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第七章 王都
第四百九十九話 本当に襲撃した馬鹿者
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その後も、様々な改革案が示されました。
軍の改革案もそうだし、刑法の改革案も話されました。
教会や冒険者との連携も話し、各領地への巡回案も示されました。
その度に、旧ゴルゴン侯爵一派は変な声を上げていました。
「それでは、功績を挙げたものへ勲章を授ける。宮廷魔術師バッツ、アイリーン、レオ騎士爵は前へ」
「「「はい」」」
僕たちが呼ばれたので前に行くけど、マヤちゃんは軍人貴族がガッチリとガードしています。
シロちゃんも、任せてと触手をふりふりとしていました。
僕は、一番右端に並びました。
「この度の軍を襲った魔物討伐で大きな功績を挙げた三人に、国より勲章を授ける。これはただの魔物討伐ではない、一歩間違えれば魔物が王都を襲ったことにもなるのだ」
結果論だけど、魔物が軍を襲った場所が悪かった。
本来では勲章を貰うほどのことではないのかもしれないけど、ここは素直に頂きます。
バッツさんもアイリーンさんも、係の人に勲章をつけて貰っています。
でも、胸についている勲章の数が凄いことになってきたよ。
勲章の重さで服が切れないか、ちょっと心配です。
そして、僕たちは元にいた席に戻りました。
「本日の謁見はこれで終了とする。このようなあってはならないことで謁見を開かなくてなならないことが、今後起きないことを切に願う」
最後に陛下がしめて、閣僚と共に袖口に下がりました。
でも、袖口からこちらの様子をチラチラと見ていますね。
「本日の謁見は以上となります。皆さま、ご退場下さい」
そして係の人のアナウンスがあり、出口に貴族が退場していきます。
しかし、旧ゴルゴン侯爵一派が僕たちのことを睨んでいました。
全員若手なので、親は当主強制交代を言い渡されたのでしょう。
というか、もしかしたら全ての家が当主交代になったのかな。
それはそれで、ものすごいことなんだけど。
すると、旧ゴルゴン侯爵一派が急に叫び始めました。
「レオとマヤは出てこい!」
「この野郎が。魔物に襲われて死んでしまえば良かったんだ」
「そうすれば、父が当主交代することにもならなかったし、罰金を払うこともなかったんだ!」
なんというか、とっても自分勝手な言い分です。
しかも、軍の偉い人は無視して立場が弱いだろう僕とマヤちゃんを呼びつけるなんて。
周りにいる軍人貴族も、思わず呆れる始末です。
帰ろうとした貴族も、足を止めて成り行きを見守っています。
もう、なんだか色々と馬鹿馬鹿しいですね。
僕は、隣にいたナンシー侯爵にこくりと頷いてから彼らに歩み寄りました。
「あの、よく分かっていないみたいですけど、軍を襲撃した時点で僕の生死は全く関係なくもう駄目だと思いますよ」
「うるさい! てめーが死ねば良かったんだ!」
「お前が存在しなければ、俺たちが衰退することはなかったんだ!」
つまりは、僕に全ての責任を押し付けたいのですね。
なんというか、まだ子どもの僕から見てもとても子どもっぽい理論です。
もちろん、周りにいる軍人貴族もものすごく呆れています。
「それで、僕に何を要求するんですか?」
「決まっているだろうが。死ね!」
「死んで俺らに詫びろ!」
「死にやがれ!」
うん、これはもうまともに相手にしちゃ駄目だ。
理論が、もうまともではない。
でも本人たちは、自分たちの方がまともだと思っているのでしょう。
目が血走っていて、口から唾を唾しながら僕に死ねと連呼しています。
はあ、一気に疲れちゃったよ。
僕は、くるりと踵を返しました。
「皆さん、お待たせしました」
「全然待っていないぞ。というか、久々に見る超弩級の馬鹿だな」
「さっさと施設に戻って、作業の続きをしないとな」
「「「なっ!」」」
軍人貴族も、旧ゴルゴン侯爵一派を相手にするのが面倒くさくなっていました。
やる気なさそうに、ぞろぞろと扉へ歩いて行きました。
しかし、ゴルゴン侯爵一派はこれで引き下がりません。
シャキーン。
ダッダッダッ。
「「「死ねー!」」」
なんと、ゴルゴン侯爵一派全員が、剣を抜いて僕の背後から襲い掛かってきたのです。
この場で、僕を切り殺してしまおうという考えみたいですね。
でも、僕も何にも対策していない訳ではありません。
ガキン、ボキーン!
