34 / 76
樹神奉寧団編
34 樹神奉寧団編 美羽と冬花
しおりを挟む
女子切腹同好会会長の新瀬有香です。
審査申請しました美紀さん夏実さんの妹さんたちの勧誘、速攻でオッケーでした。
いや、ホントにこれ、良いのかな??
百合に連絡を取ってもらい、次の土曜日、いつもの公園で勧誘の為の面談です。
会ってビックリ!!
美紀さんの妹さん、名前は谷本美羽さん・・・、
美紀さんと、全く同じ顔!!
双子なんですって・・・。
百合は会ったことあるんだから、当然知ってたよね。何で教えてくれなかった?!
その方が面白そうだったからって、あのね・・・。
双子ということは美紀さんと同じ年齢。つまり、私たちより2つ上のお姉様です。
夏実さんの妹さんは、お名前は成嶋冬花さん。
軽~い感じの話し方の夏実さんとは正反対の、畏まったシッカリした話し方の優等生って感じ。
学年は美羽さんと同じで私たちより2つ上の高校3年生。あ、お二人、同じ高校なんですね。
立ち話も何ですから、ベンチに坐りましょうか。
坐るなり、美羽さんがお姉さんのことを訊いてきます。
お姉さんが「夏実さんと海外へ旅行に行く」とハガキで知らせてきたと思ったら、そのまま行方不明。その行った先と言うのが、国交のない、危険なK国。
どうやってそんな所へ行った? まず隣国へ行って、そこから入国? 何で、何をしにそんな所へ??
両親はパニックでたいへん。(そんな事を聞いたら、そりゃそうでしょうとも・・・)
でも美羽さんは確信していました。お姉さんはそんなところへ行っていない。国内から出てもいない。そして・・・、多分もう、この世には居ない・・・。
これは双子の勘ってヤツです。超鋭い。
で、遺体でも良いからお姉さんを見つけたいと、一緒にいなくなった夏実さんの妹である冬花さんにも同行してもらって探しているというのです。
冬花さんの方は、正直自身のお姉さんはどうでも良いですって。冷たいな…。
グウタラで援助交際までしていたみたいで嫌悪感しかないって、う~んそれ、知ってたんだ・・・。
「バカ姉貴なんかよりも、美羽のお姉さんを探してあげたい」ですって。
夏実さん、ホントに家族に愛想つかされていたのね。なんか、憐れだな・・・。
それで、手掛かりになるかもしれないから、美紀さん夏実さんの2人のことを教えて欲しいってことです。
ここで勧誘です。これも百合が率先して進めてくれます。
この私がお姉さんたちと一緒に同好会活動していたことを話し、「一緒に活動してみませんか?そうすれば、お姉さんたちのことについて、よ~く分かるよ」ってな感じで入会を勧める…。
『女だけの絶対の秘密会』だから、形だけでも入会しないと詳しいことは一切話せないんだよね~って・・・うまく丸め込んでしまって即刻入会させちゃいました。
だけど『女だけの絶対の秘密会』ってね、それ、間違ってませんけどね、この2人、明らかに誤解してるよ。見合って手を繋いで、顔を赤めてるもん。
でも頷き合ってOKしちゃった・・・。
うん? あ、ああ、この2人もそういう関係なのかも。シッカリ手を繋ぎ合って、不安そうに体を寄せ合ってる。
百合ってば、それに気付いてこんな表現を・・・じゃないよ、私にもそんな感じのを言ったりして揶揄ってる!
名前が百合だけに、いつもそんな様な話をしてる?
あなた、ぜったい誤解されてレズ扱いされちゃうからね!
この面談は入会前のことですので、会館ではなくって公園でしています。会館は会員しか入れませんからね…。
2人が入会に同意した後すぐに、4人で会館に移動します。お姉さんたちの研究していた場所で、全部教えてあげるよって、百合が導いたのです。
これは、事務局の事前指示と一致なんだけど、その指示を知っているのは私だけのはずなのにな・・・。
実は、ですね。この2人、危険人物として事務局にマークされていたのです。(切腹した姉のことを調べ回っていたからね…)
…2人は、自宅から3時間かけて来てます。そう、気軽に来られない距離なのですよ。だからこそ、美紀さんはアパートを借りて夏実さんに保護者代わり(あくまで名目上)になってもらって学校に通っていたのですからね。
そんな遠くまでノコノコ出てきてくれたのを良いコトに、速攻で会館まで誘導してしまい、そのまま処分する。その上、供物にしてしまう…と言うのが事務局の邪悪な目論見。これじゃ、入会オッケーもへったくれもないよ。
そんなだったら、最初から会館に来させれば良いのにって思うんですけども、尾行者がいないか確認って意味もあったようですね。
会館の住所を教えて来てもらうなんてことも出来ませんしね。それによって会館の秘密が漏れてしまうなんて危険もありますから。
という理由がありまして、こんな面倒な移動。
そして、会館に入ればこの2人は生きては出られない。
でも私、同意も無く殺すのはイヤなんですよ。
特にこの2人、美紀さんと夏実さんの妹さんなんですから・・・。
百合ってば、事情を知らないはずなのに、躊躇している私に替わって、事務局が意図する方へとスイスイ導いてしまう。
一体彼女、ナニ? もう彼女が会長でいいんじゃない?
私、必要ないよね。それなら、私、切腹させて欲しいんだけど・・・。
会館に入ってしまえば、泣こうが叫ぼうが、もう御仕舞い。外には音が漏れない造りになっていますし、自動で全ての鍵を操作することが出来て、逃げられない。
この2人が外へ出られるのは、遺体となってからなのです。その遺体も、お葬式も無く供物とされてしまう・・・。
美紀さんソックリの子。双子の妹…。そんな扱いをするのは忍びない。でも、百合に導かれて、二人とも会館に入っちゃった・・・。
こうなると、私も会長として、覚悟を決めなければなりません。
美紀さん、夏実さん、ゴメンナサイ。私、会長職を全うします。
この二人、処分させて頂きます!
審査申請しました美紀さん夏実さんの妹さんたちの勧誘、速攻でオッケーでした。
いや、ホントにこれ、良いのかな??
百合に連絡を取ってもらい、次の土曜日、いつもの公園で勧誘の為の面談です。
会ってビックリ!!
美紀さんの妹さん、名前は谷本美羽さん・・・、
美紀さんと、全く同じ顔!!
双子なんですって・・・。
百合は会ったことあるんだから、当然知ってたよね。何で教えてくれなかった?!
その方が面白そうだったからって、あのね・・・。
双子ということは美紀さんと同じ年齢。つまり、私たちより2つ上のお姉様です。
夏実さんの妹さんは、お名前は成嶋冬花さん。
軽~い感じの話し方の夏実さんとは正反対の、畏まったシッカリした話し方の優等生って感じ。
学年は美羽さんと同じで私たちより2つ上の高校3年生。あ、お二人、同じ高校なんですね。
立ち話も何ですから、ベンチに坐りましょうか。
坐るなり、美羽さんがお姉さんのことを訊いてきます。
お姉さんが「夏実さんと海外へ旅行に行く」とハガキで知らせてきたと思ったら、そのまま行方不明。その行った先と言うのが、国交のない、危険なK国。
どうやってそんな所へ行った? まず隣国へ行って、そこから入国? 何で、何をしにそんな所へ??
両親はパニックでたいへん。(そんな事を聞いたら、そりゃそうでしょうとも・・・)
でも美羽さんは確信していました。お姉さんはそんなところへ行っていない。国内から出てもいない。そして・・・、多分もう、この世には居ない・・・。
これは双子の勘ってヤツです。超鋭い。
で、遺体でも良いからお姉さんを見つけたいと、一緒にいなくなった夏実さんの妹である冬花さんにも同行してもらって探しているというのです。
冬花さんの方は、正直自身のお姉さんはどうでも良いですって。冷たいな…。
グウタラで援助交際までしていたみたいで嫌悪感しかないって、う~んそれ、知ってたんだ・・・。
「バカ姉貴なんかよりも、美羽のお姉さんを探してあげたい」ですって。
夏実さん、ホントに家族に愛想つかされていたのね。なんか、憐れだな・・・。
それで、手掛かりになるかもしれないから、美紀さん夏実さんの2人のことを教えて欲しいってことです。
ここで勧誘です。これも百合が率先して進めてくれます。
この私がお姉さんたちと一緒に同好会活動していたことを話し、「一緒に活動してみませんか?そうすれば、お姉さんたちのことについて、よ~く分かるよ」ってな感じで入会を勧める…。
『女だけの絶対の秘密会』だから、形だけでも入会しないと詳しいことは一切話せないんだよね~って・・・うまく丸め込んでしまって即刻入会させちゃいました。
だけど『女だけの絶対の秘密会』ってね、それ、間違ってませんけどね、この2人、明らかに誤解してるよ。見合って手を繋いで、顔を赤めてるもん。
でも頷き合ってOKしちゃった・・・。
うん? あ、ああ、この2人もそういう関係なのかも。シッカリ手を繋ぎ合って、不安そうに体を寄せ合ってる。
百合ってば、それに気付いてこんな表現を・・・じゃないよ、私にもそんな感じのを言ったりして揶揄ってる!
名前が百合だけに、いつもそんな様な話をしてる?
あなた、ぜったい誤解されてレズ扱いされちゃうからね!
この面談は入会前のことですので、会館ではなくって公園でしています。会館は会員しか入れませんからね…。
2人が入会に同意した後すぐに、4人で会館に移動します。お姉さんたちの研究していた場所で、全部教えてあげるよって、百合が導いたのです。
これは、事務局の事前指示と一致なんだけど、その指示を知っているのは私だけのはずなのにな・・・。
実は、ですね。この2人、危険人物として事務局にマークされていたのです。(切腹した姉のことを調べ回っていたからね…)
…2人は、自宅から3時間かけて来てます。そう、気軽に来られない距離なのですよ。だからこそ、美紀さんはアパートを借りて夏実さんに保護者代わり(あくまで名目上)になってもらって学校に通っていたのですからね。
そんな遠くまでノコノコ出てきてくれたのを良いコトに、速攻で会館まで誘導してしまい、そのまま処分する。その上、供物にしてしまう…と言うのが事務局の邪悪な目論見。これじゃ、入会オッケーもへったくれもないよ。
そんなだったら、最初から会館に来させれば良いのにって思うんですけども、尾行者がいないか確認って意味もあったようですね。
会館の住所を教えて来てもらうなんてことも出来ませんしね。それによって会館の秘密が漏れてしまうなんて危険もありますから。
という理由がありまして、こんな面倒な移動。
そして、会館に入ればこの2人は生きては出られない。
でも私、同意も無く殺すのはイヤなんですよ。
特にこの2人、美紀さんと夏実さんの妹さんなんですから・・・。
百合ってば、事情を知らないはずなのに、躊躇している私に替わって、事務局が意図する方へとスイスイ導いてしまう。
一体彼女、ナニ? もう彼女が会長でいいんじゃない?
私、必要ないよね。それなら、私、切腹させて欲しいんだけど・・・。
会館に入ってしまえば、泣こうが叫ぼうが、もう御仕舞い。外には音が漏れない造りになっていますし、自動で全ての鍵を操作することが出来て、逃げられない。
この2人が外へ出られるのは、遺体となってからなのです。その遺体も、お葬式も無く供物とされてしまう・・・。
美紀さんソックリの子。双子の妹…。そんな扱いをするのは忍びない。でも、百合に導かれて、二人とも会館に入っちゃった・・・。
こうなると、私も会長として、覚悟を決めなければなりません。
美紀さん、夏実さん、ゴメンナサイ。私、会長職を全うします。
この二人、処分させて頂きます!
1
あなたにおすすめの小説
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる