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第七章 王都
第四百六十九話 何やら大きな事件の予感
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翌日は、予定通り大教会付属の治療施設で治療を行います。
昨日防壁の門で助けた親子の様子も気になるので、一緒に確認します。
早速僕たちは馬車に乗って、冒険者ギルドで手続きをしてから大教会に向かいました。
すると、治療施設担当の司祭様が僕を出迎えてくれたけど、表情がすぐれません。
何かあったのかと尋ねたら、とんでもないことを教えてくれました。
「あの親子は王都に隣接する領地に住んでいるのだけど、旦那さんが病気で亡くなって重税でもう生きていけなくなって、何とかならないかと王都に逃げてきたそうよ」
あまりのことに、僕はビックリしちゃいました。
先日陛下が謁見の際に自己の利益ばかり求めちゃ駄目だと釘を刺したばっかりなのに、重税を課しているところがあるなんて。
これはかなり大きな問題になりそうなので、教会経由で軍に連絡して貰いました。
その間、僕は平常心でいるように心がけながら、治療施設に入院している人を治療していきました。
でも、治療をしている間は、ずっと何でこんなことをするんだろうと考えちゃいました。
そして、その親子が入院している大部屋に入ろうとしたタイミングで、僕に声をかけてきた人がいました。
「おっ、レオ君はここにいたか」
「ちゃんと仕事をしているな。感心だ」
僕の背後には、なんとナンシー侯爵と僕が治療した司令官が部下を引き連れてやってきました。
そして、ナンシー侯爵が司令官を紹介してくれました。
「レオ君、改めて紹介する。王都駐留軍の司令官であるブラウニー伯爵だ。王都周辺領地の対策もしている」
「あっ、だから一緒に来たんですね」
「そうだ。王都に隣接している領地の問題だから、まさに俺の出番だ」
ブラウニー伯爵と握手をしながら、この問題は任せろと言ってくれました。
これはとっても心強いですね。
治療はシロちゃん、ユキちゃん、ジェシカさんに任せて、僕たちは早速親子に話しかけました。
「こんにちは。体調は如何ですか?」
「うん、とっても元気だよ!」
「昨日は治療して頂き、本当にありがとうございました」
クリスちゃんと同じくらいの男の子が元気よく手を上げて答えていたけど、顔色はとっても良さそうです。
お母さんも痩せているだけで、もう病気は大丈夫そうですね。
「痩せていると病気にかかりやすいですから、治療施設で体調を整えてくださいね」
「黒髪の天使様と遭遇できたなんて、私たちは最後の最後に助けられたのだと思います。本当にありがとうございました」
「お兄ちゃん、ありがとー」
治療よりもいっぱいご飯を食べることが大事なので、これで僕の治療としての対応は終わりです。
では、改めて話を聞くことにします。
ナンシー侯爵が、詳しく聞くことになりました。
「私は、軍務大臣補佐官のナンシー侯爵だ。そして、横にいるのが、王都駐留軍司令官のブラウニー伯爵である。ちなみに、レオ君は黒髪の天使で騎士爵となっている」
「えっ、黒髪の天使様は騎士爵なんですか?!」
「お兄ちゃん、すごーい!」
親子は、目の前に軍の大幹部がいることよりも僕が騎士爵である方にビックリしていた。
ナンシー侯爵とブラウニー伯爵も思わず苦笑しちゃったけど、このまま話を聞くことになりました。
大体は司祭様から聞いた話と一緒で、二人とも領主の名前を聞いて深く納得していた。
「やっぱり、ポール男爵家か。あそこは、昔から良くない噂を聞いていた」
「王国創立以来の貴族だと常に威張っていたが、逆にそれくらいしか誇ることのない小物貴族だな」
ナンシー侯爵とブラウニー伯爵の怒りメーターが、ズゴゴゴゴって上がっていきました。
二人の話を聞くと、もしかして……
「あの、もしかしてポール男爵って、あの謁見の時にゴルゴン侯爵の後ろにいた貴族に含まれていますか?」
「その通りだ。虎の意を借りる狐とは、まさにあいつのことだ」
何だか、僕も凄く納得しちゃいました。
あのゴルゴン侯爵の一派なら、何をしてもおかしくないですね。
お母さんに了解を貰って念の為に鑑定魔法を使っても、二人はポール男爵家の住人でした。
「お二人の想いは、このナンシー侯爵が確かに受け取った。二人は安心して静養に努めるがよい」
「本当にありがとうございます。よろしくお願いします」
「ありがとー」
お母さんが僕たちに深く頭を下げたけど、これはとっても大きな問題です。
ちょうど治療も終わったので、冒険者ギルドに行って手続きをしたのち、僕は王城に向かうことになりました。
ナンシー侯爵とブラウニー伯爵は、一足先に王城に向かうそうです。
「レオ君、騎士爵になって初めての大きなお仕事だけど無理をしないでね」
「おにいさま、頑張ってね!」
「アオン!」
フランソワーズ公爵家に戻って急いで冒険者服からきちんとした服に着替えると、ターニャさんとクリスちゃん、それにシロちゃんとユキちゃんも僕に声をかけてくれました。
