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第七章 王都
第四百八十話 突然の乱入者
しおりを挟む でも、お茶会の終わりにちょっとした事件が起きてしまった。
ガチャ。
「おお、これはこれはグレッグ殿下。本日は孫娘を連れてきましたぞ」
急に応接室のドアが開いたかと思ったら、なんとゴルゴル侯爵が小さな女の子を引き連れて入ってきた。
突然の事で、僕だけでなくクリスちゃんとグレッグちゃんもポカーンとしちゃいました。
しかし、大人は直ぐに動いていた。
「控えよ、ゴルゴル侯爵。そなたは屋敷謹慎中の身、何故この場にいる」
「今は、王家とフランソワーズ公爵家とのお茶会の最中である。無断で部屋に入るのは、無礼ではないか」
うわあ、いつもはとても優しい王妃様とターニャさんが、毅然とした態度でゴルゴル侯爵に物申していた。
普段とは違う母親の態度の変化に、グレッグちゃんとクリスちゃんは目を見開くほどビックリしていました。
ゴルゴル侯爵はこの場に僕がいるのに気がついたみたいだけど、ターニャさんとクリスちゃんがいるからフランソワーズ公爵家が王家に来たのは間違いない。
しかし、ゴルゴル侯爵も簡単には引き下がらなかった。
「王妃様、ターニャ様、そんな大声を出されると小さな子が驚きますぞ。それに、ポール男爵家の件は落ち着いたではありませんか」
ゴルゴル侯爵は、連れてきた小さな女の子を盾にして王妃様とターニャさんの発言を無しにしようとしていた。
この辺は、貴族としての巧妙さなのかもしれない。
でも、命令違反をしているのはゴルゴル侯爵の方です。
それに、勝手な解釈をしているのもゴルゴル侯爵です。
王妃様は、引き下がる事なく威厳のある態度で命令しました。
「近衛騎士、ゴルゴル侯爵を命令違反で捕縛せよ。孫娘は、丁重にゴルゴル侯爵家に送り届けるように」
「「「はっ!」」」
「なっ、くそ!」
こうして、ゴルゴル侯爵はあっという間に兵によって捕縛されていった。
小さな女の子はポカーンとしていたけど、女性の近衛騎士が抱っこして連れて行った。
ゴルゴル侯爵の策略に巻き込まれた形だから女の子には罪はないけど、とっても残念なことですね。
女の子は、僕たちに手を振ってから部屋を出ていった。
「ふう、まさかあの馬鹿がこんな事をするとは。みんな、ごめんなさいね」
「もしかしたら、ゴルゴル侯爵は私たちがいるのを知ってわざと部屋に入ってきたのかもよ。フランソワーズ公爵家に、次期王妃は自分の孫娘だって見せつけたいのかも」
「「かっこよかったー!」」
「アン!」
いつもの優しい王妃様とターニャさんに戻ったけど、二人も予想外のことで頭にきていたのかも。
それでも、冷静に理由を分析している辺りは流石だと思いました。
グレッグちゃんとクリスちゃんは、ユキちゃんと一緒にキリリとしていた二人に拍手を送っていた。
そして、今度はなんと陛下が応接室に入ってきた。
「この分だと、落ち着いたみたいだな。大罪を犯した訳ではないが、ゴルゴル侯爵にはある程度の厳罰は必要だ」
恐らく近衛騎士からゴルゴル侯爵の件を聞いたみたいだけど、本当に安心した表情だった。
でも、これでゴルゴル侯爵一派の力は一気に落ちそうな気がしたよ。
「おとーさま、おかーさまかっこよかったー!」
「はは、そうかカッコよかったか。ノエビアは、やる時はやるからな」
「ちょっと、そんな言い方はないですわよ」
陛下がグレッグちゃんを抱っこしながら笑顔でいるけど、ホッとしたのもありそうですね。
王妃様はちょっと不満そうに言っているけど、僕もさっきの王妃様はカッコよかったと思うよ。
こうして、最後に色々とあったけど何とかお茶会は終了しました。
まだ午前中なのに、ちょっと疲れちゃったね。