「「「はっ?!」」」
僕の背中に向けられた剣は、予め展開していた魔法障壁に当たって全部ぽっきりと折れちゃいました。
僕を襲撃した当人たちは、ぽっきりと折れた剣をぽかーんとしながら眺めていました。
どうして、こんな悪いことを平気でするのだろうか。
そして、この人が黙っている訳がありません。
「謁見の間で剣を抜いて襲い掛かった、稀に見る不届き者を捕らえよ!」
「「「はっ」」」
「「「へ、陛下?」」」
既に僕の側に近衛騎士が来ていて、陛下の命令もあってあっという間に僕を襲った旧ゴルゴン一派を拘束します。
本人たちが呆然としている間に、部屋の外に連行されていきました。
「もしやと思ったが、本当に襲撃するとは。会議室に移動して話すとする」
「「「はっ」」」
陛下も物凄く頭が痛いのか、直ぐにこの場を移動したいと思っているみたいです。
僕たちも陛下に一礼して、部屋を後にしました。
はあ、本当に疲れちゃったよ。
軍の改革案もそうだし、刑法の改革案も話されました。
教会や冒険者との連携も話し、各領地への巡回案も示されました。
その度に、旧ゴルゴン侯爵一派は変な声を上げていました。
「それでは、功績を挙げたものへ勲章を授ける。宮廷魔術師バッツ、アイリーン、レオ騎士爵は前へ」
「「「はい」」」
僕たちが呼ばれたので前に行くけど、マヤちゃんは軍人貴族がガッチリとガードしています。
シロちゃんも、任せてと触手をふりふりとしていました。
僕は、一番右端に並びました。
「この度の軍を襲った魔物討伐で大きな功績を挙げた三人に、国より勲章を授ける。これはただの魔物討伐ではない、一歩間違えれば魔物が王都を襲ったことにもなるのだ」
結果論だけど、魔物が軍を襲った場所が悪かった。
本来では勲章を貰うほどのことではないのかもしれないけど、ここは素直に頂きます。
バッツさんもアイリーンさんも、係の人に勲章をつけて貰っています。
でも、胸についている勲章の数が凄いことになってきたよ。
勲章の重さで服が切れないか、ちょっと心配です。
そして、僕たちは元にいた席に戻りました。
「本日の謁見はこれで終了とする。このようなあってはならないことで謁見を開かなくてなならないことが、今後起きないことを切に願う」
最後に陛下がしめて、閣僚と共に袖口に下がりました。
でも、袖口からこちらの様子をチラチラと見ていますね。
「本日の謁見は以上となります。皆さま、ご退場下さい」
そして係の人のアナウンスがあり、出口に貴族が退場していきます。
しかし、旧ゴルゴン侯爵一派が僕たちのことを睨んでいました。
全員若手なので、親は当主強制交代を言い渡されたのでしょう。
というか、もしかしたら全ての家が当主交代になったのかな。
それはそれで、ものすごいことなんだけど。
すると、旧ゴルゴン侯爵一派が急に叫び始めました。
「レオとマヤは出てこい!」
「この野郎が。魔物に襲われて死んでしまえば良かったんだ」
「そうすれば、父が当主交代することにもならなかったし、罰金を払うこともなかったんだ!」
なんというか、とっても自分勝手な言い分です。
しかも、軍の偉い人は無視して立場が弱いだろう僕とマヤちゃんを呼びつけるなんて。
周りにいる軍人貴族も、思わず呆れる始末です。
帰ろうとした貴族も、足を止めて成り行きを見守っています。
もう、なんだか色々と馬鹿馬鹿しいですね。
僕は、隣にいたナンシー侯爵にこくりと頷いてから彼らに歩み寄りました。
「あの、よく分かっていないみたいですけど、軍を襲撃した時点で僕の生死は全く関係なくもう駄目だと思いますよ」
「うるさい! てめーが死ねば良かったんだ!」
「お前が存在しなければ、俺たちが衰退することはなかったんだ!」
つまりは、僕に全ての責任を押し付けたいのですね。
なんというか、まだ子どもの僕から見てもとても子どもっぽい理論です。
もちろん、周りにいる軍人貴族もものすごく呆れています。
「それで、僕に何を要求するんですか?」
「決まっているだろうが。死ね!」
「死んで俺らに詫びろ!」
「死にやがれ!」
うん、これはもうまともに相手にしちゃ駄目だ。
理論が、もうまともではない。
でも本人たちは、自分たちの方がまともだと思っているのでしょう。
目が血走っていて、口から唾を唾しながら僕に死ねと連呼しています。
はあ、一気に疲れちゃったよ。
僕は、くるりと踵を返しました。
「皆さん、お待たせしました」
「全然待っていないぞ。というか、久々に見る超弩級の馬鹿だな」
「さっさと施設に戻って、作業の続きをしないとな」
「「「なっ!」」」
軍人貴族も、旧ゴルゴン侯爵一派を相手にするのが面倒くさくなっていました。
やる気なさそうに、ぞろぞろと扉へ歩いて行きました。
しかし、ゴルゴン侯爵一派はこれで引き下がりません。
シャキーン。
ダッダッダッ。
「「「死ねー!」」」
なんと、ゴルゴン侯爵一派全員が、剣を抜いて僕の背後から襲い掛かってきたのです。
この場で、僕を切り殺してしまおうという考えみたいですね。
でも、僕も何にも対策していない訳ではありません。
ガキン、ボキーン!
「「「はっ?!」」」
僕の背中に向けられた剣は、予め展開していた魔法障壁に当たって全部ぽっきりと折れちゃいました。
僕を襲撃した当人たちは、ぽっきりと折れた剣をぽかーんとしながら眺めていました。
どうして、こんな悪いことを平気でするのだろうか。
そして、この人が黙っている訳がありません。
「謁見の間で剣を抜いて襲い掛かった、稀に見る不届き者を捕らえよ!」
「「「はっ」」」
「「「へ、陛下?」」」
既に僕の側に近衛騎士が来ていて、陛下の命令もあってあっという間に僕を襲った旧ゴルゴン一派を拘束します。
本人たちが呆然としている間に、部屋の外に連行されていきました。
「もしやと思ったが、本当に襲撃するとは。会議室に移動して話すとする」
「「「はっ」」」
陛下も物凄く頭が痛いのか、直ぐにこの場を移動したいと思っているみたいです。
僕たちも陛下に一礼して、部屋を後にしました。
はあ、本当に疲れちゃったよ。
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