小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十章 冒険者学校入学試験

第六百五十八話 試験結果に不満を持つもの

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 みんなで談笑していると、試験の時に僕に絡んできたフーバー男爵家の人が姿を現した。
 ギルバートさんも要注意って言っていたけど、なんと僕の姿を見るなりいきなり激昂してきたのだ。

「おい、そこのチビ! そんな高そうなマントを羽織って、まるで宮廷魔導師気取りかよ!」

 僕を指さしながらずんずんと近づいてきたけど、この人は一体何をしたいのだろうか。
 すると、僕の前にスッとゴーリキーさんとトールさんがフーバー男爵家の人と間に入るように立ったのだ。

「フーバー男爵家のものは、本当に馬鹿揃いだな。目の前にいるのは、本物の宮廷魔導師だぞ」
「国を救った『黒髪の魔術師』の、ポラリス男爵家当主でもあるレオ君に喧嘩を売るとはね。冒険者ギルドどころか、王家や閣僚、それに軍や教会に喧嘩を売るのと同じことだぞ」
「はっ、えっ?」

 ゴーリキーさんとトールさんがフーバー男爵家の人を睨みつけながら僕のことを話すと、フーバー男爵家の人はきょとんとした表情に変わった。
 そして、次第にヤバいという表情に変わっていった。
 僕に喧嘩を売ったのは、ヤバいことだと理解したみたいです。

「人のことを気にするよりも、自分のことを気にした方がいいんじゃない?」
「そうですわね。キチンと試験に合格したか確認して、受付で手続きするのが先決ではありませんの?」
「ぐっ、くそ!」

 セリーナさんとミユさんから正論を言われると、フーバー男爵家の人は思いっきりたじろいていた。
 そして、急いで合否が掲示されている掲示板のところに向かった。
 フーバー男爵家の人は、正論を言われるとそれ以上言えない性格みたいですね。

「な、なんだこれは?! 合否保留って、いったいどういうことだよ!」

 そして、フーバー男爵家の人は自分の試験結果を見て絶叫していた。
 多分試験結果自体は合格だったんだけど、態度が悪すぎて合格できないんじゃないかな。

「俺らに聞くな。受付に行って聞いてこいよ」
「くそ、なんだよこれは!」

 呆れているゴーリキーさんに指摘されて、フーバー男爵家の人は訓練場から受付に向かった。
 受付の人も百戦錬磨の人たちだから、フーバー男爵家の人が文句を言っても無駄でしょうね。

「能力があったとしても、あの性格じゃどうしようもない。どこかで性根を叩き直してもらわないといけないな」
「全くですわ。まるで猛獣を相手にしているみたいですわね」

 トールさんとミユさんが呆れたようにフーバー男爵家の人の後ろ姿を見ているけど、僕だってフーバー男爵家の人の相手をするのは嫌だなぁって思います。
 そして、みんなでこっそりと受付を覗くと案の定フーバー男爵家の人が大騒ぎしていました。
 なので、フーバー男爵家の人が帰るまで、僕たちは訓練場で大人しく待っていました。
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