僕も焦らないように気をつけながら、みんなと別れて王城に馬車で向かいました。
昨日防壁の門で助けた親子の様子も気になるので、一緒に確認します。
早速僕たちは馬車に乗って、冒険者ギルドで手続きをしてから大教会に向かいました。
すると、治療施設担当の司祭様が僕を出迎えてくれたけど、表情がすぐれません。
何かあったのかと尋ねたら、とんでもないことを教えてくれました。
「あの親子は王都に隣接する領地に住んでいるのだけど、旦那さんが病気で亡くなって重税でもう生きていけなくなって、何とかならないかと王都に逃げてきたそうよ」
あまりのことに、僕はビックリしちゃいました。
先日陛下が謁見の際に自己の利益ばかり求めちゃ駄目だと釘を刺したばっかりなのに、重税を課しているところがあるなんて。
これはかなり大きな問題になりそうなので、教会経由で軍に連絡して貰いました。
その間、僕は平常心でいるように心がけながら、治療施設に入院している人を治療していきました。
でも、治療をしている間は、ずっと何でこんなことをするんだろうと考えちゃいました。
そして、その親子が入院している大部屋に入ろうとしたタイミングで、僕に声をかけてきた人がいました。
「おっ、レオ君はここにいたか」
「ちゃんと仕事をしているな。感心だ」
僕の背後には、なんとナンシー侯爵と僕が治療した司令官が部下を引き連れてやってきました。
そして、ナンシー侯爵が司令官を紹介してくれました。
「レオ君、改めて紹介する。王都駐留軍の司令官であるブラウニー伯爵だ。王都周辺領地の対策もしている」
「あっ、だから一緒に来たんですね」
「そうだ。王都に隣接している領地の問題だから、まさに俺の出番だ」
ブラウニー伯爵と握手をしながら、この問題は任せろと言ってくれました。
これはとっても心強いですね。
治療はシロちゃん、ユキちゃん、ジェシカさんに任せて、僕たちは早速親子に話しかけました。
「こんにちは。体調は如何ですか?」
「うん、とっても元気だよ!」
「昨日は治療して頂き、本当にありがとうございました」
クリスちゃんと同じくらいの男の子が元気よく手を上げて答えていたけど、顔色はとっても良さそうです。
お母さんも痩せているだけで、もう病気は大丈夫そうですね。
「痩せていると病気にかかりやすいですから、治療施設で体調を整えてくださいね」
「黒髪の天使様と遭遇できたなんて、私たちは最後の最後に助けられたのだと思います。本当にありがとうございました」
「お兄ちゃん、ありがとー」
治療よりもいっぱいご飯を食べることが大事なので、これで僕の治療としての対応は終わりです。
では、改めて話を聞くことにします。
ナンシー侯爵が、詳しく聞くことになりました。
「私は、軍務大臣補佐官のナンシー侯爵だ。そして、横にいるのが、王都駐留軍司令官のブラウニー伯爵である。ちなみに、レオ君は黒髪の天使で騎士爵となっている」
「えっ、黒髪の天使様は騎士爵なんですか?!」
「お兄ちゃん、すごーい!」
親子は、目の前に軍の大幹部がいることよりも僕が騎士爵である方にビックリしていた。
ナンシー侯爵とブラウニー伯爵も思わず苦笑しちゃったけど、このまま話を聞くことになりました。
大体は司祭様から聞いた話と一緒で、二人とも領主の名前を聞いて深く納得していた。
「やっぱり、ポール男爵家か。あそこは、昔から良くない噂を聞いていた」
「王国創立以来の貴族だと常に威張っていたが、逆にそれくらいしか誇ることのない小物貴族だな」
ナンシー侯爵とブラウニー伯爵の怒りメーターが、ズゴゴゴゴって上がっていきました。
二人の話を聞くと、もしかして……
「あの、もしかしてポール男爵って、あの謁見の時にゴルゴン侯爵の後ろにいた貴族に含まれていますか?」
「その通りだ。虎の意を借りる狐とは、まさにあいつのことだ」
何だか、僕も凄く納得しちゃいました。
あのゴルゴン侯爵の一派なら、何をしてもおかしくないですね。
お母さんに了解を貰って念の為に鑑定魔法を使っても、二人はポール男爵家の住人でした。
「お二人の想いは、このナンシー侯爵が確かに受け取った。二人は安心して静養に努めるがよい」
「本当にありがとうございます。よろしくお願いします」
「ありがとー」
お母さんが僕たちに深く頭を下げたけど、これはとっても大きな問題です。
ちょうど治療も終わったので、冒険者ギルドに行って手続きをしたのち、僕は王城に向かうことになりました。
ナンシー侯爵とブラウニー伯爵は、一足先に王城に向かうそうです。
「レオ君、騎士爵になって初めての大きなお仕事だけど無理をしないでね」
「おにいさま、頑張ってね!」
「アオン!」
フランソワーズ公爵家に戻って急いで冒険者服からきちんとした服に着替えると、ターニャさんとクリスちゃん、それにシロちゃんとユキちゃんも僕に声をかけてくれました。
僕も焦らないように気をつけながら、みんなと別れて王城に馬車で向かいました。
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