小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第九章 久々のセルカーク直轄領

第六百九話 町の人と再会

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 宿舎でみんなと一緒に昼食を食べた後、僕たちは再び応接室に向かいました。
 もちろん、町の人と会うためです。
 ジェシカさんに服を直してもらい、ドキドキしながら待っていました。

 ガチャ。

「おお、レオ久しぶりだな」
「皆さん、お久しぶりです!」

 やってきたのは、商店街の組合長、薬屋さんのおじさん、それにドンバスさんがいました。
 僕も席を立って、三人とガッチリと握手します。
 ちょっとだけ白髪が増えていたけど、三人とも容姿は全く変わらないですね。
 席について、改めて話をします。

「いやあ、レオも大きくなったなあ。まあ、年齢を考えるとまだ小さいけどな」
「うう、いっぱい食べられるようになったのに、全然大きくならないんです……」
「ガハハ、食べられるだけ良いことだ。そのうち、段々と大きくなっていくぞ」

 商店街の組合長さんは、豪快に笑いながら話してきました。
 こういうところは、昔から変わらないね。

「しかし、レオの周りはとても賑やかになったな。昔セルカーク直轄領を旅立った時は、一人きりだったのにな」
「それが、今じゃ多くの仲間を連れている男爵様だ。絶対に偉くなるとは思ったが、お貴族様になるとはな」

 薬屋さんのおじさんとドンバスさんも、腕を組みながらうんうんと頷いていました。
 お貴族様なんて言っているけど、別に僕を馬鹿にした感じは全くありません。
 どちらかというと、良くやったって感じですね。

「こうして、レオがセルカーク直轄領に凱旋してくれるだけで、俺たちは感無量だ。レオの村や両親のことは何となく知っていたが、それでも俺たちはここがレオの故郷だと思っている」
「僕の故郷……」
「だから、こうして立派になって里帰りしてくれただけでも、俺たちは嬉しいんだ。レオがセルカーク直轄領を忘れてくれなかったってな」

 商店街の組合長さんが感慨深そうに話していて、薬屋さんのおじさんとドンバスさんもうんうんと再び深く頷いていました。
 そっか、両親のお墓もあるしセルカーク直轄領が僕の故郷なんだね。
 何だか、とっても嬉しくなっちゃった。

「しかし、レオの噂はずっと絶えなかったぞ。どこで何をしたとか、どういう偉業をなし得たとかな。まあ、実際にレオのことを知っている俺たちからすれば、そのくらいはすると思ったぞ」
「うーん、僕のことを知っている人はみんなそんなふうに言うんですよね」
「そりゃ、レオの人となりを知っている連中はそう思うだろう。それだけ、レオは色々な人に愛されているって訳だ」

 ドンバスさんは、まるで自分のことのように僕のことを褒めてくれました。
 僕のことを噂でしか知らない人が多いから、誇張された噂になるのかもしれないね。
 あっ、そうだ。
 薬屋さんに、あのことを話さないと。

「あの、実はこの薬の組み合わせで水虫の薬浴ができます。完治はできなかったけど、だいぶ調子は良くなりました。その、陛下も販売して良いって言っていました」
「陛下って、国王陛下かよ。レオはすげーな。この内容なら安く販売できるし、ほぼ全ての職業で水虫に悩むやつがいる。帰ったら、直ぐに販売するか」

 お昼の定時報告で、水虫の薬浴セットを販売していいって陛下から許可を得ました。
 僕としては薬草採取の需要も増えるし、新人冒険者にとっても良いのではと思っています。

「明日は、朝から教会で無料治療を行います。治療できるお友達がたくさんいるので、精一杯頑張ります」
「おっ、そんな話も聞いていたな。せっかくだから、町の人に声をかけておくか」

 商店街の組合長さんが、顎に指を当てながら考えた素振りをしていました。
 明日は、町の人のために一生懸命治療しないとね。
 こうして、三人との面会も無事に終わりました。
 いい人たちだからか、シロちゃんたちも終始ニコニコしていました。
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