小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第九章 久々のセルカーク直轄領

第五百七十七話 買い物と荷物整理

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 翌日は、予定通りみんなで買い物に行きます。
 馬車に乗って、フランソワーズ公爵家の御用商会に向かいます。
 必要なものはピックアップしてあるので、買い物は直ぐに終わると思っていました。

「うーん、こっちの方がいいかしら?」
「こちらの方がいいと思うわ」
「えー? こっちの方がいいよ」

 僕はモニカさん、ターニャさん、ウェンディさんに捕まって、まさに着せ替え人形状態になっていました。
 下着とかは直ぐに決まったのに、貴族服と予定になかった冒険者服を選ぶのに時間がかかっています。
 アレックスさんとジェシカさんがクリスちゃんとマヤちゃんの面倒を見てくれているけど、助けようとはしてくれません。
 因みに、既にジェシカさんの着替えは買い終わっています。
 旅行用のバッグも購入するみたいだけど、シロちゃんのアイテムボックスに入れれば何でも入りますね。

「うーん、色はこっちの方が良いと思うわ」
「意外と、赤系も捨てがたいわね」
「えー、やっぱりレオ君は青が似合うわよ」

 僕はというと、貴族服に似合う色であーだこーだ言っている女性陣に囲まれています。
 うう、似合っていれば何色でも良いですよ……
 こうして、貴族服を決めるのに一時間、更に冒険者服を決めるのに一時間かかりました。
 もう僕はへとへとです。
 靴やベルトに生薬なども購入すると、もう買い物を始めてから三時間になりました。

「それでは、支払いはいつもの通りでお願いね」
「畏まりました」

 ヘロヘロになった僕とは対照的に、モニカさんたちは良い買い物ができたと満足そうでした。
 クリスちゃんたちは、完全に飽きちゃったみたいです。
 でも、これで終わりませんでした。

「レオ君、この際だから魔法袋の中身を整理しちゃいましょう。色々なものが入っているはずよね」

 なんと、ターニャさんの提案で僕の魔法袋の中を確認することになりました。
 シロちゃんのアイテムボックスや、ユキちゃんの首から下げている魔法袋の確認はしないという。
 そういえば、魔法袋を貰ってから何でも突っ込んでいた気がするよ。
 何が入っているかとても怖いけど、何が入っているか確認したい気持ちもあります。
 ということで、屋敷に帰って昼食を食べたらホールに移動してアイテムボックスの中のものをどんどんと出していきます。

 ドサドサドサ。

「わあ、すごーい! こんなに入っていたんだ!」
「すごーい!」

 魔法袋から色々なものが出てきて、クリスちゃんとマヤちゃんはとっても興奮していました。
 対して、モニカさんとターニャさんは少し呆れ顔です。

「う、うーん。流石にこの量は予想外だったわ」
「体が大きくなって着られなくなった服も多いわね。その辺は、閉まっておくなり寄付するなり考えましょう」

 ということで、モニカさんとターニャさんの号令で、荷物を種類別に分けていきます。
 冒険者活動で使うもの、ポーション作りとピンブローチ作りの道具、まだ着れる服、そして着られなくなった服です。
 うん、僕も着なくなった服がこんなにあるとは知らなかったよ。
 全部洗濯して、保管してくれるそうです。
 そして、いつ入れたか分からない食料も出てきたので、全部シロちゃんが消化しちゃいました。
 アイテムボックスに入っていたから大丈夫とはいえ、僕も流石に食べるのは無理です。
 馬の飼い葉とかも出てきたけど、これも全部フランソワーズ公爵家の馬にあたえます。
 すると、荷物がかなりスッキリしました。

「レオ君、たまに荷物の整理をしないと駄目よ。レオ君の魔力が膨大とは言え、魔法袋に入る量は有限なのだからね」
「そうよ、特に食べ物は気をつけることね。時が止まっているとはいえ、三年前の料理とかは食べる気にもならないと思うわ」

 モニカさんとターニャさんからの指摘に、僕はぐうの音も出ません。
 そもそも普通の冒険者は持てる荷物の量が有限だから、こんなにも溜め込まないよね。
 そう考えると、馬車に積める荷物量も決まっているもんなあ。
 そして、買ったものも含めて改めて魔法袋の中に入れました。
 色々な人に買ってもらった服があるから、どうしたらいいかあった時に聞いてみよう。
 こうして、僕の荷物整理は終わりました。
 そして、午前中の着せ替え人形の疲れがあったのか、部屋に戻るといつの間にか寝ちゃいました。
 クリスちゃんとマヤちゃんも一緒だったけど、こうして一緒にお昼寝できるのも二ヶ月後だなと思っちゃいました。
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