403 / 585
第七章 王都
第四百九十八話 再度の謁見の始まり
しおりを挟む
時間になったので、僕たちは謁見の間に向かいます。
マヤちゃんと手を繋ぎながら歩いているけど、側には海軍総司令官のビクターさんがいます。
この状況でマヤちゃんに喧嘩を売るとなると海軍に喧嘩を売ることになるので、ゴルゴン侯爵一派も僕たちから離れて歩いていた。
マヤちゃんに抱かれているシロちゃんも、周囲への警戒を怠っていません。
「ははは、幼女の側に凶悪な番犬がいるな」
「誰が凶悪な番犬だ。バッツの方が、よっぽど凶悪だろう」
「そうですよ、バッツさんもちょっと言いすぎです」
更に、バッツさんとアイリーンさんも僕たちの側にやってきたけど、心のなかでビクターさんは最強の番犬じゃないかなと思っちゃったよ。
ナンシー侯爵やブランフォード子爵といった軍の幹部、ついでにバーボルド伯爵やマイスター師団長さんも僕たちのところにやってきました。
この人たちを突破して喧嘩を売るのは、ほぼ不可能でしょうね。
ゴルゴン侯爵一派も、遠くから悔しそうに僕たちを眺めているだけだった。
そして、謁見の間に着くと更に多くの軍幹部が集まってきた。
中には、宰相や商務卿とも仲の良い貴族も集まっています。
いつの間にか、ゴルゴン侯爵一派は謁見の間の端に追いやられていました。
まさに、今の勢力図を表していますね。
そして、閣僚と陛下が袖口から入ってきてそのまま謁見が始まりました。
「前日謁見を行い、その際に自己の利益ばかりを追求するのではないと言ったばかりだった。しかし、訓練中の軍を襲撃するという本当に残念な事件が起きた。自己の感情をコントロールできないなど、もはや獣当然だ」
おお、陛下が激怒しているのがよく分かるよ。
いつもにも増して、とても厳しい口調です。
それだけ、ゴルゴン侯爵一派に怒っているんだ。
そして、宰相から今回の件の処分について言い渡された。
「まず、主犯のゴルゴン侯爵家については、爵位取り上げの上で取り潰しとする。当主夫妻、並びに嫡男夫妻は無期の重犯罪者用の強制労働施設行きとする。また、ゴルゴン男爵家も爵位取り上げの上で取り潰しとする。当主は、同じく無期の強制労働施設行きとする」
おお、まさかの二家が取り潰しとなるとは。
ゴルゴン男爵家には、アマード子爵家にいた時に工房を襲われたり盗掘されたりと大迷惑を被ったもんね。
凝りもせず、軍の襲撃に関与していたんだ。
「他に関与した貴族家については、爵位の降格、当主強制交代、罰金を言い渡す。なお、降格したゼノバース子爵家には後継者がいない為、ゼノバース子爵家の血を引く旧ゴルゴン侯爵家のマヤが当主となる」
ある程度予想がついた処分なので、この辺は殆どの貴族は妥当だと思っていた。
しかし、旧ゴルゴン侯爵一派だけは悔しそうに歯ぎしりをしていた。
いやいや、完全に自業自得だと思いますよ。
「そして、降格した各貴族家については、今後五十年間は主要な地位につけないこととする。領地持ち貴族は、降格前の爵位の税金を納めるその間、何かの罪を犯した場合は、通常よりも重い罰とする」
法衣貴族にとって、この罰は収入減を意味する。
罰金も高額だし、普通に考えたら何も悪いことはできないはずだ。
そして、話は行政改革に移ります。
「現在、官僚採用に対しての口利きがとても多く見られる。そこで、官僚採用試験を大幅に見直し実力主義を取る。とはいえ、普通に勉強していれば受かる試験だ。余も勉強を兼ねて受験したが、問題なく合格した。さっそく、次の試験より採用とする」
「「「なっ」」」
「更に、現役の官僚に関しても再試験を課す。ただし、猶予期間を設けるのでその間に勉強をすることができるだろう。もちろん、試験に落ちた場合は配置転換を行う」
おお、旧ゴルゴン侯爵一派が大きな声をあげたよ。
きっと、贈収賄などを使って影響力拡大を狙ったのでしょうね。
それに、もしかしたらその相手が試験に落ちるの待ったなしなのかもしれないです。
