小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第七章 王都

第四百二十五話 今週の予定は?

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 王城からフランソワーズ公爵家に着くと、既に三時を過ぎていました。
 王城では、思った以上に時間がかかっちゃいましたね。
 でも、僕としてはおばあさんの治療が上手く行って良かったと思います。
 そして、一人と一匹はフラフラになっていました。

「うみゅ……」
「アオン……」
「あらら、眠くなっちゃったのね。もうお昼寝の時間だわ」
「ユキちゃんは、私が抱っこしてあげるわ」

 クリスちゃんとユキちゃんが、眠たくなって目をこすっていました。
 ちょっと苦笑しながら、ターニャさんとウェンディさんがクリスちゃんとユキちゃんを抱っこします。
 すると、無意識にぎゅっと抱きついていますね。
 そのまま僕たちは、屋敷の中に入りました。
 すると、ターニャさんが僕に話しかけてきました。

「レオ君も沢山魔力を使ったから、お昼寝してゆっくり休んだ方が良いわね。無理は禁物よ」
「うん、僕もそう思うよ。休んだほうが良いよ」

 あらら、アレックスさんにも言われちゃった。
 でも、確かに少し疲れちゃっているのかも。
 そのままターニャさんの部屋に入ると、いつの間にか寝ちゃったクリスちゃんとユキちゃんをターニャさんとウェンディさんがベッドに寝かせます。
 その間に、僕も服を着替えます。
 そして、シロちゃんと一緒にベッドに潜り込みました。
 温かいベッドに眠気を誘われて、気がついたら直ぐに寝ちゃいました。

「ふわあ、よく寝た」
「うーん……」
「ワフゥ……」

 一時間ほどお昼寝をすると、もう夕方です。
 一緒に、クリスちゃんとユキちゃんも起きたみたいです。
 シロちゃんは、一足先に起きていました。
 そういえば、今夜も一緒に寝るのかなと思ったので、部屋にいたターニャさんに聞いてみました。

「ふふ、レオ君が一緒に寝るというのならそれでも良いわよ」
「おにいさまと一緒が良い!」

 え、えーっと、流石にずっと一緒にいるわけにはいかない気がするのですけど。
 ターニャさんがイタズラっぽく喋ったとなると、別の部屋が用意されているのかな?
 そう思ったら、ターニャさんが僕たちを部屋の外に連れて行きました。
 どこに行くのかなと思ったら、ターニャさんの部屋の隣にある小さな部屋の前でした。

 ガチャ。

「こちらを用意したのよ。元は侍従の控え室だったのだけど、今は使っていないのよ。レオ君は大きい部屋だと緊張しそうだから、このくらいの部屋でどうかしら?」
「あの、この部屋でも十分な広さがありますよ……」
「昔はベッドが複数あったらしいわよ。無駄に侍従の数が多かったのよ」

 うーん、この屋敷はとても広いから今でも沢山の侍従が住み込みで働いている気がするよ。
 実は、通いの侍従も結構いて、特に洗濯や掃除などを行う人は通いが多いそうです。
 主人のお世話をする人は住み込みが多く、冒険者ギルドに一緒に行ってくれたジェシカさんも住み込みで働いているそうです。
 そしてターニャさんは、明日以降についても話してくれました。

「明日以降は、午前中は冒険者活動をして午後からお茶会ね。レオ君に頼みたい依頼が沢山あるって報告を聞いたので、なら午前中は治療をして貰った方が良いって事になったのよ」
「僕も、ずっとお茶会だと疲れちゃいそうな気がします」
「ふふ、そうね。それに、例のブランフォード子爵家当主が襲われたのもあって、お茶会の順番がちょっと変わったのよ。明日は、師団長の屋敷に行くわよ」

 おお、明日はマイスター師団長さんの屋敷に行くんだ。
 何だか、とっても楽しみです。
 僕をお茶会に誘いたい貴族は多いらしいけど、治療の依頼も多いって理由で断っているそうです。
 実際に間違ってはいないし、僕も何も知らない貴族家にお茶会に呼ばれても話すことがないもんなあ。

「今のところお茶会が決まっているのは、ナンシー侯爵家と宰相の他に、軍務大臣と海軍総司令官の家ね。これだけの貴族家を相手にして、私の家を先にしろとは言えないわ」

 ターニャさんはくすくすと笑っているけど、確かに全部大物貴族家だもんね。
 僕だって文句は言えないよ。
 それに、まだまだ知り合った貴族も沢山いるもんね。
 みんなに、きちんとお礼を言わないと。
 ここで、ジェシカさんが僕たちに声をかけてきました。

「皆さま、お風呂の準備が整いました」
「じゃあ、おにいさまと一緒に入る!」
「アオン!」
「わわっ、クリスちゃん手を引っ張らないで!」
「くすくす、元気があって良いわね」

 クリスちゃんに手を引かれて、僕は部屋を出ました。
 取りあえず今週の予定が決まって、僕も一安心です。
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