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1章〜復讐へ〜
この異世界は間違っている
しおりを挟む「リア...リア!」
俺はリアが魔法を放っていた時も見ているしかなかった。
赤い炎が天まで登っているのをただ綺麗だなと見惚れてしまっていた。
俺は倒れていた体を起き上がらせて、リアがその場に倒れるのを見て急いで駆けつける。
「死ぬな!死んだら許さないぞ!まだ聞きたいことがたくさんあるんだ...今死んだら許さないからな...」
俺は大粒の涙を流しながらリアを抱きかかえる。
リアは目を開けて優しく微笑んだ。
「竜二...騙していてごめんなさい。私はティシフォネ様が嘘を言ったことを知ってて黙っていました、、」
「気にするな...そんなことはどうでもいい!それよか...お前、、お前今にも消えそうじゃん...なんでなんで、せっかく仲間が出来たって言うのに!」
「泣かないで...私のために泣かないで下さい...私はもうすぐ消えてなくなります。この魔法を使ったせいでもう現世に存在を許してもらえなくなったんです...本当にごめんなさい、少しだけでしたが、楽しい時間を共有出来て楽しかったです。竜二ともう少し一緒に居たかった...な、それとこれを」
リアから渡されたのは緑色に輝く小さく宝石が入っている指輪だった。
ずっと左手人差し指にはめられてあたものでとても大事そうだ。
「これは?」
「私の母からもらった魔法反射の指輪です。私にはつけていても意味なかったので竜二ならきっと役に立つと思います」
「そんな大事なものを俺なんかに?」
「竜二だからあげるんですよ、他の人だったら絶対に渡しません」
「そうか...ありがたく受け取っとくよ」
「はい...それじゃ私もういきますね。さよなら竜二...大好き」
最後に笑いを浮かべ
リアはそのまま徐々に体が薄れてきて、やがて、青い粒になって消えていった。
「リア!リアあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
俺は大粒の涙を流しながら、天に向かって叫んだ。
身近で人が死ぬなんて初めての経験だ。とてもとても悲しい、胸が痛い、絶望感で何も考えられない。目が真っ暗だ。
殺す、殺す、殺す、殺す、リアお前の分まで復讐してやる!ティシフォネ!俺はお前を殺す!何としてもだ!魔王なんかもうどうでもいい!魔王のことも嘘に違いない!俺はティシフォネ、双葉明日香お前ら2人は俺が何としてでも殺してやる!
そう胸に新たな復讐心が芽生え、悪に染まってゆく。
「もう誰も信じられない、もう、、、どうでもいいや...」
この世界は間違っている。
俺は立ち上がり、ゆっくりとゆっくりと歩みだそうとした時、どこからか聞き覚えのある音が聞こえてきた。
「ドォン、ドォン、ドォン」
さっきまで戦っていた、マンモスと全く同じな足音がこちらに近づいてくる。
「マジかよ、ふざけんじゃねぇーぞ!リアが死んだのにまだ、まだ終わらないのかよ!リアが報われねぇーじゃないかよ!」
竜二の遥か遠く、ティシフォネは椅子に座り足を組み、水晶を眺めながら笑みをこぼしていた。
「さぁ、絶望するがいい!竜二、あなたはどんな顔を見せてくれるの?」
「ドォン、ドォンドォンドォン」
マンモスの姿が現れ、俺を発見次第、ものすごいスピードで追いかけてくる。
俺は力もないし、魔力もない、俺にできることは唯一逃げることだけだ!
俺はマンモスを見るとすぐに後ろを向き、森の光が差し込んでいる出口と思わしきところへ全力ダッシュした。
だが、出口はでは後200メートル近くは離れており、当然マンモスにも追いつかれ、残り約130メートルのところでツノで横理なぎ払らわれて、森の茂みに顔から突っ込んだ。
怪我はそこまで重症は受けておらず、だが、今回のはあばらを数本折られたかもしれない。
俺はそこから抜け出し、またしても走り出す、だがすぐに追いつかれ、蹴飛ばされた。
今度は腹を思いっきりツノで刺されてしまったので、簡単には動けない、血がドバドバと出て一向に止まろうとしない。
動け、動け、足動け!
俺は引きずりながらも懸命に足を動かしたが、遅かった。
マンモスの足は俺の頭上にあり、後1秒もしないうちに振り落とされるだろう。
死ねない、死ねない、死ねない、死ねない、絶対死ねない、このまま死んでしまったらリアが死んだ意味がなくなってしまう。リアの思いを復讐をするためにはまだ死ねない、死ねないんだよーーー
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