小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第九章 久々のセルカーク直轄領

第六百一話 教会の治療施設で治療します

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 こうして、町の人に挨拶をしながら無事に教会に到着しました。
 なんだか、とっても懐かしい気持ちもします。
 でも、ちょっと気になったことが。

「あれ? この教会ってこんなに小さかったっけ?」

 記憶にある教会と目の前にある教会が、何だかちょっと違う気がするよ。
 町の大きさから比較すると、十分普通の教会なんだけどなあ。
 すると、ここでシルバ司祭様が僕の疑問に答えてくれました。

「それは、レオ君が大きくなったからじゃよ。背が大きくなると自然と視線も高くなるし、今までと感じ方が変わるのじゃ」

 おお、僕の背が大きくなったからなんだ!
 これには、僕もびっくりするとともに納得しちゃいました。
 教会には明後日行くことになっているので、先ずは治療施設に向かいましょう。

「わあ、何だかとても新しい治療施設ですね」
「元々この教会にあった治療施設は、古くて使っておらんかった。なので、町の人の協力を得て新しい治療施設を作ったのじゃよ」

 外壁もとても綺麗で、真新しい治療施設にちょっと感激しました。
 きっと、シルバ司祭様のためにって町の人が動いてくれたんだね。
 そして、建物の中もとても綺麗で、新しい木の良い匂いがしていました。
 建物は二階建てで、二階に重症患者がいるそうです。
 さっそく、みんなで重症患者の部屋に向かいました。

 ガチャ。

「ゴホゴホ。おお、これはシルバ司祭様ではないか。どうされた? ゴホゴホ」

 ここでは、ほぼ寝たきりの年配の男性がシルバ司祭様に話しかけていた。
 何回も咳をしていて、ゼーゼーしていてとっても辛そうですね。
 早速治療をしようと思ったら、まずユキちゃんが頑張るって言って年配の男性のところに向かった。

 シュイン。

「アオン」
「ユキちゃんで対応可能なので、早速治療しちゃいますね」
「おお、そうか。それではやってくれ」

 シルバ司祭様の許可も得たので、早速ユキちゃんは魔力を溜め始めました。
 一方で、年配の男性はコボルトが何をするのだろうかと不思議そうにしていました。

 シュイン、ピカー!

「おお、な、なんということか。か、体が軽くなったぞ」
「アオン!」

 胸のところのダメージが大きかったみたいだけど、それを治療できるユキちゃんはもう一流の治癒師ですね。
 こうして無事に治療できたので、次の部屋に向かいます。
 すると、次の部屋の人は見るからに容体が重いと分かりました。

「うっ、うう……」

 右手を肘から先で失って、全身に怪我を負っているのか包帯まみれで苦しそうにうめき声を上げていました。
 先日森から出てきた魔物を倒そうとした冒険者らしく、魔物に反撃を受けたみたいです。

「セレンお姉さん、魔物が襲ってきたって大変なことじゃないんですか?」
「そうなのよ。できるかぎり倒しているんだけど、何かに怯えている感じがしたのよ」

 うーん、一体何が起きているんだろうか?
 異変が起きているのは森の奥深くらしいので、気軽に調査に行けないところらしいです。
 すると、この二匹が調査に行くと立候補しました。

「ピィ!」

 シロちゃんとピーちゃんは、国境で帝国軍への偵察で大活躍だったし、シロちゃんはピーちゃんに乗ることもできます。
 問題がなければ、もう少し落ち着いたら偵察に向かうそうです。
 でもその前に、目の前で苦しんでいる人を助けないといけないね。
 僕とシロちゃんは、魔力を溜め始めました。

 シュイン、シュイン、ピカー!

「す、凄い。これが成長したレオ君の魔法……」
「な、なんてことなの?! う、腕が再生したわ……」
「こ、これが、教会に伝わったレオ君の奇跡なのね……」

 三人のお姉さんが思わず呆然としているけど、お腹にもダメージを受けていたので少し魔力を使っちゃいました。
 それでも、無事に治療を終えました。

「ふう、これで大丈夫です。じゃあ、次の人の治療に行きましょう。急いで治療しないと」
「ふぉふぉふぉ、どんなにすごい治療をしてもレオ君はレオ君じゃのう。そう焦るでない」

 シルバ司祭様が僕をなだめると、ジェシカさんやセレンお姉さんも微笑ましいものを見たといった表情をしていました。
 こうして一時間かけて、無事に重症患者の治療を終えました。
 魔力がまだまだあるので大部屋に入院している人の治療をしようとしたけど、先に両親のお墓に行くことになりました。
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