マヤちゃんと手を繋ぎながら歩いているけど、側には海軍総司令官のビクターさんがいます。
この状況でマヤちゃんに喧嘩を売るとなると海軍に喧嘩を売ることになるので、ゴルゴン侯爵一派も僕たちから離れて歩いていた。
マヤちゃんに抱かれているシロちゃんも、周囲への警戒を怠っていません。
「ははは、幼女の側に凶悪な番犬がいるな」
「誰が凶悪な番犬だ。バッツの方が、よっぽど凶悪だろう」
「そうですよ、バッツさんもちょっと言いすぎです」
更に、バッツさんとアイリーンさんも僕たちの側にやってきたけど、心のなかでビクターさんは最強の番犬じゃないかなと思っちゃったよ。
ナンシー侯爵やブランフォード子爵といった軍の幹部、ついでにバーボルド伯爵やマイスター師団長さんも僕たちのところにやってきました。
この人たちを突破して喧嘩を売るのは、ほぼ不可能でしょうね。
ゴルゴン侯爵一派も、遠くから悔しそうに僕たちを眺めているだけだった。
そして、謁見の間に着くと更に多くの軍幹部が集まってきた。
中には、宰相や商務卿とも仲の良い貴族も集まっています。
いつの間にか、ゴルゴン侯爵一派は謁見の間の端に追いやられていました。
まさに、今の勢力図を表していますね。
そして、閣僚と陛下が袖口から入ってきてそのまま謁見が始まりました。
「前日謁見を行い、その際に自己の利益ばかりを追求するのではないと言ったばかりだった。しかし、訓練中の軍を襲撃するという本当に残念な事件が起きた。自己の感情をコントロールできないなど、もはや獣当然だ」
おお、陛下が激怒しているのがよく分かるよ。
いつもにも増して、とても厳しい口調です。
それだけ、ゴルゴン侯爵一派に怒っているんだ。
そして、宰相から今回の件の処分について言い渡された。
「まず、主犯のゴルゴン侯爵家については、爵位取り上げの上で取り潰しとする。当主夫妻、並びに嫡男夫妻は無期の重犯罪者用の強制労働施設行きとする。また、ゴルゴン男爵家も爵位取り上げの上で取り潰しとする。当主は、同じく無期の強制労働施設行きとする」
おお、まさかの二家が取り潰しとなるとは。
ゴルゴン男爵家には、アマード子爵家にいた時に工房を襲われたり盗掘されたりと大迷惑を被ったもんね。
凝りもせず、軍の襲撃に関与していたんだ。
「他に関与した貴族家については、爵位の降格、当主強制交代、罰金を言い渡す。なお、降格したゼノバース子爵家には後継者がいない為、ゼノバース子爵家の血を引く旧ゴルゴン侯爵家のマヤが当主となる」
ある程度予想がついた処分なので、この辺は殆どの貴族は妥当だと思っていた。
しかし、旧ゴルゴン侯爵一派だけは悔しそうに歯ぎしりをしていた。
いやいや、完全に自業自得だと思いますよ。
「そして、降格した各貴族家については、今後五十年間は主要な地位につけないこととする。領地持ち貴族は、降格前の爵位の税金を納めるその間、何かの罪を犯した場合は、通常よりも重い罰とする」
法衣貴族にとって、この罰は収入減を意味する。
罰金も高額だし、普通に考えたら何も悪いことはできないはずだ。
そして、話は行政改革に移ります。
「現在、官僚採用に対しての口利きがとても多く見られる。そこで、官僚採用試験を大幅に見直し実力主義を取る。とはいえ、普通に勉強していれば受かる試験だ。余も勉強を兼ねて受験したが、問題なく合格した。さっそく、次の試験より採用とする」
「「「なっ」」」
「更に、現役の官僚に関しても再試験を課す。ただし、猶予期間を設けるのでその間に勉強をすることができるだろう。もちろん、試験に落ちた場合は配置転換を行う」
おお、旧ゴルゴン侯爵一派が大きな声をあげたよ。
きっと、贈収賄などを使って影響力拡大を狙ったのでしょうね。
それに、もしかしたらその相手が試験に落ちるの待ったなしなのかもしれないです。
1,379
お気に入りに追加
5,426
あなたにおすすめの小説

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。