101 / 167
帰還、そして出産
101 反省しました
しおりを挟む
亜希子は、あの後、回復するのに、まる二日かかった。
その後は、慎也の家にいても、やることが無いので、もともと勤めていた名古屋の研究機関に通っている。まあ、慎也の家にずっと居るのが、怖かったのかもしれない…。日中は仕事に戻り、夕方には慎也宅に帰って来るのだ。
帰って来たくなくても、命じられて派遣されている身。帰って来ないわけには行かないだろう。まさに「ご愁傷様」だ……。
最寄りの岐阜羽島駅から名古屋駅まで、新幹線で十一分。後は地下鉄で十五分。通勤には非常に便の良い場所だったのは、幸いだった。
恵美は、あの日、意識を回復した時には、みんな既に眠っていた。
(もしかして、私も、亜希子の様に無様に脱糞してしまったの?)
不安で、不安で、堪らなかった。
恥ずかしくて、みんなに顔を合わせられない。
布団をかぶり、朝、みんなが起き出て行くまで、寝たふりしていた。
その後に、沙織から大丈夫だったと聞かされ、やっと安心して眠れたのだった。
一日でなんとか回復した後、二~三日は大人しくしていたが、一週間も経たずしてすっかり従前通りだ。
慎也としては、お淑やかな恵美の方が可愛らしくて好みだが、まあ仕方がない。
不倫疑惑事件から一週間と少し。
亜希子は、あれ以来オドオドした感じが抜けない。が、ここ数日、少し機嫌が良さそうだ。
沙織が訊いてみると、年下の彼氏が出来たとのこと。明らかに落ち込んでいた亜希子を心配して、話しかけてきてくれたそうである。
亜希子は美人でスタイルも良い。四十二歳とはまるで思えない美魔女だ。
あの性格が災いして独り身で居たのだが、落ち込んで大人しくしていたものだから、男が寄ってこないはずがない。眉目秀麗で、二歳年下、頭の回転もよく、文句なしの彼氏だということである。
なお、「彼氏ができたのも皆様の御蔭」と殊勝なことを言っている。
本心なのか、どうなのかは不明であるが……。
その亜希子が、夕食前に皆のところへやってきた。(あれ以来、亜希子は別室で食事をとるようになっている。)
「あ、あのう~。皆様、申し訳ありませんが、少しお時間頂けますか?」
視線が集まり、亜希子は、またオドオドする。
「ええと…。血液検査と尿検査の結果ですが、皆さま、全く問題ありません。お腹のお子様は、やはり、成長が早いです。通常の倍くらいです。
それから…、その……。性生活に関してですが……。私は専門で無いので、産科の医師の見解を伺ってきたのですが………」
「なに? 早く言ってよ!」
「は、はい! そ、その、不特定多数とのセックスは控えるようにとのことでしたが…。
皆様は複数ですが、不特定でなく、正式なパートナーですので、この点、問題は無いかと……」
「そうね。叔母様みたいな人がいなければ、大丈夫ね」
「は、はい! 申し訳ございません!」
沙織のキツイ一言に、亜希子は深々と頭を下げた。
「あ~、もういいから、早く次に進んで」
自分で話の腰を折っておいて急かすという、理不尽な沙織の言葉にも逆らわず、亜希子は、慌てて続ける。
「は、はい、それでですね。指を挿入するのは、感染症の恐れもありますので、妊娠中は御控えになられました方が宜しいかと…。
それと、皆さま妊娠中ですので、あまり負担になる体位は御控え頂きまして、お子様が大きくなられてきましたら、行為もやはり、御控えになられました方が良いということですが……」
「そっか……。まあ、そうよね…。龍の祝部の精を受けるのが無事に産むために必要って言ったって、限度があるものね。まあ、お腹が大きくなってきたらってことね」
「はい、そういうことのようです。
あ、あと…。沙織さん、杏奈さん、環奈さんにですが。お母様が大変心配しておられます。それで、写真が欲しいとの御要望なのですが……。できましたら、皆さまで……」
皆、並べられた夕食も入れて、にこやかに写真撮影。
但し、慎也は弾き出された。
沙織たちの母は、慎也を快く思っていない。というか嫌悪、いや憎悪している。
当然である。大事な娘を三人も「盗られて」しまったのだ。許せるはずもない。
ということで、慎也は写真に入れてもらえなかったのだ。
但し、沙織たち母親に送るのとは別に、皆揃っての写真も撮った。
これは、後に慎也の部屋に飾られることになる。
その後は、慎也の家にいても、やることが無いので、もともと勤めていた名古屋の研究機関に通っている。まあ、慎也の家にずっと居るのが、怖かったのかもしれない…。日中は仕事に戻り、夕方には慎也宅に帰って来るのだ。
帰って来たくなくても、命じられて派遣されている身。帰って来ないわけには行かないだろう。まさに「ご愁傷様」だ……。
最寄りの岐阜羽島駅から名古屋駅まで、新幹線で十一分。後は地下鉄で十五分。通勤には非常に便の良い場所だったのは、幸いだった。
恵美は、あの日、意識を回復した時には、みんな既に眠っていた。
(もしかして、私も、亜希子の様に無様に脱糞してしまったの?)
