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第七章 王都

第四百三十五話 ウェンディさんとの手合わせ

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 翌朝、僕の魔法を見たいというヒルダさんと一緒に訓練をすることになりました。
 もちろん、ウェンディさんやアレックスさん、そしてクリスちゃんも一緒です。
 魔力の循環訓練と制御訓練を終えたところで、いつもよりも早めに飛翔魔法を披露することに。

 シュイーン、ふわっ。
 ひゅーん、ひゅーん。

「わあ、おにいさま、今日もお空を飛んでいるよ!」
「レオ君とシロちゃんは、こんな凄い魔法が使えるのね。とても素晴らしいわ」

 ヒルダさんは、僕とシロちゃんが魔法で空を飛ぶ姿に大興奮です。
 はしゃぎ方が、まるで隣にいるクリスちゃんみたいですね。
 飛翔魔法を終えたら、今日はこの人と手合わせすることになりました。

「ふふ、レオ君宜しくね」

 ウェンディさんが、木剣を手にニコリとしています。
 今日は、ウェンディさんの希望で僕と手合わせすることになりました。
 僕もダガータイプの木剣を構えます。
 最初は、身体能力強化魔法を使わないで行います。
 アレックスさんが審判役を務めてくれて、少し離れたところでヒルダさんやクリスちゃんたちギャラリーが僕たちの戦いを見守ります。

「では、構えて」

 ざっ。

 アレックスさんの声に、僕とウェンディさんは木剣を構えます。
 少し離れたところに立っているウェンディさんは、今まで見たことのない真剣な表情をしています。
 そして、アレックスさんが上げていた手を振り下ろしたタイミングで、僕とウェンディさんは一気に駆け出して近づきました。

「はあああ、せい!」
「えやー!」

 ガキン、ガキン!
 一気に打ち合いを始めるけど、ウェンディさんはとっても素早い斬撃を放ってきます。
 流石にバッツさんみたいな重い一撃じゃないけど、かなりの素早さを誇って
います。
 僕も何とか木剣を受け止めていくけど、流石に身体能力強化魔法無しでは限界もあります。

 バキン!

「あっ!」
「そこまで、姉上の勝ちですね」

 ウェンディさんに木剣を叩き落とされて、木剣を突きつけられました。
 その瞬間、ウェンディさんは少しニヤリとしていました。
 やっぱり、ウェンディさんはとっても強いですね。

「負けました。やっぱり歯が立たなかったです」
「あの、私とレオ君は年齢が離れているのよ。流石に七歳に負けられないわ」

 木剣を引っ込めながらウェンディさんは少し苦笑したけど、実はちょっと抵抗できるかなって思っていました。
 ギャラリーも、順当な結果にうんうんと頷いていました。
 では、今度は僕が身体能力強化を使った状態で手合わせする事に。
 もう一度、僕とウェンディさんは距離をとって木剣を構えました。
 アレックスさんも、再び審判を務めます。

「始め!」

 シュッ、バキン!

「あっ……」

 アレックスさんが腕を上げた瞬間、僕は身体能力強化をかけて一気にウェンディさんに近づいて木剣を跳ね上げました。
 ウェンディさんは、突然のことで何が何だか分からない表情をしています。
 それはアレックスさんだけでなくクリスちゃんとヒルダさんも同じで、シロちゃんとユキちゃんだけはいつも通りって感じです。

「いやあ、本当に凄いわ。警戒していたのに、レオ君が目の前から消えてあっという間に木剣が跳ね飛ばされたわ」
「僕も注視して審判をしていたのに、レオ君がもの凄い速さで動いたからビックリしちゃった」

 休憩をするためにギャラリーのところに向かいながら話をしたけど、まるで僕が消えた様に見えたみたいです。
 それは、この二人も同じでした。

「おにいさま、凄い! 全然見えなかったよ!」
「レオ君がもの凄い魔法使いなんだと、改めて思ったわ。昨日二階のバルコニーに大ジャンプをしたって聞いた時は本当かなと思ったけど、この動きを見れば誰もが納得するわ」

 クリスちゃんもヒルダさんも、とっても興奮しながら話をしていました。
 でも、この結果を考えると、バーボルド伯爵領の軍事施設でずっと僕に剣の稽古をつけてくれたバッツさんは、とんでもなく強いことになりますね。
 もう少しだけ訓練を続けて、みんなで朝食を食べに屋敷の中に入りました。
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