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9 教材
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翌朝、僕と彼女は同時に目を覚ました。裸のままだ。
他の皆が起きて来る前に…と、浴衣を着て僕は自分の部屋に戻った。
彼女は浴衣を着た後、そのままその部屋に残った。
朝食は、僕も女性陣と一緒にということになった。
ニヤニヤ怪しい笑みを向けて来る服部と山内が呼びに来た。やっぱり、この二人は苦手だ。
日中は、近くの観光。昨日と違い、僕も女性陣の中に加えられ、同行させられる。
彼女は僕にピッタリついて、手を繋いでくれる。他の女性を近づけないためだ。嬉しいし、今さら誰の目も憚る必要は無い。何と言っても、交合場面をシッカリ見られているのだから…。
夕食を済ませると、入浴してあの部屋へ来るように指示された。
さあ、いよいよだ。研究会の本番活動時間なのだ。
部屋に入ると、昨日同様旅館浴衣姿の美女たち。そして部屋の中央には布団。
彼女が駆け寄り、僕に抱き着いてピッタリ寄り添ってくれる。
池田副会長が僕を中央へ誘う。彼女と一緒に進む。
仁王立ちの会長が口を開く。
「さて、これから性技研究会の活動なのだが、小川君。君は教材として来ていることは理解してくれているだろうか」
「はい、佐々木さんから昨日、聞きました」
「よし。今日は、様々な体位を実際に試しての、男女それぞれの感じ具合を調査し考察する」
「あ、あの、それに関して僕の方からお願いが…」
「なんだと? 教材の分際で、注文を付ける気か? 君は大人しく交われば良いのだ!」
速攻の一蹴……。
慌てて佐々木さんが僕の前へ出る。
「あ、あの! じゃあ、私からお願いします」
「なんだ麻美。一年生の分際で、生意気だぞ」
「申し訳ありません。ですが、彼は教材であっても、私は会員です。意見を述べる権利はあると思います」
「うむ、確かに。よろしい。発言を許可する」
横暴なようでも、理屈は通じる人みたいだ。
「今日は様々な体位を試すということですが、彼の相手は私にさせてください。彼が他の女性と交わるのを見るなんて耐えられない。それだったら、交わってるのを見られる方がマシです」
「なんだと~?!」
会長、仁王様のような表情……。
何と言っても性技研究会。研究の為には実際に交わらなければ話にならないだろう。その為の合宿であり、こんな申し出は受け入れられないということか…。
だが、これは引くわけにはいかない。男として、ここは僕がハッキリ言うべきだ。
「僕のお願いも同じことです。彼女以外とは交わりたくありません。教材だからと言って、こっちの意見も聞かずに交われなんて、横暴すぎます。人権侵害です。彼女以外は、断固拒否します!」
「お、おまえら・・・」
鋭く睨みつけられる。
怖い…。
でも、絶対、彼女以外とは、しないぞ!
「何を、当り前のことを言っている」
「「は?」」
??? 当り前?
彼女と同時に、素っ頓狂な声を上げてしまった。
「この研究会会員は、麻美以外は全員彼氏持ちだ。他の男と交わるなんて、そんな破廉恥なこと、会長の私が許さん。お前ら二人が体位の実演し、他の会員は見学に決まっておるだろう」
「「えっ??」」
それじゃあ、最初から、今日は彼女と交わるだけってことだったんだ…。
「フフフっ、ごめんね。これね、この会の夏の恒例行事でね。彼氏のいない会員に、彼氏を作らせるイベントでもあるのよ」
池田副会長の、笑いながらの種明かし…。
「好みの男性タイプを聞き出して、それに合うのを連れてきて強制的にカップルにするんだけどね、洋子と綾音に訊いたら、麻美には学内に片思いの相手がいるって言うじゃない。
念のために彼氏の方のタイプも調べてもらったら、彼氏も麻美が好きだって言うからね。今回は楽勝だったわね~」
つまりである。最初から仕組まれていたことだったのだ。
僕のタイプ…。服部と山内は高校時代のツテで僕の男友達に連絡を取って訊いたらしい。
佐々木さん以外の会員みんなグルで、僕と彼女のウブな反応を楽しんでいたということなのだ。
そう。入会時に彼女は、会長に言われた。「今年度の主役・・・」。
それがこれだった。
し、しかし…。これは僕と彼女にとっては超絶アリガタイことであった。
こんな事でも無ければ互いに声を掛けることもなく。双方片思いのまま消滅する運命…。性技研究会、様様だ。
その代償として、交わるところを見られるというコト。
まあ、仕方ないし、これだけの証人の下で固く結ばれるのである。ある意味、最強だ。
大人しく、交合させて頂きます。
その後は、様々な体位を体験させられた。
彼女がシッカリ覚えていて、僕は彼女の言いなり。そして、会長からは絶対射精するなと注文つけられていた。
いや、コンドームを着けていないということではない。それはシッカリ装着している。
射精して萎えると、多くの体位を試せないからだという理由だった。
色々試した結果、彼女はバック(『後ろ取り』?)が気持ち良かったようだ。深くまで入って挿入感が気持ち良いとのこと。
僕的にも、細い彼女の腰を抱えながらの深部までの挿入はソソル。しかし、綺麗な彼女の顔を見ながら、さらに、シッカリ抱き合ってする方が心地よい。ということで、やはり『本取り』というのか?正常位が良い。
彼女もこれに賛同し、結論的には、やっぱり正常位が一番ということに落ち着いた。
少し変わったのも取り入れながら交わり、フィニッシュは正常位でというのがベストなのだろう。
この僕たちの感想を聞き出し、会長は満足したように本日の活動の終了宣言。
そして昨日と同様にコンドームの箱を僕に押し付け、皆を引き連れて出て行ってしまったのだった。
他の皆が起きて来る前に…と、浴衣を着て僕は自分の部屋に戻った。
彼女は浴衣を着た後、そのままその部屋に残った。
朝食は、僕も女性陣と一緒にということになった。
ニヤニヤ怪しい笑みを向けて来る服部と山内が呼びに来た。やっぱり、この二人は苦手だ。
日中は、近くの観光。昨日と違い、僕も女性陣の中に加えられ、同行させられる。
彼女は僕にピッタリついて、手を繋いでくれる。他の女性を近づけないためだ。嬉しいし、今さら誰の目も憚る必要は無い。何と言っても、交合場面をシッカリ見られているのだから…。
夕食を済ませると、入浴してあの部屋へ来るように指示された。
さあ、いよいよだ。研究会の本番活動時間なのだ。
部屋に入ると、昨日同様旅館浴衣姿の美女たち。そして部屋の中央には布団。
彼女が駆け寄り、僕に抱き着いてピッタリ寄り添ってくれる。
池田副会長が僕を中央へ誘う。彼女と一緒に進む。
仁王立ちの会長が口を開く。
「さて、これから性技研究会の活動なのだが、小川君。君は教材として来ていることは理解してくれているだろうか」
「はい、佐々木さんから昨日、聞きました」
「よし。今日は、様々な体位を実際に試しての、男女それぞれの感じ具合を調査し考察する」
「あ、あの、それに関して僕の方からお願いが…」
「なんだと? 教材の分際で、注文を付ける気か? 君は大人しく交われば良いのだ!」
速攻の一蹴……。
慌てて佐々木さんが僕の前へ出る。
「あ、あの! じゃあ、私からお願いします」
「なんだ麻美。一年生の分際で、生意気だぞ」
「申し訳ありません。ですが、彼は教材であっても、私は会員です。意見を述べる権利はあると思います」
「うむ、確かに。よろしい。発言を許可する」
横暴なようでも、理屈は通じる人みたいだ。
「今日は様々な体位を試すということですが、彼の相手は私にさせてください。彼が他の女性と交わるのを見るなんて耐えられない。それだったら、交わってるのを見られる方がマシです」
「なんだと~?!」
会長、仁王様のような表情……。
何と言っても性技研究会。研究の為には実際に交わらなければ話にならないだろう。その為の合宿であり、こんな申し出は受け入れられないということか…。
だが、これは引くわけにはいかない。男として、ここは僕がハッキリ言うべきだ。
「僕のお願いも同じことです。彼女以外とは交わりたくありません。教材だからと言って、こっちの意見も聞かずに交われなんて、横暴すぎます。人権侵害です。彼女以外は、断固拒否します!」
「お、おまえら・・・」
鋭く睨みつけられる。
怖い…。
でも、絶対、彼女以外とは、しないぞ!
「何を、当り前のことを言っている」
「「は?」」
??? 当り前?
彼女と同時に、素っ頓狂な声を上げてしまった。
「この研究会会員は、麻美以外は全員彼氏持ちだ。他の男と交わるなんて、そんな破廉恥なこと、会長の私が許さん。お前ら二人が体位の実演し、他の会員は見学に決まっておるだろう」
「「えっ??」」
それじゃあ、最初から、今日は彼女と交わるだけってことだったんだ…。
「フフフっ、ごめんね。これね、この会の夏の恒例行事でね。彼氏のいない会員に、彼氏を作らせるイベントでもあるのよ」
池田副会長の、笑いながらの種明かし…。
「好みの男性タイプを聞き出して、それに合うのを連れてきて強制的にカップルにするんだけどね、洋子と綾音に訊いたら、麻美には学内に片思いの相手がいるって言うじゃない。
念のために彼氏の方のタイプも調べてもらったら、彼氏も麻美が好きだって言うからね。今回は楽勝だったわね~」
つまりである。最初から仕組まれていたことだったのだ。
僕のタイプ…。服部と山内は高校時代のツテで僕の男友達に連絡を取って訊いたらしい。
佐々木さん以外の会員みんなグルで、僕と彼女のウブな反応を楽しんでいたということなのだ。
そう。入会時に彼女は、会長に言われた。「今年度の主役・・・」。
それがこれだった。
し、しかし…。これは僕と彼女にとっては超絶アリガタイことであった。
こんな事でも無ければ互いに声を掛けることもなく。双方片思いのまま消滅する運命…。性技研究会、様様だ。
その代償として、交わるところを見られるというコト。
まあ、仕方ないし、これだけの証人の下で固く結ばれるのである。ある意味、最強だ。
大人しく、交合させて頂きます。
その後は、様々な体位を体験させられた。
彼女がシッカリ覚えていて、僕は彼女の言いなり。そして、会長からは絶対射精するなと注文つけられていた。
いや、コンドームを着けていないということではない。それはシッカリ装着している。
射精して萎えると、多くの体位を試せないからだという理由だった。
色々試した結果、彼女はバック(『後ろ取り』?)が気持ち良かったようだ。深くまで入って挿入感が気持ち良いとのこと。
僕的にも、細い彼女の腰を抱えながらの深部までの挿入はソソル。しかし、綺麗な彼女の顔を見ながら、さらに、シッカリ抱き合ってする方が心地よい。ということで、やはり『本取り』というのか?正常位が良い。
彼女もこれに賛同し、結論的には、やっぱり正常位が一番ということに落ち着いた。
少し変わったのも取り入れながら交わり、フィニッシュは正常位でというのがベストなのだろう。
この僕たちの感想を聞き出し、会長は満足したように本日の活動の終了宣言。
そして昨日と同様にコンドームの箱を僕に押し付け、皆を引き連れて出て行ってしまったのだった。
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