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第九章 久々のセルカーク直轄領
第六百七話 宿敵との対決
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無事に手合わせが終わったので、ここからは合同訓練に入ります。
僕はもう十分に頑張ったということなので、治療のお手伝いをします。
そして、集まっていたギャラリーは一斉にいなくなりました。
全員、凄いものを見たと喜んでいましたけど。
「それでは、この後は合同訓練を行う。目の前で素晴らしい手合わせが行われたが、あくまでも自分の実力を見誤らないように。張り切って、余計な怪我をしないように十分に気をつけるように」
「「「はい」」」
守備隊長さんの声に、全員元気よく返事をしました。
僕は、訓練場の外で治療の準備を始めます。
その間に、守備隊員と部隊の兵は自分用の木剣を用意しました。
「それでは、開始する。始め!」
「「「おおー!」」」
そして、準備が出来たら部隊長さんの掛け声で一斉に激しい訓練が始まりました。
全員が真剣に訓練に励む姿を見ると、とってもカッコよく見えますね。
セレンお姉さんたちだけでなく、マヤさんとセラさんもとても良い剣さばきです。
でも、時々怪我をしちゃう人がいるので、僕たちも治療をします。
「オンオン」
「キュッ」
シュイン、ぴかー。
ソラちゃんも、ユキちゃんから指導を受けながら初めての治療を頑張っています。
シロちゃんもソラちゃんの指導をしているし、ピーちゃんとムギちゃんも魔力の制御を教えていました。
こうしてみんなで教え合うのって、とっても良いことですね。
そんな中、僕はあるものを用意し始めました。
トボトボトボ。
「えっと、ポーションと毒消しポーションを混ぜてっと……」
僕は、桶に色々なものを用意しています。
そうです、あの宿敵の水虫をやっつけるためです。
色々な人に話を聞いてみると、ポーションと毒消しポーションにとある生薬を混ぜたものに足を漬けて、それから回復魔法を使うといいそうです。
革の靴を履く職業の人にとって、水虫は大敵です。
この治療法が広まれば、きっと水虫に悩んでいる人にとって朗報なはずです。
「ということで、さっそく足を浸けてみて下さい。軍や教会の治療施設でも、色々な人から話を聞いたんです!」
「おい、なんでそんなにやる気になっているんだよ!」
スキンヘッドの人が恥ずかしそうに叫んでいたけど、僕にとってこのくらいは当たり前です。
比較対象として、マヤさんにも別の溶液を張った桶に足を浸けてもらいます。
体にとっていい成分しかないので、健康な人でも全然問題ないです。
さてさて、結果はどうでしょうか?
シュワシュワ……
「うおい、なんでこんなに泡が出ているんだよ!」
「マヤのものと全然違うぞ!」
「どれだけ酷い水虫なんだよ!」
訓練を終えた周りの人も、とんでもなくビックリするほどだった。
スキンヘッドの人の爪の辺りから、細かい泡が大量に発生していたのです。
マヤさんの方はなんにも起きていないので、これは明らかにスキンヘッドの人の爪が悪い証拠です。
なので、念のためにスキンヘッドの人にはマヤさんが使って何も起きなかった溶液の桶に足を浸けて貰いました。
シュワシュワ……
「やっぱり泡が出ているわ!」
「お前の爪は、いったいどうなっているんだよ!」
再びスキンヘッドの人の足の爪辺りから、泡がたくさん出てきました。
周りの人も気持ち悪がっちゃって、スキンヘッドの人もまさかこんなことではと表情が悪くなっていきました。
それでもだいぶ泡が出てくるのが少なくなったので、いよいよ回復魔法で治療します。
「キュー!」
ソラちゃんも一緒に治療してくれるみたいだけど、果たしてどうでしょうか。
僕たちは、渾身の思いで魔力を溜め始めました。
シュイン、シュイン、シュイン。
「おい、レオ。とんでもない数の魔法陣が現れているぞ?!」
スキンヘッドの人は、ガンドフさんの時以上に現れた魔法陣の数にビビっていました。
僕としては、このくらいやらないと駄目な気がしました。
よし、久々の超本気回復魔法です!
