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第九章 久々のセルカーク直轄領
第六百二十八話 アマード子爵領に到着
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今日は、いよいよアマード子爵領の領都に到着します。
久々にアマード子爵家の皆さんに会えるので、僕は朝からとってもワクワクしていました。
でも出発前に追加のドライフルーツを買わないといけないので、朝早いけどお店に向かいました。
「すみません、色々な人に追加購入を頼まれちゃいまして……」
「いいのよ。レオ君のことだから、きっとすごい人にお土産を頼まれているんだよね」
まだ開店前だったけど、お姉さんがドライフルーツを販売してくれました。
お姉さんも、今日は話しかけるだけで質問はしてきません。
でも、何となく誰が欲しいって言ったか分かったみたいですね。
これで準備完了なので、僕たちは宿に戻って馬車に向かいました。
「レオ君が珍しくお願いを言っていたと思ったら、陛下へのお土産を買うためか。このくらいだったら、全然言ってきていいよ」
部隊長さんに戻ったと伝えたら、ニコリとしながら話してきました。
僕はいつもわがままを言わないので、もっと子どもらしくしたほうがいいと言っていました。
他の兵ももっと色々言っても構わないって言っていたけど、子どもらしいってよく分からないんだよね。
うーんって思いながら、僕たちは馬車に乗り込みました。
パカパカパカ。
「ジェシカさん、僕って、子どもらしくないですか?」
馬車の中で本を読みながら、ふとジェシカさんに聞いちゃいました。
子どもらしくないってのは、結構色々な人に言われるんだよね。
すると、ジェシカさんは迷わず答えてきました。
「レオ様は、そのままで宜しいのです。今までは生きるために必死な上に、とても賢いので大人に近い思考になっていたからだと思われます。あくまでも私の意見ですので、ご参考までにして下さい」
今はこうして多くの人と接しているけど、前は一人で頑張らないとって思っていたっけ。
それに、小さい頃は賢いのがある意味残酷だって言われていたもんね。
子どもらしいって、もしかしたらクリスちゃんやマヤちゃんのことなのかもしれないね。
そんなことを思っていたら、遂に領都が見えてきました。
「わあ、やっぱりこの景色は何回見ても凄いよね」
「アンアン!」
盆地の中に町があるので、遠くから見ると中々凄い景色です。
ユキちゃんだけでなく、他の面々も馬車の窓から外の景色を見入っていました。
部隊はゆっくりと街道を進んでいって、お昼前に領都に到着しました。
部隊は守備隊の施設に向かうそうなので、僕たちと部隊長さんがアマード子爵家のお屋敷に向かいます。
みんな元気にしているかなと思っていたんだけど、屋敷に着いたら予想外のことが起きてしまいました。
「こんにちは、お久しぶりです」
「おお、レオ君か。すまないが、一緒に来てくれ。母上の容態が良くないのだ」
玄関で出迎えてくれたウィリアムさんがかなり焦った表情で話をしてくれたけど、これは一大事です。
とってもお世話になったメアリーさんの容態が良くないなんて。
僕たちは、ウィリアムさんの後を急いで付いていきます。
そして何回か入ったことのあるサイオンさんとメアリーさんの部屋に入ると、寝室にアマード子爵家の人々が集まっていました。
「はあはあはあ……」
「メアリー、しっかりしろ!」
ベッドには大汗をかいて苦しそうに呼吸するメアリーさんの姿があり、サイオンさんが必死に声をかけていました。
アマード子爵家の人々も、かなり心配そうにメアリーさんを見つめていました。
そんなアマード子爵家の人々に、ウィリアムさんが声をかけました。
「父上、レオ君が到着しました」
「おお、レオか。神はメアリーを見捨てなかったのか」
サイオンさんが助かったという表情で僕のことを見たけど、目から涙が溢れていました。
長年連れ添った奥さんの苦しい姿を見て、胸が苦しいんだろうね。
僕は、直ぐにメアリーさんの側に行き、軽く魔力を流しました。
シュイン。
「あっ、頭の中に悪い反応があります。あと、体の左側に悪い反応が集中しています」
特に頭の中の反応が悪いので、全力で治療しないといけません。
僕は、シロちゃん、ユキちゃん、ソラちゃんを呼んで、一緒に治療することにしました。
シュイン、シュイン、シュイン。
「「「レオ君……」」」
魔力を溜めて集中している僕のことを、アマード子爵家の人々が固唾をのんで見守っています。
そして、十分に魔力が溜まったところで、メアリーさんの病気が良くなるように思いながら一気に魔力を解放しました。
シュイン、シュイン、ぴかー!
