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第七章 王都
第四百二十四話 王城内の人命救助
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お茶会の時間が終わりを告げたので、僕たちは王妃様に挨拶をします。
「今日は、お招き頂きありがとうございます」
「こちらこそ、とても楽しい時間だったわ。また、お茶会に呼ぶわね」
王妃様も、にこやかに僕たちに挨拶をしてくれました。
そして僕たちは、王城の中庭から再び王城の中に入って行きました。
ふう、やっぱり王妃様に会うってだけで緊張しちゃった。
僕は歩きながら、忙しそうに人が動いている王城内を見回しました。
「やっぱり、王城はとっても広いですね。一体どれだけの人が働いているのか、全く想像がつかないです」
「私も、流石に正確な人数は分からないわ。でも、国を支えるだけあって、本当に多くの人が働いているのよ」
執務エリアに入って沢山の貴族と官僚がいる姿を見たけど、ターニャさんにも分からない程の人数なんだ。
すると、忙しく働いている人の中に見知った人がいました。
相手も、僕たちの事に気が付いたみたいです。
「おや、そこにいるのはフランソワーズ公爵家の方々にレオ君ではないか」
「王妃様とのお茶会は楽しかったかな?」
「あっ、チャーリーさん。それに、ギルバートさん。お疲れ様です」
沢山の部下を引きつれて廊下を歩いていたチャーリーさんとギルバードさんに、僕たちがばったり出会いました。
流石は宰相と商務大臣だけあって、とっても忙しそうですね。
すると、クリスちゃんがこんな事を言っていました。
「お父様、あのねおにいさまが『奇跡の大魔法使い』って言われたんだよ!」
「ほうほう、王妃様公認の新たな二つ名か。レオ君らしい二つ名だな」
ギルバートさんがニコリとしながらクリスちゃんの頭を撫でていたけど、チャーリーさんもうんうんと頷いていました。
チャーリーさんとギルバートさんも次の会議があるそうなのでここで別れようとしたら、ちょっと離れたところで事件が起きました。
バタッ。
「うう、うぅ……」
「だ、大丈夫ですか?」
「誰か医者を!」
いきなりおばあちゃんがふらふらとなり、胸を抑えながら倒れちゃいました。
周囲にいた人だけでなく、警備の兵や侍従の人も倒れた人のところにやってきました。
僕たちも、倒れたおばあちゃんのところに駆けつけました。
「おばあさん、大丈夫ですか?」
「うう……」
駄目だ、おばあさんは胸を抑えたまま僕の声かけに答えてくれません。
一刻も早く治療しないと。
僕は、おばあさんに軽く魔力を流しました。
すると、胸の辺りだけじゃなくて他のところも悪くなっていました。
これは、僕一人だけじゃ治療できないよ。
「シロちゃん、一緒に治療しよう!」
シロちゃんも、僕の問いかけに触手をふりふりして答えてくれました。
そして、僕も一緒に魔力を溜め始めました。
「シロちゃん、おばあさんを治療しよう!」
シュインシュイン、ぴかー!
僕とシロちゃんは、同時におばあさんに回復魔法をかけました。
けっこう手ごわい感じがしたけど、何とかおばあさんを治療できました。
すると、おばあさんも意識を取り戻しました。
「お、おや? 胸の痛みが全くないわ。それだけでなく、体中の痛みも……」
おばあさんは、自分の体の不調がいっぺんに治ったので訳が分からない表情をしていました。
自分の体や手を、不思議そうに見ていました。
良かった、無事に治療が上手く行きました。
すると、この場に急いで駆けつけて来た男性が。
「母上、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。この、可愛らしい子どもが治療してくれたのよ」
えーっと、この人は誰だろう?