シュイン、シュイン、ぴかー!
「わっ、眩しい!」
「物凄い魔法の光だ」
周りの人がビックリするほどの魔法の光なんだけど……
なんだけど……
なんだけど……
「ハアハア、す、すみません。魔力の大半を使ったのに、水虫が治りません……」
そうです、なんと僕たちの全力魔法でもスキンヘッドの人の水虫は治らなかったのです。
思わず膝をついちゃった僕だけでなく、シロちゃんやユキちゃん、それにソラちゃんも疲れてヘロヘロです。
回復魔法に加えてユキちゃんが解毒魔法も使ったのに、それでも駄目でした。
全員が、スキンヘッドの人の方を向いていました。
「おい、あのガンドフさんの膝を完治させたレオたちの回復魔法だぞ?」
「失った手足を再生させる程の魔法だって聞いているぞ?」
「それが、事前治療もしたのに治らないなんて……」
「しかも、今回はドラゴンもあいつを治療していたんだぞ……」
以前は僕の魔法が効かないとスキンヘッドの人をからかっていたのに、今回は困惑の声が大半を占めていました。
この結果には、守備隊長さんと部隊長さんも困惑の表情を隠せません。
「おい、俺だってこの結果にはビビっているんだぞ! 他の体の部位は、薬浴した時点で良くなったんだぞ!」
スキンヘッドの人も、かなり困惑気味に叫んでいました。
水虫の大半が良くなったのに、最後の最後まで治しきれなかったよ。
うう、やっぱり僕は下手っぴな魔法使いです……
「えーっと、薬浴は続けて下さい。できれば一週間に一回程のペースで。全て薬屋さんで買える、安い素材です」
「ああ、そうするわ……」
スキンヘッドの人も、力なく頷きました。
微妙な空気の中で、合同訓練は終わりました。
定時連絡で各所に今回の結果を報告したら、僕でも治せないものがあるんだと驚かれていました。
それでも、僕はいつかスキンヘッドの人の水虫を治すのを目指します。
では、改めて。
目指せ、水虫を治せる治癒師!
僕はもう十分に頑張ったということなので、治療のお手伝いをします。
そして、集まっていたギャラリーは一斉にいなくなりました。
全員、凄いものを見たと喜んでいましたけど。
「それでは、この後は合同訓練を行う。目の前で素晴らしい手合わせが行われたが、あくまでも自分の実力を見誤らないように。張り切って、余計な怪我をしないように十分に気をつけるように」
「「「はい」」」
守備隊長さんの声に、全員元気よく返事をしました。
僕は、訓練場の外で治療の準備を始めます。
その間に、守備隊員と部隊の兵は自分用の木剣を用意しました。
「それでは、開始する。始め!」
「「「おおー!」」」
そして、準備が出来たら部隊長さんの掛け声で一斉に激しい訓練が始まりました。
全員が真剣に訓練に励む姿を見ると、とってもカッコよく見えますね。
セレンお姉さんたちだけでなく、マヤさんとセラさんもとても良い剣さばきです。
でも、時々怪我をしちゃう人がいるので、僕たちも治療をします。
「オンオン」
「キュッ」
シュイン、ぴかー。
ソラちゃんも、ユキちゃんから指導を受けながら初めての治療を頑張っています。
シロちゃんもソラちゃんの指導をしているし、ピーちゃんとムギちゃんも魔力の制御を教えていました。
こうしてみんなで教え合うのって、とっても良いことですね。
そんな中、僕はあるものを用意し始めました。
トボトボトボ。
「えっと、ポーションと毒消しポーションを混ぜてっと……」
僕は、桶に色々なものを用意しています。
そうです、あの宿敵の水虫をやっつけるためです。
色々な人に話を聞いてみると、ポーションと毒消しポーションにとある生薬を混ぜたものに足を漬けて、それから回復魔法を使うといいそうです。
革の靴を履く職業の人にとって、水虫は大敵です。
この治療法が広まれば、きっと水虫に悩んでいる人にとって朗報なはずです。
「ということで、さっそく足を浸けてみて下さい。軍や教会の治療施設でも、色々な人から話を聞いたんです!」
「おい、なんでそんなにやる気になっているんだよ!」
スキンヘッドの人が恥ずかしそうに叫んでいたけど、僕にとってこのくらいは当たり前です。
比較対象として、マヤさんにも別の溶液を張った桶に足を浸けてもらいます。
体にとっていい成分しかないので、健康な人でも全然問題ないです。
さてさて、結果はどうでしょうか?
