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鬼の世界へ

25 検診結果と目玉

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 その日の夕食はリューサさんと共に。夕方にお帰りになったのです。
 食事前に、私の前回と前々回の「生理の日」を訊かれました。
これって、排卵予定日を算出する為ですよね。ああ、いよいよです。

 えっと、前々回の生理いつだったかな?
正確に答えた方が良いですよね。
 だって、三回続けて妊娠に失敗すると、赤首輪は剥奪ってナユさん言ってました。
何としても妊娠しなきゃ!
 真剣に思い出して、お伝えしました。

 夕食を済ませ、メイドのリオシちゃんの美味しい紅茶も頂きまして…。
私はリューサさんの部屋に呼ばれます。
 リューサさんに導かれて入室すると、直ぐにイマさんとカリさんも入ってきて、イマさんがリューサさんに紙を渡します。

「さて、美玖。この間の検診の結果報告がナユから上がってきています。読みあげますよ」

 え~。そんな完璧個人情報、この場で声に出して読みあげなくてもリューサさんが理解していれば良いんじゃないですか?!

「身体外部異常なし。肉付きも良く正常に発達し、食用としても繁殖母体としても、共に最上級の状態。」

 ちょっと!食用としてもだなんて、ナユさん余計なこと書かないで!

「脳。大脳・小脳とも異常なし。良く発達し、食用として最上級」

 だから、食用って止めてよ! それに、脳まで食べるの??

「胸部内臓・腹部内臓異常なし。いずれの部位も食用として最上級。
特に肝臓・小腸・大腸の発達良好で、状態は超特級。最高に美味しそうである」

 あのね、普通そういう報告書に美味しそうなんて表現しないでしょうに!
 ナユさんってば、なに考えてるの。やっぱり食べるって言い出されたら、どうするのよ!

「外部生殖器官異常なし。形状・色とも良好。
内部生殖器官異常なし。子宮・卵巣状態良好、生殖機能に問題ないものと推測。
検査に際し、処女膜完全除去済。即座に生殖行為可能。
唾液・血液・尿・大便検査異常なし。悪性病原体検出されず。
生殖器内分泌液検査異常なし。性病罹患なし」

 えっ、性殖器内分泌液って、そんなのまで採取されていた?

「以上、全て異常なく、最上級の肉体である。
食用肉体として最高極上ランクで、即出荷可能。繁殖母体としても期待値は最上級。
特に外部遺伝子を持つ良好な母体は貴重で、容貌も極めて麗しく、是非繁殖用として活用されることを希望する」

 そうそう、繁殖用。ナユさんナイス。ただ、食用として褒め過ぎ。怖いんですって……。

 これで終わりかと思いましたら、まだ続きがあるようです。

「なお、ただ一点、眼球異常あり。近視と思われるが遺伝性はなく、食用・繁殖用共に問題は無いと思われる」

 うん、そんなのは遺伝しないからね。大丈夫ですね。
 ……と思ったのですが、リューサさんは…。

「あら、あら~。残念だったわね~、美玖。これが無ければ完璧だったのに~」

 へ? そんなの、眼鏡かけているんだから、最初から分かっていたでしょ?

「さて、どうしようかな~。美玖は完全完璧な身体じゃなかったのよね~。私は、完璧を求めたいのよね~」

 えっと…。ど、どういう…こと……?

 やっぱり、気が変わって、食べるなんて、言いませんよね?
 だって、夕食前に生理日訊いたよね? あれ、初回の性交日を決めるためでしょ!

 へ? もしかして、ナユさんが美味しそうとか変な報告書だすから、気が変わっちゃった??
 ちょっと、助てよ、イマさん、カリさん!

 ううっ…。
 な、何? 二人も怪しい目つきで笑ってる…。助けてくれる気なんて、さらさら無い?

 酷いよ! 何よ!私のこと守るって言ったじゃないの!
 所詮私は二番目。一番目のリューサさんの命令は絶対かもしれない。
 それにしても、そのニヤッとした顔は何よ!
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