膝をついておばあさんの上半身を起こしているけど、服装からすると軍の幹部って感じだよ。
背が高く金髪に近い茶髪で、毛色と同じ立派なあごひげがあります。
すると、その男性が僕に向かって頭を下げてきました。
「その黒髪、君がレオだな。ナンシー侯爵だ、母上を助けて頂き感謝する」
「えっ、あっ、ナンシー侯爵って!」
「そうだ、あのナンシー侯爵だ。コバルトブルーレイク直轄領で、息子が迷惑をかけた」
とっても厳格そうなナンシー侯爵さんだけど、今は複雑そうな表情をしていた。
自分の母親を助けたのが、自身の息子が迷惑をかけた僕なんだから。
僕もどうしようかなと思ったら、ギルバートさんが助け舟を出してくれました。
「ナンシー侯爵、レオ君が治療したとはいえ今は御母堂の体調を優先すべきだ。明後日ナンシー侯爵家のお茶会に呼ばれているので、その際に色々と話そう」
「商務大臣、お心遣いに感謝する。そのお茶会には私も出席予定だから、改めてお礼を言おう」
何でこの場にナンシー侯爵さんのおかあさんがいたのかも含めて、明後日話をする事になりました。
でも、無事におばあさんの治療が出来て僕とシロちゃんはホッとしています。
「おばあさん、お大事にして下さい」
「ええ、ありがとうね。明後日、会いましょうね」
こうして、僕たちは改めて王城の中を歩き始めました。
何だか色々あったけど、無事に全部終わって良かったです。
「今日は、お招き頂きありがとうございます」
「こちらこそ、とても楽しい時間だったわ。また、お茶会に呼ぶわね」
王妃様も、にこやかに僕たちに挨拶をしてくれました。
そして僕たちは、王城の中庭から再び王城の中に入って行きました。
ふう、やっぱり王妃様に会うってだけで緊張しちゃった。
僕は歩きながら、忙しそうに人が動いている王城内を見回しました。
「やっぱり、王城はとっても広いですね。一体どれだけの人が働いているのか、全く想像がつかないです」
「私も、流石に正確な人数は分からないわ。でも、国を支えるだけあって、本当に多くの人が働いているのよ」
執務エリアに入って沢山の貴族と官僚がいる姿を見たけど、ターニャさんにも分からない程の人数なんだ。
すると、忙しく働いている人の中に見知った人がいました。
相手も、僕たちの事に気が付いたみたいです。
「おや、そこにいるのはフランソワーズ公爵家の方々にレオ君ではないか」
「王妃様とのお茶会は楽しかったかな?」
「あっ、チャーリーさん。それに、ギルバートさん。お疲れ様です」
沢山の部下を引きつれて廊下を歩いていたチャーリーさんとギルバードさんに、僕たちがばったり出会いました。
流石は宰相と商務大臣だけあって、とっても忙しそうですね。
すると、クリスちゃんがこんな事を言っていました。
「お父様、あのねおにいさまが『奇跡の大魔法使い』って言われたんだよ!」
「ほうほう、王妃様公認の新たな二つ名か。レオ君らしい二つ名だな」
ギルバートさんがニコリとしながらクリスちゃんの頭を撫でていたけど、チャーリーさんもうんうんと頷いていました。
チャーリーさんとギルバートさんも次の会議があるそうなのでここで別れようとしたら、ちょっと離れたところで事件が起きました。
バタッ。
「うう、うぅ……」
「だ、大丈夫ですか?」
「誰か医者を!」
いきなりおばあちゃんがふらふらとなり、胸を抑えながら倒れちゃいました。
周囲にいた人だけでなく、警備の兵や侍従の人も倒れた人のところにやってきました。
僕たちも、倒れたおばあちゃんのところに駆けつけました。
「おばあさん、大丈夫ですか?」
「うう……」
駄目だ、おばあさんは胸を抑えたまま僕の声かけに答えてくれません。
一刻も早く治療しないと。
僕は、おばあさんに軽く魔力を流しました。
すると、胸の辺りだけじゃなくて他のところも悪くなっていました。
これは、僕一人だけじゃ治療できないよ。
「シロちゃん、一緒に治療しよう!」
シロちゃんも、僕の問いかけに触手をふりふりして答えてくれました。
そして、僕も一緒に魔力を溜め始めました。
「シロちゃん、おばあさんを治療しよう!」
シュインシュイン、ぴかー!
僕とシロちゃんは、同時におばあさんに回復魔法をかけました。
けっこう手ごわい感じがしたけど、何とかおばあさんを治療できました。
すると、おばあさんも意識を取り戻しました。
「お、おや? 胸の痛みが全くないわ。それだけでなく、体中の痛みも……」
おばあさんは、自分の体の不調がいっぺんに治ったので訳が分からない表情をしていました。
自分の体や手を、不思議そうに見ていました。
良かった、無事に治療が上手く行きました。
すると、この場に急いで駆けつけて来た男性が。
「母上、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。この、可愛らしい子どもが治療してくれたのよ」
えーっと、この人は誰だろう?
膝をついておばあさんの上半身を起こしているけど、服装からすると軍の幹部って感じだよ。
背が高く金髪に近い茶髪で、毛色と同じ立派なあごひげがあります。
すると、その男性が僕に向かって頭を下げてきました。
「その黒髪、君がレオだな。ナンシー侯爵だ、母上を助けて頂き感謝する」
「えっ、あっ、ナンシー侯爵って!」
「そうだ、あのナンシー侯爵だ。コバルトブルーレイク直轄領で、息子が迷惑をかけた」
とっても厳格そうなナンシー侯爵さんだけど、今は複雑そうな表情をしていた。
自分の母親を助けたのが、自身の息子が迷惑をかけた僕なんだから。
僕もどうしようかなと思ったら、ギルバートさんが助け舟を出してくれました。
「ナンシー侯爵、レオ君が治療したとはいえ今は御母堂の体調を優先すべきだ。明後日ナンシー侯爵家のお茶会に呼ばれているので、その際に色々と話そう」
「商務大臣、お心遣いに感謝する。そのお茶会には私も出席予定だから、改めてお礼を言おう」
何でこの場にナンシー侯爵さんのおかあさんがいたのかも含めて、明後日話をする事になりました。
でも、無事におばあさんの治療が出来て僕とシロちゃんはホッとしています。
「おばあさん、お大事にして下さい」
「ええ、ありがとうね。明後日、会いましょうね」
こうして、僕たちは改めて王城の中を歩き始めました。
何だか色々あったけど、無事に全部終わって良かったです。
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