月の影に隠れしモノは

しんいち

文字の大きさ
上 下
62 / 167
帰還、そして出産

62 巫女とのお勤め …正妻からの制裁…

しおりを挟む
 双子の杏奈と環奈は、病気療養名目で中学校を休学することになっていた。
 出産後は早いうちに復学予定。権力の力で、留年無し。
 もちろん、勉強はしっかりする。もともと二人とも成績は良いし、優秀な恵美と沙織がついている。…こう見えて、恵美は学校トップの成績を誇る優等生。沙織が次席なのだ。この二人が勉強を見るので、心配ないとのことだ。

 沙織も授乳が終わるまでは、大学は休学。
 恵美は退学し、出産後の四人の子を育てることになっているらしい。

 あと問題は、総理の孫三人の警備だが、姓も違うし、一般には山本家と総理のつながりは、あまり知られていない。
 だが、中学生が妊娠・出産などと知れたら大ごとなので、公安が警備し、色々工作するようだ。
 また、恵美の母親が剣術道場師範で、恵美も師範代の腕前。であるから、恵美は親友であると同時に、かつ三人の警備員的な役割を、これまでもしていた。これからも同様だし、道場からの応援もあるようだ。
 ちなみに、この道場、表向き剣術道場だが、実態は忍術に近いかも…とのこと。これも、当然、尾賀家の使命を果たすための手段と実益を兼ねたモノだった。


 順番に風呂へ入り、就寝時間。いや、大事な、大事な、祝部と巫女のお勤めの時間だ。
 七人も一緒に寝られる広さがあるのは、母屋の座敷しかない。仕方なく、机をどけて、そこへ布団を敷いた。
 布団は来客に備えた物か、押し入れに十組も入っていた。よって、事足りる。

 だが、みんな同じ部屋で寝る必要があるのだろうか…。
 そもそも、一晩に六人相手しろというのが無茶すぎる。例えば、半分ずつの交代でも良いではないか……。

 しかし、この慎也の主張というか懇願、これも、恵美のゴリ押しで却下となった。
 妻・妾は、セックスに関してはみんな平等で、同じ回数してもらう権利がある。そして、他の人がしているのに自分は我慢させられるなんてこと無く、毎晩満足させてもらう権利がある。さらに、安産の為には一回でも多くセックスする必要がある。
 だから、毎晩六人とせよというのだ。

 まあ、ゴリ押しといっても、女性陣からは全く異論が出なかった。つまり、六人の総意であるとも言える。
 これは、慎也にとっては頭が痛い。
 その一方で、恵美はニヤニヤしている。小憎らしい奴だ。

 準備が整い、さあ誰からということになった。なぜか、この時ばかりは恵美が仕切らない。それを見て、舞衣が慎也に耳打ちした。

「ねえ、あの子、懲らしめてやらない? あのフィンガーアタックで」

 フィンガーアタック…。命名者は舞衣。当初は「指で」とか、「指責ゆびぜめ」とか表現していた、指を突っ込んでの『マッサージ』のことだ。「癒しの気」を強く放出している慎也の指を挿入されると、快感を通り越して拷問と化してしまう…。
 舞衣は、悪戯いたずらっぽく笑う。
 鋭く舞衣の笑いに気が付き、恵美が指摘した。

「何か、怪しい相談してる~」

 それには慎也が、おどけて答える。

「何をおっしゃるウサギさん。正妻様からは、今日は君たち優先で良いという、有難~いお言葉ですよ。祥子さんも良いですね?」

「ああ、正妻殿がそう言うなら、仕方あるまい。我らは昨日もしてもらっとる。同意じゃ」

「よし、では、今日の順番を発表します。一番恵美さん。二番杏奈さんと環奈さん。三番、あ、四番か、沙織さん。それから、祥子さんで、最後が舞衣さん」

 恵美は、実はもう少し後の順番が良かった。仙界で、楽しみにしていたのを、お預けくらってしまっている。最初は射精が早いから、後の方で、じっくり可愛がって欲しかったのだ。
 しかし、そんなことを自分から要求するのはハシタなく思え、プライドが許さない。卑語は口にしても、自分の「本心」をさらすのは恥ずかしい…。そこで、いろいろ難題をふっかけて、自分の番を後回しにさせようという魂胆もあったのだ。
 あては外れたが、最初でも十分楽しめるし、明日からもあるので受け入れた。

 この後の自分に、どんな地獄(天国?)が待っているかも知らず……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

母娘丼W

Zu-Y
恋愛
 外資系木工メーカー、ドライアド・ジャパンに新入社員として入社した新卒の俺、ジョージは、入居した社宅の両隣に挨拶に行き、運命的な出会いを果たす。  左隣りには、金髪碧眼のジェニファーさんとアリスちゃん母娘、右隣には銀髪紅眼のニコルさんとプリシラちゃん母娘が住んでいた。  社宅ではぼさぼさ頭にすっぴんのスウェット姿で、休日は寝だめの日と豪語する残念ママのジェニファーさんとニコルさんは、会社ではスタイリッシュにびしっと決めてきびきび仕事をこなす会社の二枚看板エースだったのだ。  残業続きのママを支える健気で素直な天使のアリスちゃんとプリシラちゃんとの、ほのぼのとした交流から始まって、両母娘との親密度は鰻登りにどんどんと増して行く。  休日は残念ママ、平日は会社の二枚看板エースのジェニファーさんとニコルさんを秘かに狙いつつも、しっかり者の娘たちアリスちゃんとプリシラちゃんに懐かれ、慕われて、ついにはフィアンセ認定されてしまう。こんな楽しく充実した日々を過していた。  しかし子供はあっという間に育つもの。ママたちを狙っていたはずなのに、JS、JC、JKと、日々成長しながら、急激に子供から女性へと変貌して行く天使たちにも、いつしか心は奪われていた。  両母娘といい関係を築いていた日常を乱す奴らも現れる。  大学卒業直前に、俺よりハイスペックな男を見付けたと言って、あっさりと俺を振って去って行った元カノや、ママたちとの復縁を狙っている天使たちの父親が、ウザ絡みをして来て、日々の平穏な生活をかき乱す始末。  ママたちのどちらかを口説き落とすのか?天使たちのどちらかとくっつくのか?まさか、まさかの元カノと元サヤ…いやいや、それだけは絶対にないな。

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...