小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第八章 帝国との紛争

第五百三十四話 何とか初日の治療が終了

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「黒髪の天使様、こちらになります」
「うっ、ぐぁ……」
「あぐっ……」

 教会の中にもたくさんの兵が寝かされていたけど、剣で斬られたり鈍器で殴られたのか皆が骨折したり切り傷が多数あった。
 手や腕を切断されている人も結構いて、まさに前線の戦いの激しさを物語っていた。
 前にサンダーランド辺境伯領にいた時には、ここまで大怪我を負った兵は少なかった。
 でも、ここは僕とシロちゃんで何とかしないといけないと思い、気合を入れました。

 シュイン、シュイン、シュイン、ぴかー!

「すう、すう……」
「これで良くなったと思いますが、だいぶ体力も消費していますね」
「それでも、だいぶ顔色が良くなりましたわ。次は、この方です」

 今日は、とにかくスピード重視で治療を行います。
 いつもだったら治療する人とのお喋りを楽しんでいるけど、今はそんな余裕はなかった。
 何よりも、兵も早く痛みが楽になりたいと言っていた。
 そして、ずっと痛みに耐えていたので、治療を終えると、直ぐに溜まっていた疲れが襲ってきて眠ってしまった。
 でも、ずっと治療をしてきたシスターも安堵の表情を見せているし、僕もシロちゃんもホッと一安心です。
 一時間くらいかけて重傷者の治療が終わったので、僕は教会前にいるアイリーンさんに声をかけようとしました。
 すると、シスターさんが僕にあることを教えてくれました。

「皆さま、教会前から治療施設に移動しておられます。黒髪の天使様も、治療を終えたら来てほしいと言伝をあずかっております」

 きっと優しいアイリーンさんだから、今日できるだけ治療しちゃおうと思っているのかもしれませんね。
 僕も、シロちゃんとシスターさんと一緒に治療施設に向かいました。
 すると、治療施設の廊下までベッドが出されて怪我人が寝かされていました。
 そんな怪我人を治療しているアイリーンさんとおちあいます。

「アイリーンさん、重傷者の治療が終わりました。まだまだ魔力はあります」
「じゃあ、レオ君は引き続き重傷者の治療をお願いするわ。今は、私たちができることをやりましょう」

 ということで、僕はシロちゃんと一緒に重傷者のいる二階の個室に向かいました。
 でも、個室と言いつつ実際には多くの重傷者がベッドに寝かされていました。
 一応男女別に分けるなどの配慮はされているみたいだけど、それでもギリギリの状態が続いていたみたいです。
 僕もシロちゃんも、みんなが元気になって貰えるようにと、一生懸命に治療を行いました。
 そして、更に二時間経った頃、ようやく個室に入院していた兵の治療を終えることができました。
 流石に僕もシロちゃんも魔力も尽きてヘロヘロだけど、何とかやりきったという思いがありました。
 治療施設の入口にはアイリーンさんたちがいて、全ての大部屋の治療を終えたみたいです。
 アイリーンさんたちも、体力と魔力を使い果たしたのでとても疲れていますね。
 外は既に真っ暗なので、慎重にサンダーランド辺境伯家の屋敷に向かいました。
 すると、直ぐに客室に案内してくれて、お風呂に入ってから食堂に向かいました。

「おお、こんなに遅くまでご苦労だった。席に座ってくれ」

 食堂にはボーガン様が待っていてくれて、チェルシーさんも席に座っていました。
 残念ながら赤ちゃんのアンソニーちゃんは既におねんねなので、マシューさんとスーザンさんも一緒に部屋にいるそうです。
 僕たちも、それぞれの席に座ります。

「我が領に到着して早々に多くの兵の命を救い、誠に感謝する。私も治療を見たが、これだけの腕ならきっと状況も好転するだろう。今は大変だと思うが、君たちの治療の腕にかかっている。私も、君たちへの援助を惜しまない」

 ボーガン様が僕たちに最大限の賛辞を送ってくれたが、今も前線では戦いが続いている。
 だから、きっと戦いが終わるまで怪我人は発生するだろう。
 王国軍が勝った状態で、何とか停戦して欲しいな。

「長旅と治療で疲れただろう。今夜は、しっかりと食べてゆっくりと休んでくれ」

 こうして、いつもよりも遅い夕食が始まった。
 疲れたのもあって言葉は少なかったけど、それでも何とか治療出来てホッとしたのもあった。
 そして、夕食を食べ終えて部屋に戻りベッドに入ると、直ぐに眠気が襲ってきた。
 明日から、本格的に頑張らないと。
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