シュワシュワ……
「うおい、なんでこんなに泡が出ているんだよ!」
「マヤのものと全然違うぞ!」
「どれだけ酷い水虫なんだよ!」
訓練を終えた周りの人も、とんでもなくビックリするほどだった。
スキンヘッドの人の爪の辺りから、細かい泡が大量に発生していたのです。
マヤさんの方はなんにも起きていないので、これは明らかにスキンヘッドの人の爪が悪い証拠です。
なので、念のためにスキンヘッドの人にはマヤさんが使って何も起きなかった溶液の桶に足を浸けて貰いました。
シュワシュワ……
「やっぱり泡が出ているわ!」
「お前の爪は、いったいどうなっているんだよ!」
再びスキンヘッドの人の足の爪辺りから、泡がたくさん出てきました。
周りの人も気持ち悪がっちゃって、スキンヘッドの人もまさかこんなことではと表情が悪くなっていきました。
それでもだいぶ泡が出てくるのが少なくなったので、いよいよ回復魔法で治療します。
「キュー!」
ソラちゃんも一緒に治療してくれるみたいだけど、果たしてどうでしょうか。
僕たちは、渾身の思いで魔力を溜め始めました。
シュイン、シュイン、シュイン。
「おい、レオ。とんでもない数の魔法陣が現れているぞ?!」
スキンヘッドの人は、ガンドフさんの時以上に現れた魔法陣の数にビビっていました。
僕としては、このくらいやらないと駄目な気がしました。
よし、久々の超本気回復魔法です!
シュイン、シュイン、ぴかー!
「わっ、眩しい!」
「物凄い魔法の光だ」
周りの人がビックリするほどの魔法の光なんだけど……
なんだけど……
なんだけど……
「ハアハア、す、すみません。魔力の大半を使ったのに、水虫が治りません……」
そうです、なんと僕たちの全力魔法でもスキンヘッドの人の水虫は治らなかったのです。
思わず膝をついちゃった僕だけでなく、シロちゃんやユキちゃん、それにソラちゃんも疲れてヘロヘロです。
回復魔法に加えてユキちゃんが解毒魔法も使ったのに、それでも駄目でした。
全員が、スキンヘッドの人の方を向いていました。
「おい、あのガンドフさんの膝を完治させたレオたちの回復魔法だぞ?」
「失った手足を再生させる程の魔法だって聞いているぞ?」
「それが、事前治療もしたのに治らないなんて……」
「しかも、今回はドラゴンもあいつを治療していたんだぞ……」
以前は僕の魔法が効かないとスキンヘッドの人をからかっていたのに、今回は困惑の声が大半を占めていました。
この結果には、守備隊長さんと部隊長さんも困惑の表情を隠せません。
「おい、俺だってこの結果にはビビっているんだぞ! 他の体の部位は、薬浴した時点で良くなったんだぞ!」
スキンヘッドの人も、かなり困惑気味に叫んでいました。
水虫の大半が良くなったのに、最後の最後まで治しきれなかったよ。
うう、やっぱり僕は下手っぴな魔法使いです……
「えーっと、薬浴は続けて下さい。できれば一週間に一回程のペースで。全て薬屋さんで買える、安い素材です」
「ああ、そうするわ……」
スキンヘッドの人も、力なく頷きました。
微妙な空気の中で、合同訓練は終わりました。
定時連絡で各所に今回の結果を報告したら、僕でも治せないものがあるんだと驚かれていました。
それでも、僕はいつかスキンヘッドの人の水虫を治すのを目指します。
では、改めて。
目指せ、水虫を治せる治癒師!
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