昼食をしっかりと食べて、元気を取り戻さないとね。
ガチャ。
「おお、これはこれはグレッグ殿下。本日は孫娘を連れてきましたぞ」
急に応接室のドアが開いたかと思ったら、なんとゴルゴル侯爵が小さな女の子を引き連れて入ってきた。
突然の事で、僕だけでなくクリスちゃんとグレッグちゃんもポカーンとしちゃいました。
しかし、大人は直ぐに動いていた。
「控えよ、ゴルゴル侯爵。そなたは屋敷謹慎中の身、何故この場にいる」
「今は、王家とフランソワーズ公爵家とのお茶会の最中である。無断で部屋に入るのは、無礼ではないか」
うわあ、いつもはとても優しい王妃様とターニャさんが、毅然とした態度でゴルゴル侯爵に物申していた。
普段とは違う母親の態度の変化に、グレッグちゃんとクリスちゃんは目を見開くほどビックリしていました。
ゴルゴル侯爵はこの場に僕がいるのに気がついたみたいだけど、ターニャさんとクリスちゃんがいるからフランソワーズ公爵家が王家に来たのは間違いない。
しかし、ゴルゴル侯爵も簡単には引き下がらなかった。
「王妃様、ターニャ様、そんな大声を出されると小さな子が驚きますぞ。それに、ポール男爵家の件は落ち着いたではありませんか」
ゴルゴル侯爵は、連れてきた小さな女の子を盾にして王妃様とターニャさんの発言を無しにしようとしていた。
この辺は、貴族としての巧妙さなのかもしれない。
でも、命令違反をしているのはゴルゴル侯爵の方です。
それに、勝手な解釈をしているのもゴルゴル侯爵です。
王妃様は、引き下がる事なく威厳のある態度で命令しました。
「近衛騎士、ゴルゴル侯爵を命令違反で捕縛せよ。孫娘は、丁重にゴルゴル侯爵家に送り届けるように」
「「「はっ!」」」
「なっ、くそ!」
こうして、ゴルゴル侯爵はあっという間に兵によって捕縛されていった。
小さな女の子はポカーンとしていたけど、女性の近衛騎士が抱っこして連れて行った。
ゴルゴル侯爵の策略に巻き込まれた形だから女の子には罪はないけど、とっても残念なことですね。
女の子は、僕たちに手を振ってから部屋を出ていった。
「ふう、まさかあの馬鹿がこんな事をするとは。みんな、ごめんなさいね」
「もしかしたら、ゴルゴル侯爵は私たちがいるのを知ってわざと部屋に入ってきたのかもよ。フランソワーズ公爵家に、次期王妃は自分の孫娘だって見せつけたいのかも」
「「かっこよかったー!」」
「アン!」
いつもの優しい王妃様とターニャさんに戻ったけど、二人も予想外のことで頭にきていたのかも。
それでも、冷静に理由を分析している辺りは流石だと思いました。
グレッグちゃんとクリスちゃんは、ユキちゃんと一緒にキリリとしていた二人に拍手を送っていた。
そして、今度はなんと陛下が応接室に入ってきた。
「この分だと、落ち着いたみたいだな。大罪を犯した訳ではないが、ゴルゴル侯爵にはある程度の厳罰は必要だ」
恐らく近衛騎士からゴルゴル侯爵の件を聞いたみたいだけど、本当に安心した表情だった。
でも、これでゴルゴル侯爵一派の力は一気に落ちそうな気がしたよ。
「おとーさま、おかーさまかっこよかったー!」
「はは、そうかカッコよかったか。ノエビアは、やる時はやるからな」
「ちょっと、そんな言い方はないですわよ」
陛下がグレッグちゃんを抱っこしながら笑顔でいるけど、ホッとしたのもありそうですね。
王妃様はちょっと不満そうに言っているけど、僕もさっきの王妃様はカッコよかったと思うよ。
こうして、最後に色々とあったけど何とかお茶会は終了しました。
まだ午前中なのに、ちょっと疲れちゃったね。
昼食をしっかりと食べて、元気を取り戻さないとね。
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