小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第七章 王都

第五百二話 バーボルド伯爵領に到着

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 そして、いよいよシークレア子爵領に向かう日になりました。
 今朝の訓練は少しだけにして、早めに準備を整えました。
 とはいえ、今日はバーボルド伯爵領に行くから、王都を出てあっという間に着いちゃいます。
 僕も、軍の治療でバーボルド伯爵領にきたっけ。
 日帰りでも行ける距離です。
 ちなみに、フランソワーズ公爵家とマヤちゃんの荷物は、シロちゃんのアイテムボックスに入れてあります。
 沢山の荷物をしまうことができるので、大助かりだそうです。
 貴族によっては、荷物だけの馬車を用意することもあるそうです。
 僕たちも、馬車に乗り込みました。

「「「いってきまーす」」」
「気をつけてね」

 お留守番のターニャさんに手を振りながら、僕たちを乗せた馬車が出発しました。
 ちなみに、僕たちのお世話係としてジェシカさんもついてきました。

「レオ君は、いつもどうやって移動していたの?」
「僕は、馬車便に乗って移動するのが殆どでした。ほんの少しだけ、知り合った貴族の馬車に乗りました」
「そっか。私たちはこういう貴族用の馬車に乗って移動するけど、きっと道中は大変だったのね。屋根もあるから、雨も凌げるわ」

 モニカさんが僕の旅の様子を聞いてきたけど、冬とかだととても寒い時もあったもんね。
 そう考えると、貴族の豪華な馬車は屋根もついていてとっても快適です。
 しかも、フランソワーズ公爵家の馬車は特別製で、暑い時は冷たい空気が、寒いときは温かい空気が出る魔導具がついているそうです。
 しかも、でこぼこした道でも揺れが少なく、何よりもお尻が痛くなりません。
 本当に快適な馬車だと、僕は実感しています。
 そして、道中は何もなく無事にバーボルド伯爵領に到着しました。
 先ずは、バーボルド伯爵家の屋敷に向かいます。

「皆さま、ようこそバーボルド伯爵家へ。歓迎いたしますわ」
「「「おはようございます」」」

 僕たちを出迎えてくれたのは、綺麗に着飾ったシャンティさんでした。
 そのまま、応接室に案内されました。
 すると、バーボルド伯爵のネストさんが部屋の中で待っていました。

「これはこれは、モニカ様ではありませんか。ようこそ我が屋敷へ」
「バーボルド伯爵様、お久しぶりにございます。先日は、レオ君とマヤちゃんを守って頂き本当にありがとうございました。深く、御礼を申し上げます」
「いやいや、このくらいは貴族として当然だ。それに、結局はレオ君一人で対応していたからな」

 ネストさんが謙遜しながら言っていたけど、実際にマヤちゃんとかを守ってくれたりしたのは本当のことだもんね。
 僕も、最初の謁見の際に軍人貴族の人と共に守ってくれたし。
 全員席に座って、お茶を飲みながらちょっと休憩します。

「モニカ様、午後は予定通り軍の施設に向かうで宜しいでしょうか?」
「ええ、お願いしますわ。もしかしたら、マヤちゃんはお昼寝の時間になってしまうかもしれませんが」
「それは致し方ないですな。ゼノバース子爵様といえども、まだとても幼い。寝る事は大事な仕事です」

 実は、午後は軍の施設に行ってマイスター師団長さんと挨拶をする事になっています。
 もしマヤちゃんが途中で寝ちゃっても、ジェシカさんが抱っこする予定です。
 こうして、昼食の時間までみんなで色々と話をしていました。
 昼食も僕たちの歓迎の意味があったので、とても豪華なものでした。
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