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1章〜復讐へ〜
シャーク・ユーク・カサリガル
しおりを挟む「さぁー今日はこんがり肉とカエルを使った炒め物ね!美味しそうだわ!」
見た目が下手物だからといって味が不味いわけではないと前回のことを踏まえてわかっている。だが食べる気にはなれないのだ。
今いるのはお食事処フェリアだ。エリシアのお墨付きの店で宿屋にある店よりこちらにわざわざ来るほどだ。俺たちは一旦風呂に入り、それからここの店に来ているからか顔の火照りが異常に目立つ。エリシアやアリシャの肌がすべすべに輝いている。
「見た目は気にしないで食べたいところだが、いい加減この見た目はなんとかならないのか?」
「なるわけないでしょ!この斬新さがこの店の売りなんだから!これじゃなきゃフェリアじゃないわ」
どうやらこの店が異常なだけだったらしい。
「私も以前二人のことを観察している時に来たのですが、見た目が想像以上に気持ち悪くて食べれませんでした」
アリシャは俺たちの部屋を訪ねて来る前に俺たちのことを観察していたらしい。
「だったら食べてみなさい!食べないと人生の9割は損しているわ!」
「な、なんですと⁉︎人生の、、9割も損をしているとは、、食べなければ、、、」
アリシャの目がぐるぐるに回っている、そんなに人生を損したくないのかよ。アリシャの執念が垣間見れたところで俺が口を出す。
「アリシャ騙されるなよ、、人生の9割は言い過ぎだ。だが、見た目は悪いがうまいのは確かだぜ」
騙されていた俺が言える話ではないが。
「わかりました、うまいのなら食べてみます!」
アリシャは鼻をつまんでカエルを口に入れる。あまりにカエルが気持ち悪く俺は目を塞ぐ。
「う、うまい!なんですか、これは!食べたことこない食感、食べたことのない味、食べなかったら人生の9割を損しているところでした!竜二騙しましたね⁉︎」
「お、俺か⁉︎俺なのか?」
と疑問を持っているときにテーブルが「ドォン」と叩きつけられ皿や食材などが一瞬浮かんだ。
「おい貴様!美女を二人も連れていいご身分だな!」
いきなりテーブルを叩きつけた本人はなぜか分からないが俺に殺意を発している。
金髪で目が青く光っていて、全身には鎧の武装を施していて、左腰には剣を携えている。
俺はこんな美少年を見たことがないほどイケメンだと思った。
「誰だよお前は?テーブルを叩く挨拶なんて聞いたことないぞ!」
「貴様が噂されている自称勇者か、見た目は随分弱そうにみえるがな私がこのような奴に負けるはずがない!私と決闘をしろ!」
いきなりの決闘申し込みで一同唖然とする。
「だから誰なんだよって!いきなり決闘って意味わからないぞ!」
「わたくしとしたところが失礼した。わたくしはシャーク・ユーク・カサリガルだ!昔から王族の国家騎士として使えている。だからこのわたくしより強い奴がいるなんて考えられない!皆が噂しているところを観ると虫唾が走る、だからこのわたくしと決闘しろ!白黒はっきりしたいのだ!どちらが強いのかを」
そんなに噂されているとは分からなかった。
「シャーク!私がいることに気づいているのか?」
シャークと呼ばれた彼はエリシアがいることに気づいて跪いて謝罪する。
「これはこれはエリシア王女様、わたくしめの無礼をお許しください、此奴にとても苛立ちを覚えてしまいつい」
「久しぶりだな。元気にしてたか?だからと言って無礼すぎるぞ、私はシャークをそんな男だと思ってなかったぞ」
「何卒お許しを、わたくしめは何でもしますどうぞ何なりとお申し付けください」
「もういい!これだけだからな!今後一切無礼を働くことがあったら貴方を国家騎士から衛兵まで下げるから」
「何というご慈悲!誠にありがとうございます。エリシア様の心の広さには感服いたします」
「それと、竜二と決闘するのはやめろ、シャークでは手も足も出ない、勝負するだけお前が苦しむぞ」
「ぐっっ、そんなもの戦ってみないとわからないではないですか!エリシア王女様の根拠をお聞かせください」
「竜二とシャークではマナの量が違いすぎるのだ、だからやめとけ」
「わたくしのプライドが許せません!こんな弱そうな奴に負ける?考えられない!おい!貴様、お前はどうなんだ?戦うのか逃げるのか?」
逃げた先に何があるのかは分かっている、だから逃げることは絶対にしたくない。
「別にいいぜ!戦ってやるよ!逃げるなんて真っ平御免だからな!」
「おうっっ!決まりだな!それでは明日の日が天に昇るときに門のところに来い!」
俺の威勢の良さにシャークは少し後ずさる。
「わかったぜ!望むところだ!」
「それとエリシア様、なぜこのような奴と一緒にいるのですか!此奴とエリシア様では釣り合いが合いません!是非、わたくしと共に来てくれませんか?」
「シャーク、私をこれ以上失望させないでくれ、竜二を侮辱した罪は一生忘れはしない!早く去ってはくれないか?もうシャークの顔を見たくはない!」
「エ、エリシア様、、、私はエリシア様のためにこの御身も犠牲にして来ました、何もかもエリシア様のために、わたくしはエリシア様さえいればいいのです!ですから納得がいきません!」
「シャークには色々と世話にはなったな、だが、竜二を侮辱したことはなんとしても許せない!シャークが納得しないのであればそれで構わない!」
「で、ですがエリシア様、、、」
シャークの顔がだんだんと引きつってくる。
「シャークだったか、お前もそれ以上言うのはやめろ!一つ言えるのは明日の決闘でわかるってことだ、それでどっちがエリシアに相応しいかわかるだろ?」
「そ、それもそうだな、明日の決闘でわかることだな!何を彷徨っていたのだわたくしは!ではわたくしはこれで失礼する!食事中に済まなかったな」
シャークはその場を後にしてお食事処フェリアを後にした。
「竜二いいのか?シャークを相手にして」
「俺はそこまで自分が強いのかがわからない、だから少しでも自分に自信が持ちたい!明日は戦うぜ」
「そうなのか、私は竜二はもっと自信を持っていいと思うけどな~」
「そうですよ!竜二の強さはこの私が保証します」
それまでカエルを夢中に食べていたアリシャが輝いた目をして言ってきた。
「アリシャに言われても何にも自信にならないかな」
「ひ、酷いですよ竜二...」
アリシャは落ち込み、カエルを食べて気持ちを紛らわす。
「俺は自分の力を過信してはダメだと思うんだ、だから明日はそれを確かめる機会だと思う」
「エリシア、ちなみにシャークの強さってどのくらいなんだ?」
「正直、この国でシャークの右に出るものはいない、国家騎士でもっとも強いと言われていて、私のパパやママにも信頼されている人だな」
「それは文句ない相手だな、明日が楽しみだ」
「それでも竜二はそれよりもっと、もーーと強いから大丈夫だ」
「ありがと!エリシア」
「店長ーーーおかわりーーー」
突如アリシャが口元にカエルの足をつけて皿を掲げて、おかわりをする。
こいつはどんだけカエルにハマったんだよ。
さっきまであんだけ嫌がっていたのに。
それと、俺とエリシアの分のカエルがなくなっていた。
「店長ーーーカエルーーー」
「店長ーーーカエルくれーーー」
俺たちはカエルを欲するのだった。
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※何か違和感や物足りなさや違和感があれば教えてくださると嬉しいです。感想待ってます^ ^
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