不安で、不安で、堪らなかった。
恥ずかしくて、みんなに顔を合わせられない。
布団をかぶり、朝、みんなが起き出て行くまで、寝たふりしていた。
その後に、沙織から大丈夫だったと聞かされ、やっと安心して眠れたのだった。
一日でなんとか回復した後、二~三日は大人しくしていたが、一週間も経たずしてすっかり従前通りだ。
慎也としては、お淑やかな恵美の方が可愛らしくて好みだが、まあ仕方がない。
不倫疑惑事件から一週間と少し。
亜希子は、あれ以来オドオドした感じが抜けない。が、ここ数日、少し機嫌が良さそうだ。
沙織が訊いてみると、年下の彼氏が出来たとのこと。明らかに落ち込んでいた亜希子を心配して、話しかけてきてくれたそうである。
亜希子は美人でスタイルも良い。四十二歳とはまるで思えない美魔女だ。
あの性格が災いして独り身で居たのだが、落ち込んで大人しくしていたものだから、男が寄ってこないはずがない。眉目秀麗で、二歳年下、頭の回転もよく、文句なしの彼氏だということである。
なお、「彼氏ができたのも皆様の御蔭」と殊勝なことを言っている。
本心なのか、どうなのかは不明であるが……。
その亜希子が、夕食前に皆のところへやってきた。(あれ以来、亜希子は別室で食事をとるようになっている。)
「あ、あのう~。皆様、申し訳ありませんが、少しお時間頂けますか?」
視線が集まり、亜希子は、またオドオドする。
「ええと…。血液検査と尿検査の結果ですが、皆さま、全く問題ありません。お腹のお子様は、やはり、成長が早いです。通常の倍くらいです。
それから…、その……。性生活に関してですが……。私は専門で無いので、産科の医師の見解を伺ってきたのですが………」
「なに? 早く言ってよ!」
「は、はい! そ、その、不特定多数とのセックスは控えるようにとのことでしたが…。
皆様は複数ですが、不特定でなく、正式なパートナーですので、この点、問題は無いかと……」
「そうね。叔母様みたいな人がいなければ、大丈夫ね」
「は、はい! 申し訳ございません!」
沙織のキツイ一言に、亜希子は深々と頭を下げた。
「あ~、もういいから、早く次に進んで」
自分で話の腰を折っておいて急かすという、理不尽な沙織の言葉にも逆らわず、亜希子は、慌てて続ける。
「は、はい、それでですね。指を挿入するのは、感染症の恐れもありますので、妊娠中は御控えになられました方が宜しいかと…。
それと、皆さま妊娠中ですので、あまり負担になる体位は御控え頂きまして、お子様が大きくなられてきましたら、行為もやはり、御控えになられました方が良いということですが……」
「そっか……。まあ、そうよね…。龍の祝部の精を受けるのが無事に産むために必要って言ったって、限度があるものね。まあ、お腹が大きくなってきたらってことね」
「はい、そういうことのようです。
あ、あと…。沙織さん、杏奈さん、環奈さんにですが。お母様が大変心配しておられます。それで、写真が欲しいとの御要望なのですが……。できましたら、皆さまで……」
皆、並べられた夕食も入れて、にこやかに写真撮影。
但し、慎也は弾き出された。
沙織たちの母は、慎也を快く思っていない。というか嫌悪、いや憎悪している。
当然である。大事な娘を三人も「盗られて」しまったのだ。許せるはずもない。
ということで、慎也は写真に入れてもらえなかったのだ。
但し、沙織たち母親に送るのとは別に、皆揃っての写真も撮った。
これは、後に慎也の部屋に飾られることになる。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
母娘丼W
Zu-Y
恋愛
外資系木工メーカー、ドライアド・ジャパンに新入社員として入社した新卒の俺、ジョージは、入居した社宅の両隣に挨拶に行き、運命的な出会いを果たす。
左隣りには、金髪碧眼のジェニファーさんとアリスちゃん母娘、右隣には銀髪紅眼のニコルさんとプリシラちゃん母娘が住んでいた。
社宅ではぼさぼさ頭にすっぴんのスウェット姿で、休日は寝だめの日と豪語する残念ママのジェニファーさんとニコルさんは、会社ではスタイリッシュにびしっと決めてきびきび仕事をこなす会社の二枚看板エースだったのだ。
残業続きのママを支える健気で素直な天使のアリスちゃんとプリシラちゃんとの、ほのぼのとした交流から始まって、両母娘との親密度は鰻登りにどんどんと増して行く。
休日は残念ママ、平日は会社の二枚看板エースのジェニファーさんとニコルさんを秘かに狙いつつも、しっかり者の娘たちアリスちゃんとプリシラちゃんに懐かれ、慕われて、ついにはフィアンセ認定されてしまう。こんな楽しく充実した日々を過していた。
しかし子供はあっという間に育つもの。ママたちを狙っていたはずなのに、JS、JC、JKと、日々成長しながら、急激に子供から女性へと変貌して行く天使たちにも、いつしか心は奪われていた。
両母娘といい関係を築いていた日常を乱す奴らも現れる。
大学卒業直前に、俺よりハイスペックな男を見付けたと言って、あっさりと俺を振って去って行った元カノや、ママたちとの復縁を狙っている天使たちの父親が、ウザ絡みをして来て、日々の平穏な生活をかき乱す始末。
ママたちのどちらかを口説き落とすのか?天使たちのどちらかとくっつくのか?まさか、まさかの元カノと元サヤ…いやいや、それだけは絶対にないな。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる