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第八章 帝国との紛争
第五百五十四話 地道にレベルアップ
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帝国からの攻撃が収まって一ヶ月、未だに攻撃は再開されなかった。
僕たちもシロちゃんとピーちゃんの偵察から得た情報を分析しているけど、帝国側はようやくスラム街の人々の反乱を抑え込んだ状況だという。
王国側は、着実にやることをやるだけだった。
「いくら反乱を抑えたとはいえ、軍の体制を立て直すのには時間がかかる。偵察は続けるが、帝国は戦闘どころではないだろう」
「陣地の修復も終わったし、さらなる補強工事を行う余裕すらある。王国は王国でやることがたくさんある」
ブラウニー伯爵もハーデスさんも、目の前のことを確認しつつ長期的な対策も取っていた。
陣地が増強するとなると、帝国側はより一層王国に攻め込むのが難しくなりそうだ。
兵も元気いっぱいなので、もっと強くなろうと僕やアイリーンさんのように身体能力強化が使える人と相手をしていた。
また、夜襲や奇襲にどう対応するかなども話し合われていたという。
なお、こういう情報はもう一つの帝国との国境があるディフェンダーズ伯爵領にも共有されていた。
「俺が思うに、連続して大敗しているから一度休戦になると思う。帝国としても、体制を立て直さないとならない」
「とはいえ、馬鹿な指揮官が赴任したらまた同じことが起きるだろう。そうだな、二週間後に動く可能性がとても高い」
なんというか、ブラウニー伯爵とハーデスさんは予感めいたものを感じていた。
こういう勘の凄いところは、軍の大幹部ならではなのかもしれない。
そして、僕は話し合いからレンガ作りに戻っていった。
因みに、防寒用の魔導具への魔力充塡は一段落しています。
「帝国にも、まともな指揮官はいると思うんだけどなあ。あんなスラム街の人間を減らすために王国軍にぶつけるなんて、軍人としたら悪手中の悪手だ」
「軍人じゃない誰かが考えた作戦なのかもしれないな。結局、肝心の帝国皇帝の体調がどうなったかも全くわからねーし」
僕と一緒にレンガを作っている兵も、帝国側に色々と文句を言っていた。
結局王国側がどうこうじゃなくて、帝国側がどうにかしないとならないと駄目なんだよね。
こうして、今日も一日レンガを作っていました。
僕としては、魔法の訓練になってちょうど良いのだけどね。
「私も、治療する人がいないからほぼ魔力の訓練を行なっているわ」
「私なんか、ひたすらポーションと生薬を作っているわ。もしかしたら、二年分くらいのストックができたわよ」
夕食時に治療班の面々と一緒に食事をしているけど、ケイトさんとカーラさんも少し不満そうにしていた。
訓練で怪我をした人の治療は新人のマイアさんとユキちゃんで十分だし、マイアさんもある程度の怪我人まで治療できるほど上達していた。
結果的に、治療班全員がレベルアップしているんだね。
「私の場合は、治療の腕よりも剣の腕前が上がったわよ。兵の指導教官みたいなことをしていれば当然ね」
「あっ、僕も剣の腕前は上がったと思います。毎朝兵と手合わせしていますし」
「レオ君だけでなく、他の面々も強くなったと思うわ。王都に帰ったら、みんなびっくりすると思うわよ」
アイリーンさんは、本来の治癒師としての仕事とは別のことで忙しかった。
戦闘中は部隊指揮も任されたりしていたらしいし、本当に凄いよね。
サンダーランド辺境伯領からの物資も途絶えることなく届いているし、しかも万が一に備えて複数経路から運んでいるそうです。
こうした地道な努力があってこそ、王国軍が強いのかもしれないね。
こうして、日々やることを行いながら更に数日が過ぎていきました。
すると、帝国側で新たな動きがありました。
「どうやら新しい指揮官が赴任したみたいだ。帝国軍がどういう行動を取るかまだ不明だが、我々のやるべきことに変わりはない。引き続き警戒に当たるように指示を出す」
シロちゃんとぴーちゃんの偵察で得た情報を元に、ハーデスさんが全軍に指示を出しました。
もしかしたら、もう少しすると大きな動きがあるのかもしれないね。
僕たちもシロちゃんとピーちゃんの偵察から得た情報を分析しているけど、帝国側はようやくスラム街の人々の反乱を抑え込んだ状況だという。
王国側は、着実にやることをやるだけだった。
「いくら反乱を抑えたとはいえ、軍の体制を立て直すのには時間がかかる。偵察は続けるが、帝国は戦闘どころではないだろう」
「陣地の修復も終わったし、さらなる補強工事を行う余裕すらある。王国は王国でやることがたくさんある」
ブラウニー伯爵もハーデスさんも、目の前のことを確認しつつ長期的な対策も取っていた。
陣地が増強するとなると、帝国側はより一層王国に攻め込むのが難しくなりそうだ。
兵も元気いっぱいなので、もっと強くなろうと僕やアイリーンさんのように身体能力強化が使える人と相手をしていた。
また、夜襲や奇襲にどう対応するかなども話し合われていたという。
なお、こういう情報はもう一つの帝国との国境があるディフェンダーズ伯爵領にも共有されていた。
「俺が思うに、連続して大敗しているから一度休戦になると思う。帝国としても、体制を立て直さないとならない」
「とはいえ、馬鹿な指揮官が赴任したらまた同じことが起きるだろう。そうだな、二週間後に動く可能性がとても高い」
なんというか、ブラウニー伯爵とハーデスさんは予感めいたものを感じていた。
こういう勘の凄いところは、軍の大幹部ならではなのかもしれない。
そして、僕は話し合いからレンガ作りに戻っていった。
因みに、防寒用の魔導具への魔力充塡は一段落しています。
「帝国にも、まともな指揮官はいると思うんだけどなあ。あんなスラム街の人間を減らすために王国軍にぶつけるなんて、軍人としたら悪手中の悪手だ」
「軍人じゃない誰かが考えた作戦なのかもしれないな。結局、肝心の帝国皇帝の体調がどうなったかも全くわからねーし」
僕と一緒にレンガを作っている兵も、帝国側に色々と文句を言っていた。
結局王国側がどうこうじゃなくて、帝国側がどうにかしないとならないと駄目なんだよね。
こうして、今日も一日レンガを作っていました。
僕としては、魔法の訓練になってちょうど良いのだけどね。
「私も、治療する人がいないからほぼ魔力の訓練を行なっているわ」
「私なんか、ひたすらポーションと生薬を作っているわ。もしかしたら、二年分くらいのストックができたわよ」
夕食時に治療班の面々と一緒に食事をしているけど、ケイトさんとカーラさんも少し不満そうにしていた。
訓練で怪我をした人の治療は新人のマイアさんとユキちゃんで十分だし、マイアさんもある程度の怪我人まで治療できるほど上達していた。
結果的に、治療班全員がレベルアップしているんだね。
「私の場合は、治療の腕よりも剣の腕前が上がったわよ。兵の指導教官みたいなことをしていれば当然ね」
「あっ、僕も剣の腕前は上がったと思います。毎朝兵と手合わせしていますし」
「レオ君だけでなく、他の面々も強くなったと思うわ。王都に帰ったら、みんなびっくりすると思うわよ」
アイリーンさんは、本来の治癒師としての仕事とは別のことで忙しかった。
戦闘中は部隊指揮も任されたりしていたらしいし、本当に凄いよね。
サンダーランド辺境伯領からの物資も途絶えることなく届いているし、しかも万が一に備えて複数経路から運んでいるそうです。
こうした地道な努力があってこそ、王国軍が強いのかもしれないね。
こうして、日々やることを行いながら更に数日が過ぎていきました。
すると、帝国側で新たな動きがありました。
「どうやら新しい指揮官が赴任したみたいだ。帝国軍がどういう行動を取るかまだ不明だが、我々のやるべきことに変わりはない。引き続き警戒に当たるように指示を出す」
シロちゃんとぴーちゃんの偵察で得た情報を元に、ハーデスさんが全軍に指示を出しました。
もしかしたら、もう少しすると大きな動きがあるのかもしれないね。
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