女子切腹同好会 ～４完結編～

13 大腸も出します

　お次は、小腸のもう一方の端とつながっている大腸ですね。消化器官の最終部分です。
　自分の大腸、内視鏡で内部は２度観察しましたが、実際に取り出すのは初めて。（……当たり前）
　私の大腸って、標準より長いはず。どんなふうになっているかな？
　見るのが楽しみで、興奮です。

　お腹からデロンと出ている小腸をたどり、それが繋がっている部位、右下腹部内の盲腸部分を左手でもってグッと掴みます。
　うう～ん。触った感じは素晴らしい。温かく、軟らかいけど、小腸よりはずっと太くてシッカリしてる。大腸独特の凸凹した感触も心地よい。
　そしてやっぱり、ウニュウニュと、力強く活動中。生きているよ。元気だよ。しっかり働いている私の大腸だ。
　さあ、君も出ておいで。外の世界を見せてあげるよ。
　力を込めて引き、腹壁からベリベリ剥がし出します。

　ひぐっ・・・。ぐあっ、はうっ・・・。あ、あああっ・・・。

　プリプリ震えながら、私のお腹から次々出てくる大腸。ブヨブヨしていて、血塗まみれの、脂塗まみれ。くっついている血管が切れ、脂肪組織もズルズル一緒に出てくるからね。脂ギトギト状態ではありますが、それは誰のでも同じ感じですよ。

　う、しかし、私の大腸、少し細め？
　細身の由紀さんも、こんな感じだったよね。そうだよ、由紀さんのに似ているかも。
　几帳面に等間隔で結束していった様な大腸独特の形状は、他の皆のモノと同じ。色も血色良いピンクっぽい色。黄色い脂肪組織がベットリ付いているのも同じ。でも、太さだけ、お上品に細い？

　まあ、細いって言っても、そんな極端には違いませんけどね。
　私ってば、多数の人間の大腸引き出しているから見慣れているのよ。だから分かることで、普通の人では分からないくらいでしょうね。

　なに？　分からないも何も、普通の人は生涯に一度も生の大腸なんか見ないよって？
・・・はい、そうですね。

　そういえば、お腹を切った痛み、ちょっとだけ、ちょっとだけですが、慣れてきたかも……。痛くなくなったわけじゃないけど、なんか、少し痺れた感じになってきたよ。
　脳内麻薬が分泌されてきたのかな。
　出産も経験し、刺されたこともあったからね。体もそれに対して適応能力を持ってきたかもしれない。
　これは、別に反則じゃないよね。オッケーです。

　右脇腹の盲腸と上行結腸に続くのは、上腹部を横へ通る横行結腸。この部分は腸間膜で体とつながっていますので、その膜を切除して取り出します。
　左脇腹から下行結腸は、腹壁に固定されています。ここはベリベリ剝がし出します。
　いや、痛いんですけども・・・。腹腔内に繋ぎとめている血管なんかが切れながらブルンブルンと震えて体外へ出てくる感触が、堪らなく気持ち良くもある。
　・・・だから～、ゴメンナサイネ、変態で！

　左下腹部内にうねって入っているS状結腸は、再び腸間膜での結合。それを破いて出して、最終部位は、お尻に繋がる直腸。
　お腹の奥へ左手を突っ込み、内容物が漏れないよう直腸の端をしっかり握って引っ張る。
　お尻の穴が体内へググッと引き込まれる感じは、夢で経験したものと同じで、ちょっと気持ち良い。
　腹部内へ刃物を入れて、腹腔内側から肛門周辺部分をグリグリッと抉えぐり切る。こっちはやっぱり、激烈に痛い。仕方ないね。
　肛門付きの完全体で大腸の最終部分も取り出しました。私の消化器官の全摘出が完了です！

　摘出を終えた、完全な姿の私の大腸。お腹の中の周辺部をグルッと回るように納まっていたソレを、両手で捧げるように持って、真っ直ぐ伸ばします。
　ああ、やっぱり長いね。普通の人より５０センチくらいは長いかも。長い分、細いってことかな？
　長くて太かったら、お腹に入りきらないもんね。
　でも、色も形状も申し分なく麗しい。出したてホヤホヤで、まだ生きている大腸、ゆっくり動いて収縮しています。元気だね。私の大腸、最高よ！
　この大腸は、胃と小腸の手前へ置きます。