小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第九章 久々のセルカーク直轄領

第六百二十一話 お土産を購入します

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 もう決定事項なので、マヤさんとセラさんだけでなくセレンお姉さんたちも一緒に町に繰り出すことにしました。
 商会に行けば色々と揃っているので、さっそく歩いて向かいます。

「昔はいっぱい歩いていましたけど、今はあっという間に着いちゃいますね」
「それだけレオ君が大きくなった証拠よ。まだまだ大きくならないといけないわ」

 セレンお姉さんはちょっと苦笑していたけど、僕はまだまだ成長期だと思いたいです。
 そして、商会に到着したらさっそく色々なものを選び始めました。
 でも、名産が何か分からないので地元の人に聞いてみよう。

「えーっと、セレンお姉さん、何かいいものはありますか?」
「うーん、そうね、お菓子もあるし、革工芸のものもあるわ」

 そういえば、プリンに似たものだったり焼き菓子も売っているね。
 僕の魔法袋に入れておけば腐ることもないし、クリスちゃんたちも喜んでくれそうです。
 そうだ、焼き菓子はグレッグちゃんにもお土産にしよう。
 お菓子はいっぱいあっても問題なさそうだし、革工芸も複数購入しよう。
 そんな僕に、マヤさんとセラさんが不思議そうに話しかけてきました。

「レオ君、グレッグちゃんって誰かな?」
「クリスちゃんはレオ君が助けたからもちろん知っているし、マヤちゃんも王都の大事件の件で知っているわ」

 あっ、そっか。
 普通の人は、グレッグちゃんを知らないかもしれないね。
 ゴルゴン侯爵が引き起こした事件は王国中に広まっているので、被害者の一人のマヤちゃんのことも知っているみたいです。

「あの、グレッグちゃんは陛下の息子さんです。とっても可愛くて、元気な男の子ですよ」
「へっ? 国王陛下の息子?」
「それって、王太子殿下のことでは……」

 二人だけでなくセレンお姉さんたちも固まっちゃったけど、そういえばグレッグちゃんは王太子でもあるんだ。
 僕はたまに会っているけど、普通の人は一生に一回会えれば良いみたいですね。

「あとは、宰相のチャーリーさん、軍務大臣のブランドルさんや知り合いの人にもお土産をあげる予定です。あっ、全員爵位を貰う前に知り合いましたよ」
「流石はレオ君ってところね。そんな錚々たる面々と知り合いだなんて」
「レオ君だからこそ、そういう人たちとお友達になれたのね」

 ナナリーお姉さんとカエラお姉さんがものすごく微妙な表情をしているけど、みんなとっても良い人だから他の人も直ぐにお友達になれると思うけどなあ。
 そんなこんなでたくさんのお土産を購入したけど、まだまだ時間があります。
 そこで、昔働いていた薬屋さんに向かうことにしました。
 商会から直ぐ近くなので、あっという間に到着です。

「こんにちは」
「あら、やだね。レオ君じゃない。久しぶりね」

 薬屋さんの中に入ると、ちょうど商品を補充していたおばさんが僕たちを出迎えてくれました。
 そして、直ぐに工房にいるおじさんを呼びました。

「いやあ、レオがこうして大きくなって、俺も感慨深いなあ」
「そうね、元気にやっているのは噂で聞いていたけど、実際に見ると実感が湧くわね」

 おじさんとおばさんも僕の頭をニコニコしながら撫でていたけど、僕がこうして元気にやっていけたのもポーション作りとかを教えてくれたからだもんね。
 おじさんとおばさんも、僕にとっての大切な恩人です。

「国境の軍の施設にいたときも、時間があったらポーション作りをしていたんですよ。クリスちゃんを助けることもできたし、ポーションを作れるようになって本当に良かったと思っています」
「そう言ってくれると、俺も教えた甲斐があるってものだ」
「私たちの教えた技術で多くの人助けをしたって聞くと、とっても嬉しいわ」

 こうして、暫くの間僕はおじさんとおばさんとにこやかに話をしていました。
 その間、他の人たちも僕たちのことをにこやかに見つめていました。
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