女子切腹同好会 ~2有香と女子大生四人の“切腹”編・3樹神奉寧団編~

しんいち

文字の大きさ
59 / 76
樹神奉寧団編

59 樹神奉寧団編 遺体の扱い

しおりを挟む

「あと、命を捧げる前に、どうしても教えて欲しいことがあるんですけど…」

 教えて欲しいこと? なんですか?
 生贄となる麻衣さんからの、人生最後の質問ですもんね。出来る限りお答えしますよ。

「解体された私の体は、儀式の供物とされるんですよね。そのことは理解しているのですが、その儀式の後、どうなるのかなって気になって・・・。
遺書とか失踪の書き置きみたいなのも書いてきたから、行方不明扱いでお葬式なんて無いですよね。単に焼いて灰にされるだけなのかな? それとも、どこかに埋められてしまう?
どうなるのか、もし御存じなら・・・」

 ああそうか…。まあ、確かに気になることよね。私も最初疑問に思っていたこと。生贄になって死んじゃうって時も、心臓以外の内臓はどう処分されるのかって、とっても気になりましたよ。

 えっと、教えちゃって大丈夫かな・・・。

 彼女は自らの命を捧げてくれるのです。知る権利、ありますよね。
 そして、私は斎巫で、実質の教団トップ。教えてあげる権限・・・ありますよね?!
 彼女はもう死んでしまうのですから、情報漏洩の心配もありませんしね。
 よし、教えてあげましょう!

 彼女の心臓を私が食べることで私に宿っている鬼神様(樹神様)の力になることを伝えちゃいました。

「わ、私、食べられちゃうんだ、新瀬さんに・・・」

「そういうことです、ゴメンナサイ。あ、でも、儀式として私が食べるのは心臓だけですからね」

「じゃあ、後の部分は?」

「それがですね……。オサガリとして分配されて、教団関係者や信者に分けられてしまうの。あ、頭は私のところに残って、後で私が食べることになるけどね」

「じゃ、じゃあ、私の遺体は、何から何まで全て残らず食べられてしまうってこと?」

「そうです。ごめんね。ショックだよね」

「いえいえ、トンデモナイ。安心しましたよ。この私の肉体は、無駄なく全て利用してもらえるんだね! それ、ステキ! 嬉しいよ」

「え? う、嬉しい・・・?」

「そうよ。嬉しいわ」

 食べられるのがステキ? 嬉しい??
 “食べたい”ってのなら理解できるけどね・・・。
 ああ、でも捨てられちゃうというよりは、そっちの方が良いかな…。
 しかし、“嬉しい”ってのは、どうなんだろう??

「そっか、私の頭は新瀬さんが食べるのか。ねえ、頭ってどうやって食べるの?
バリッと割られて、脳味噌とか取り出されちゃうのかな? 生でってことは無いよね。調理とかされちゃうんだよね?
どんなふうに処理や調理するの? よかったらそれ、詳しく教えて!」

「えっ・・・、い、いや・・・。それ、すっごくグロイんだけど、大丈夫?」

 内臓フェチの私も引いた、頭の解体ですもんね。

「大丈夫。平気です。是非、詳しく知りたいの。自分のことだから」

 自分のことだからか・・・。そうだよね。それでは、教えてあげましょう。

「あの、ですね。まずは両の目玉ですが、スプーン状の器具をまぶたと眼球の間にグッと突っ込んで、グリグリブチュッてえぐりり出してですね。視神経ごと抜き取ります」

 一緒に聞いてる百合が、驚愕の顔してる。
 される本人は・・・、別段平気みたい。

「次に脳味噌の摘出で、額の皮を横向きに切って、ベリベリ頭皮を剥いで頭蓋骨を剝き出しにしましてですね。小型の電気のこぎりで頭骸骨をガリガリ切って脳を露出させてですね。手を突っ込んで、後ろにひっくり返すようにグチャッと纏めて脳を抜き出しましてですね。そんでもってその脳は、ブツ切りにしちゃいます。
後は、口をこじ開けて舌を引っ張り出して根元で切り取って、鼻や耳も削いで、頬の肉も削ぎ取りましてですね。脳も目玉も、鼻も耳も舌も頬肉も、それらを削ぎ取った骨までも、全部一緒に大鍋に入れて、塩コショウで味付けした煮込みスープにして・・・」

 百合ってば、気持ち悪そうに口を押えてる。
 そうです。それが普通の感覚。
 だって、これからそんな風に処理されてしまう本人が目の前にいるんですからね。リアルに想像しちゃいますよ・・・。

 でも一方で、そう処分されちゃう本人はというと、明らかに喜んでる?!
 ちょっと怖い。彼女、大丈夫?
 これ、真正のマゾだよ・・・。

「そうなんだ。私、そんな風にされちゃって、全部無駄なく食べられちゃうのね。骨まで煮込まれるなんて、嬉しい。
うん、分かった。じゃあ、早速私を解体処理してください。私は、この世の為に、この肉体の全てを捧げます」

「は、はい・・・。麻衣さんの体、有難く使わせて頂きます・・・。宜しくお願いします」

 う、う~ん。ナンダカナ・・・。真面目で清純な木藤さんのイメージが、ボロボロと崩れて行くような・・・。これじゃあ、ヘンタイの私とあんまり変わらない。
 百合も同じ思いみたいです。奇妙な顔してます。


 ところで・・・。

「えっと、百合。鍼麻酔は持ってきたの?」

「あ、うん、持って来てるよ」

「じゃあ、麻衣さん。麻酔をしますね」

「はあっ? 麻酔って、それはダメでしょう。生贄なんてものは、痛みで藻掻き苦しんで死んでいかなきゃ!」

 おおっと、これも全く想定外の返答です。
 苦しめられたいの??
 ホント、意味わかんな~い!!

 被虐嗜好もここまでくると、この私でも、どうかと思う・・・。
 しかし、本人が麻酔は不要って言うんですから、無理にも出来ません。

「本当にいいの? とっても痛いし、凄く苦しいよ」

「大丈夫! 思いっきり苦しめながら、残酷に、情け容赦なく、解体してください。覚悟は出来てます。立派に生贄のお役目を務めさせて頂きます」

 うう~ん、ご立派と言うか、なかなかの変態的回答です。調子狂いまくり…。
 でも、本人の希望なんですから、それに従いましょうか。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

女子切腹同好会

しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。 はたして、彼女の行き着く先は・・・。 この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。 また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。 マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。 世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

処理中です...