれ変わり」とも言われたその女性提督の名は初霜実。
彼女はいつしか大きな敵に立ち向かうことになるのだった。
アルファポリスには初めて投降する作品です。
更新頻度は遅いですが、宜しくお願い致します。
Twitter等でつぶやく際の推奨ハッシュタグは「#初霜艦隊航海録」です。
椿の国の後宮のはなし
犬噛 クロ
キャラ文芸
※4話は2/25~投稿予定です。間が空いてしまってすみません…!
架空の国の後宮物語。
若き皇帝と、彼に囚われた娘の話です。
有力政治家の娘・羽村 雪樹(はねむら せつじゅ)は「男子」だと性別を間違われたまま、自国の皇帝・蓮と固い絆で結ばれていた。
しかしとうとう少女であることを気づかれてしまった雪樹は、蓮に乱暴された挙句、後宮に幽閉されてしまう。
幼なじみとして慕っていた青年からの裏切りに、雪樹は混乱し、蓮に憎しみを抱き、そして……?
あまり暗くなり過ぎない後宮物語。
雪樹と蓮、ふたりの関係がどう変化していくのか見守っていただければ嬉しいです。
※2017年完結作品をタイトルとカテゴリを変更+全面改稿しております。
羅刹の花嫁 〜帝都、鬼神討伐異聞〜
長月京子
キャラ文芸
自分と目をあわせると、何か良くないことがおきる。
幼い頃からの不吉な体験で、葛葉はそんな不安を抱えていた。
時は明治。
異形が跋扈する帝都。
洋館では晴れやかな婚約披露が開かれていた。
侯爵令嬢と婚約するはずの可畏(かい)は、招待客である葛葉を見つけると、なぜかこう宣言する。
「私の花嫁は彼女だ」と。
幼い頃からの不吉な体験ともつながる、葛葉のもつ特別な異能。
その力を欲して、可畏(かい)は葛葉を仮初の花嫁として事件に同行させる。
文明開化により、華やかに変化した帝都。
頻出する異形がもたらす、怪事件のたどり着く先には?
人と妖、異能と異形、怪異と思惑が錯綜する和風ファンタジー。
(※絵を描くのも好きなので表紙も自作しております)
第7回ホラー・ミステリー小説大賞で奨励賞をいただきました。
ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる