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有香の切腹の章
5 肝臓も取り出します。
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さあ、まだいけそうね。まだ動ける。
私の体ってば、いったいどうなっているのでしょう?
痛みも感じていないし、お腹の中にギュッと詰まっていたモノが無くなってしまって、軽くなって逆にスッキリ。気分が良いくらいなんですよ。
このまま傷を縫合したら、何もなかったように元気いっぱい生活復帰できそうな、不思議な感覚……。
いや、そんなこと、絶対ありえませんけどね!
多分これってば、脳内麻薬の過剰放出ってことなんでしょうね。脳味噌イカレチャッタ状態…。
まあ、お蔭で、まだ何の支障もなく動けるのです。
ありがたい限り。神様に感謝!
え、なに? お前は元からイカレテいるって?
はいはい、そうです、その通り。ゴメンナサイね。
ということで、ですね。美紀さんは肝臓も出しました。余力があるんだから、私も挑戦ですよ。
お腹の上部、胃袋の入っていた隣である右方の、肋骨の内側辺り。探るとプルプルした弾力のある大きな塊。
腹壁からググッと剥がして外に掻き出す。
ぐふっ、う、んぐうっ、んうううっ・・・。
デロデロッて震えながら出てきたのが、赤みの強い褐色の、重量感ある臓器、肝臓……。
出しちゃった。
私、肝臓まで出しちゃったよ。
これって、人体中で最も大きい臓物。体内の毒素を中和したり、蓄えた養分を供給したりと、様々な役目を持つ、重要臓器なんです。
黒緑っぽい色の、胆嚢もくっついています。これは潰すと苦い汁が出てくるのよね。
たしか薬になるって、江戸時代の首切り人『山田浅右衛門』が販売権を持っていた物。高級品であって、罪人の遺体から取り出して高く売っていたんですって。
私は罪人じゃないけどさ、勿体無いから、私のも誰か買ってくれないですか? 幾らくらいで売れるかな?
…何に効くのか、知らないけどネ。
さあ、その、取り出したる、血もタラタラ滴る私の肝臓ですよ。
出したてホヤホヤの、超新鮮!
結構立派ですね。やはり、かなりの大きさと重さ。
色も、他の内臓より濃くて鮮やか。濃厚で重厚で素敵な色ね。
右葉と左葉の非対称な形状バランスも絶妙に麗しくって、恰好良いじゃあないですか。
ツヤツヤ・スベスベ・フルンフルンしていて、表面組織もトッテモ滑らかで綺麗だよ。
若い健康な女子の一品もの。
自分の肝臓なんですけども、惚れ惚れするような最高状態!
感動です!!
早速、カッターの刃をググッと延ばし、これも遠慮なく中央から縦に真っ二つ。ザックリ豪快に割って、内部を見てみましょう。
なんてったって、自分の臓物ですからね。誰に遠慮も要らないのですよね。ほら!
わお、プリンプリンだし、軟らかい……。
切っても、やっぱり肝臓だね。タラ~ッと血が出るだけで、中も同じような状態。お肉屋さんで見る、レバーです。
あ、そうか、レバーだ。
レバーって、食べると美味しいのよね。それに、栄養たっぷりの健康食材で、体にも良い品。
よし、食べちゃおうよ!
自分のモノなんだし、私の人生最後なんだから!
あ、生のレバーは危険? 加熱しないと食中毒?
いや~、それ、大丈夫なんですよね~。私、あと数分で死んじゃうからね~。
食中毒の心配なんて、皆無ですよ~!
生レバーも、食べ放題!
どうだ、羨ましいだろう!!
カッターで刺身の様にサクッと切って食べやすくして、口へ・・・。
血抜きしてないから、かなり血生臭いな。
頬張って…、モグモグ咀嚼して…、ゴックン…。
不味くはない・・・か?
いや・・・。
うん・・・、結構おいしいよ、私のレバー!
レバー特有の絶妙な風味と、瑞々しくて程よい歯ごたえ。噛むほどに、滋味あふれる味が口内に広がる。
美味しい~!!
これは食材として上等、いや特級の極上品じゃあないですか。
だって、まだ生きたままの状態と言って良いくらい超新鮮なんだもんね。
持ち主も、若くて、元気で、健康そのものの、女子高生!
そう、その持ち主本人がまだ生きているんだから、完全なピチピチ活造りだよ。
超絶新鮮、最高級の極上生レバーお造りだ…。
ちょうど、お腹が減った感じがしてたところ。後の作業の力をつける栄養補給も必要?? …切腹中のモグモグタイムとなります。
軟らかいから簡単に切れる。サクサク切り分けて、次々と口へ運び、モグモグゴックン、モグモグゴックン。
おっきな極上レバー、つまるところは自分の肝臓なんですが、お刺身にして醤油もつけずに全部残さず食べちゃいました。
ゴチソウサマでした。
・・・が。
私のお腹の中には、もう消化器官が一切ありません。さっき、全摘出しちゃったのです。
折角食べた滋養たっぷり極上レバ刺しも、消化吸収できない体となってしまっております。
つまり、ですね。咀嚼して嚙みつぶされ、唾液と混ざってグチャグチャ状態になった生レバー。ゴックンして食道を通過すると、ベチャベチャ音を立てながら、お腹の中の下方へダイレクトに落ちる。
そうして、そこに、ただ溜まってゆくという、それだけなのです。
もう、消化も吸収もできないから、私の栄養分にはなれません。放置すれば、そのままドロドロに腐敗融解してゆくというだけのこと・・・。
飲み込むたび、内部の股間辺りにそれがベチャベチャ落ち、ドロローンと下腹部内に溜まってしまいました。
なんか汚い感じがしますので、股に開けた生殖器のあった部分の穴から、残骸を手で外へ掻き出してしまいます。
アソコに開いた穴から赤褐色のドロドロ廃棄物として出て来る、自分で咀嚼した自分の肝臓の残骸。とっても哀れ・・・。
己自身で全ての消化器官を摘出してしまったのですから、これは仕方ないよね。
なんかよく分からないコトになってて、まだ普通に動けてますけども、
「もう私は、何を食べても一切の栄養補給できない体。ただ死ぬだけの存在・・・」
というコトを改めて実感しましたね。
私の人生、既に終わっているのです。
私の体ってば、いったいどうなっているのでしょう?
痛みも感じていないし、お腹の中にギュッと詰まっていたモノが無くなってしまって、軽くなって逆にスッキリ。気分が良いくらいなんですよ。
このまま傷を縫合したら、何もなかったように元気いっぱい生活復帰できそうな、不思議な感覚……。
いや、そんなこと、絶対ありえませんけどね!
多分これってば、脳内麻薬の過剰放出ってことなんでしょうね。脳味噌イカレチャッタ状態…。
まあ、お蔭で、まだ何の支障もなく動けるのです。
ありがたい限り。神様に感謝!
え、なに? お前は元からイカレテいるって?
はいはい、そうです、その通り。ゴメンナサイね。
ということで、ですね。美紀さんは肝臓も出しました。余力があるんだから、私も挑戦ですよ。
お腹の上部、胃袋の入っていた隣である右方の、肋骨の内側辺り。探るとプルプルした弾力のある大きな塊。
腹壁からググッと剥がして外に掻き出す。
ぐふっ、う、んぐうっ、んうううっ・・・。
デロデロッて震えながら出てきたのが、赤みの強い褐色の、重量感ある臓器、肝臓……。
出しちゃった。
私、肝臓まで出しちゃったよ。
これって、人体中で最も大きい臓物。体内の毒素を中和したり、蓄えた養分を供給したりと、様々な役目を持つ、重要臓器なんです。
黒緑っぽい色の、胆嚢もくっついています。これは潰すと苦い汁が出てくるのよね。
たしか薬になるって、江戸時代の首切り人『山田浅右衛門』が販売権を持っていた物。高級品であって、罪人の遺体から取り出して高く売っていたんですって。
私は罪人じゃないけどさ、勿体無いから、私のも誰か買ってくれないですか? 幾らくらいで売れるかな?
…何に効くのか、知らないけどネ。
さあ、その、取り出したる、血もタラタラ滴る私の肝臓ですよ。
出したてホヤホヤの、超新鮮!
結構立派ですね。やはり、かなりの大きさと重さ。
色も、他の内臓より濃くて鮮やか。濃厚で重厚で素敵な色ね。
右葉と左葉の非対称な形状バランスも絶妙に麗しくって、恰好良いじゃあないですか。
ツヤツヤ・スベスベ・フルンフルンしていて、表面組織もトッテモ滑らかで綺麗だよ。
若い健康な女子の一品もの。
自分の肝臓なんですけども、惚れ惚れするような最高状態!
感動です!!
早速、カッターの刃をググッと延ばし、これも遠慮なく中央から縦に真っ二つ。ザックリ豪快に割って、内部を見てみましょう。
なんてったって、自分の臓物ですからね。誰に遠慮も要らないのですよね。ほら!
わお、プリンプリンだし、軟らかい……。
切っても、やっぱり肝臓だね。タラ~ッと血が出るだけで、中も同じような状態。お肉屋さんで見る、レバーです。
あ、そうか、レバーだ。
レバーって、食べると美味しいのよね。それに、栄養たっぷりの健康食材で、体にも良い品。
よし、食べちゃおうよ!
自分のモノなんだし、私の人生最後なんだから!
あ、生のレバーは危険? 加熱しないと食中毒?
いや~、それ、大丈夫なんですよね~。私、あと数分で死んじゃうからね~。
食中毒の心配なんて、皆無ですよ~!
生レバーも、食べ放題!
どうだ、羨ましいだろう!!
カッターで刺身の様にサクッと切って食べやすくして、口へ・・・。
血抜きしてないから、かなり血生臭いな。
頬張って…、モグモグ咀嚼して…、ゴックン…。
不味くはない・・・か?
いや・・・。
うん・・・、結構おいしいよ、私のレバー!
レバー特有の絶妙な風味と、瑞々しくて程よい歯ごたえ。噛むほどに、滋味あふれる味が口内に広がる。
美味しい~!!
これは食材として上等、いや特級の極上品じゃあないですか。
だって、まだ生きたままの状態と言って良いくらい超新鮮なんだもんね。
持ち主も、若くて、元気で、健康そのものの、女子高生!
そう、その持ち主本人がまだ生きているんだから、完全なピチピチ活造りだよ。
超絶新鮮、最高級の極上生レバーお造りだ…。
ちょうど、お腹が減った感じがしてたところ。後の作業の力をつける栄養補給も必要?? …切腹中のモグモグタイムとなります。
軟らかいから簡単に切れる。サクサク切り分けて、次々と口へ運び、モグモグゴックン、モグモグゴックン。
おっきな極上レバー、つまるところは自分の肝臓なんですが、お刺身にして醤油もつけずに全部残さず食べちゃいました。
ゴチソウサマでした。
・・・が。
私のお腹の中には、もう消化器官が一切ありません。さっき、全摘出しちゃったのです。
折角食べた滋養たっぷり極上レバ刺しも、消化吸収できない体となってしまっております。
つまり、ですね。咀嚼して嚙みつぶされ、唾液と混ざってグチャグチャ状態になった生レバー。ゴックンして食道を通過すると、ベチャベチャ音を立てながら、お腹の中の下方へダイレクトに落ちる。
そうして、そこに、ただ溜まってゆくという、それだけなのです。
もう、消化も吸収もできないから、私の栄養分にはなれません。放置すれば、そのままドロドロに腐敗融解してゆくというだけのこと・・・。
飲み込むたび、内部の股間辺りにそれがベチャベチャ落ち、ドロローンと下腹部内に溜まってしまいました。
なんか汚い感じがしますので、股に開けた生殖器のあった部分の穴から、残骸を手で外へ掻き出してしまいます。
アソコに開いた穴から赤褐色のドロドロ廃棄物として出て来る、自分で咀嚼した自分の肝臓の残骸。とっても哀れ・・・。
己自身で全ての消化器官を摘出してしまったのですから、これは仕方ないよね。
なんかよく分からないコトになってて、まだ普通に動けてますけども、
「もう私は、何を食べても一切の栄養補給できない体。ただ死ぬだけの存在・・・」
というコトを改めて実感しましたね。
私の人生、既に終わっているのです。
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