中々良くならない手応えだったけど、徐々に良くなって行きました。
しかし、特に体の左側が完全には良くなりません。
あと、これ以上治療を続けるとメアリーさんの体力が持たない気がしました。
「はあはあはあ、で、できる限りの治療をしました。頭の中の悪いのはだいぶ良くなったのですけど、体の左側が完全には良くなりませんでした。無理に治療するとメアリーさんの体力が持たないと思ったので、明日もう一度治療します」
「うむ、うむ。レオよ、良くやった。感謝する」
僕が床に膝をつきながら荒い息を整えていると、サイオンさんが号泣しながら僕の背中を撫でてくれました。
メアリーさんの状態も落ち着いたし、ホッと一安心ですね。
久々にアマード子爵家の皆さんに会えるので、僕は朝からとってもワクワクしていました。
でも出発前に追加のドライフルーツを買わないといけないので、朝早いけどお店に向かいました。
「すみません、色々な人に追加購入を頼まれちゃいまして……」
「いいのよ。レオ君のことだから、きっとすごい人にお土産を頼まれているんだよね」
まだ開店前だったけど、お姉さんがドライフルーツを販売してくれました。
お姉さんも、今日は話しかけるだけで質問はしてきません。
でも、何となく誰が欲しいって言ったか分かったみたいですね。
これで準備完了なので、僕たちは宿に戻って馬車に向かいました。
「レオ君が珍しくお願いを言っていたと思ったら、陛下へのお土産を買うためか。このくらいだったら、全然言ってきていいよ」
部隊長さんに戻ったと伝えたら、ニコリとしながら話してきました。
僕はいつもわがままを言わないので、もっと子どもらしくしたほうがいいと言っていました。
他の兵ももっと色々言っても構わないって言っていたけど、子どもらしいってよく分からないんだよね。
うーんって思いながら、僕たちは馬車に乗り込みました。
パカパカパカ。
「ジェシカさん、僕って、子どもらしくないですか?」
馬車の中で本を読みながら、ふとジェシカさんに聞いちゃいました。
子どもらしくないってのは、結構色々な人に言われるんだよね。
すると、ジェシカさんは迷わず答えてきました。
「レオ様は、そのままで宜しいのです。今までは生きるために必死な上に、とても賢いので大人に近い思考になっていたからだと思われます。あくまでも私の意見ですので、ご参考までにして下さい」
今はこうして多くの人と接しているけど、前は一人で頑張らないとって思っていたっけ。
それに、小さい頃は賢いのがある意味残酷だって言われていたもんね。
子どもらしいって、もしかしたらクリスちゃんやマヤちゃんのことなのかもしれないね。
そんなことを思っていたら、遂に領都が見えてきました。
「わあ、やっぱりこの景色は何回見ても凄いよね」
「アンアン!」
盆地の中に町があるので、遠くから見ると中々凄い景色です。
ユキちゃんだけでなく、他の面々も馬車の窓から外の景色を見入っていました。
部隊はゆっくりと街道を進んでいって、お昼前に領都に到着しました。
部隊は守備隊の施設に向かうそうなので、僕たちと部隊長さんがアマード子爵家のお屋敷に向かいます。
みんな元気にしているかなと思っていたんだけど、屋敷に着いたら予想外のことが起きてしまいました。
「こんにちは、お久しぶりです」
「おお、レオ君か。すまないが、一緒に来てくれ。母上の容態が良くないのだ」
玄関で出迎えてくれたウィリアムさんがかなり焦った表情で話をしてくれたけど、これは一大事です。
とってもお世話になったメアリーさんの容態が良くないなんて。
僕たちは、ウィリアムさんの後を急いで付いていきます。
そして何回か入ったことのあるサイオンさんとメアリーさんの部屋に入ると、寝室にアマード子爵家の人々が集まっていました。
「はあはあはあ……」
「メアリー、しっかりしろ!」
ベッドには大汗をかいて苦しそうに呼吸するメアリーさんの姿があり、サイオンさんが必死に声をかけていました。
アマード子爵家の人々も、かなり心配そうにメアリーさんを見つめていました。
そんなアマード子爵家の人々に、ウィリアムさんが声をかけました。
「父上、レオ君が到着しました」
「おお、レオか。神はメアリーを見捨てなかったのか」
サイオンさんが助かったという表情で僕のことを見たけど、目から涙が溢れていました。
長年連れ添った奥さんの苦しい姿を見て、胸が苦しいんだろうね。
僕は、直ぐにメアリーさんの側に行き、軽く魔力を流しました。
シュイン。
「あっ、頭の中に悪い反応があります。あと、体の左側に悪い反応が集中しています」
特に頭の中の反応が悪いので、全力で治療しないといけません。
僕は、シロちゃん、ユキちゃん、ソラちゃんを呼んで、一緒に治療することにしました。
シュイン、シュイン、シュイン。
「「「レオ君……」」」
魔力を溜めて集中している僕のことを、アマード子爵家の人々が固唾をのんで見守っています。
そして、十分に魔力が溜まったところで、メアリーさんの病気が良くなるように思いながら一気に魔力を解放しました。
シュイン、シュイン、ぴかー!
中々良くならない手応えだったけど、徐々に良くなって行きました。
しかし、特に体の左側が完全には良くなりません。
あと、これ以上治療を続けるとメアリーさんの体力が持たない気がしました。
「はあはあはあ、で、できる限りの治療をしました。頭の中の悪いのはだいぶ良くなったのですけど、体の左側が完全には良くなりませんでした。無理に治療するとメアリーさんの体力が持たないと思ったので、明日もう一度治療します」
「うむ、うむ。レオよ、良くやった。感謝する」
僕が床に膝をつきながら荒い息を整えていると、サイオンさんが号泣しながら僕の背中を撫でてくれました。
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