小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第七章 王都

第四百五十七話 謁見の当日の朝

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 謁見の前日まで、僕は普通に依頼をこなしていました。
 流石にクリスちゃんたちは同行しなかったけど、今度また依頼をしにいこうということになりました。
 そして、遂に謁見の日になりました。
 フランソワーズ公爵家は、朝から大騒ぎです。
 というのも、僕とギルバートさんは着替えて王城に行っちゃうけど、夕方からパーティーが始まるから準備が大変です。

「こちらはそっちに運んで下さい」
「食事に必要な食料は揃っていますか?」

 モニカさんとターニャさんは、侍従に忙しく指示を出しています。
 ウェンディさんとアレックスさんも、勉強の為に一緒についています。

「凄い大変だね」
「アオン」

 まだ五歳のクリスちゃんは、王城に行かないシロちゃんとユキちゃんと一緒にドタバタな屋敷内を見つめていました。
 でも、クリスちゃんにはまだやることがないので、侍従と一緒に僕とギルバートさんのいる衣装部屋にいました。

「うん、レオ君も良い感じに仕上がっているね。カッコいいよ」
「わあ、おにいさまカッコいい!」
「アオン!」

 クリスちゃんだけでなく、シロちゃんとユキちゃんも僕に拍手を送っています。
 髪の毛もセットしてもらい、準備万端です。
 ギルバートさんも、着替えは万端です。
 今日の謁見は午前中に行われるので、早速僕とギルバートさんは馬車に乗り込みます。

「いってきまーす」
「いってらっしゃーい!」
「アオーン!」

 クリスちゃん、シロちゃん、ユキちゃんに見送られながら、僕たちは王城に向かいました。
 あっという間に王城に着くと、僕は係の人に声をかけられました。

「レオ様、控室にご案内いたします」
「では、レオ君、後ほど会おう」

 ギルバートさんも、にこりとしながら部下と共に王城の中に入って行きました。
 そして、僕は係の人に先導されながら、どんどんと王城の中を進んでいきます。
 こうして歩くと、やっぱり王城ってとっても広いんですね。

 ガチャ。

「こちらが控室になります」
「あっ、ありがとうございます」
「どうぞ、お座り下さい。お茶をご用意いたします」

 広めの応接室って感じの部屋に案内され、僕はソファーに座ります。
 侍従がお茶を入れている間、僕は周囲をキョロキョロと見回していました。
 うん、何というか凄いところにきちゃったなって感じです。

「お茶です、熱いのでお気をつけ下さい」
「あっ、ありがとうございます。あちっ」
「ふふふ、お気をつけ下さいませ」

 ああ、緊張していてやっちゃったよ。
 熱いっていわれていたのに、いきなり紅茶を飲んじゃった。
 侍従も、微笑ましいものを見たといった表情ですね。
 うーん、シロちゃんもユキちゃんもいないから何だか心細いなあ。

「あの、謁見はこの後どのくらいで行われますか?」
「各貴族が集まりますので、あと二時間はかかるかと」

 えー!
 あと二時間もかかるんだ。
 係の人に聞いて、ものすごくびっくりしちゃった。
 うーん、仕方ない。
 僕は、魔法袋から魔法使いの本を取り出して読み始めました。
 何とかして、時間を潰さないといけないね。

 コンコン。

「失礼します。宰相がお見えになりました」

 あっ、チャーリーさんが来たんだ。
 僕は、本を脇に置いて立ち上がりました。

「おお、レオ君おはよう。綺麗な格好をしているね」
「ありがとうございます。チャーリーさんも、とってもカッコいい服ですね」
「ははは、ありがとう。このあと会議があるのでな、また謁見で会おう」

 チャーリーさんは足早に部屋から出て行きました。
 やっぱり、宰相は忙しいんだね。
 その後も、僕の知り合いの貴族が部屋を訪ねてきて、中々忙しい時間を過ごしました。
 気がついたら、あっという間に謁見の三十分前になっていました。
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