小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第六章 バーボルド伯爵領

第四百十一話 和やかな昼食

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 そして、ギルバートさんからの話は更に続きました。

「レオ君の勲章授与式も行われる。これは、一か月後を予定している。実は任期の関係でちょうど内務大臣が交代しているのでな、後任は決まっているからスムーズに決まるだろう」
「勲章の件は話を聞いていましたけど、なんだかもうお腹いっぱいです……」
「ははは、そりゃそうだろう。あと、レオ君に関わりのある貴族からお茶会の誘いが沢山来ている。調整しているから、順次行く事になるよ」

 何だか色々な事がいっぺんに言われて、僕は頭がぐるぐるしています。
 王都に行ったら、やる事がいっぱいなんだ。
 早く冒険者ギルドに行って、冒険者活動をしたいよ。

 コンコン。

「皆様、昼食のご用意ができました」
「おお、話し込んでしまったな」
「では参りましょうか」

 侍従が昼食ができたと教えてくれたので、僕たちはネストさんとギルバードさんが立ち上がったのを皮切りに次々と立ち上がりました。

「おにいさま、一緒に行こうね」
「アオン!」

 僕は、ニコニコ顔のクリスちゃんとこれまた昼食が食べられると聞いてニコニコのユキちゃんと一緒に手を繋いで食堂に向かいます。
 シロちゃんも、ユキちゃんの頭の上に乗って昼食を楽しみにしていますね。
 食堂に行っても、僕はクリスちゃんの隣に座りました。
 晩餐会ではないけど、ネストさんが飲み物を手にして立ち上がりました。

「国内を旅していた黒髪の魔術師が、ここバーボルド伯爵領でフランソワーズ公爵家と再会できた事を嬉しく思う。レオ君が、これからますます飛躍する事を願って乾杯とする。乾杯!」
「「「乾杯!」」」

 まだお昼なので、全員ジュースで乾杯します。
 さっそく、昼食を食べ始めました。

「おにいさま、とっても美味しいね」
「アオン!」
「うん、美味しいね。ほら、口の周りが汚れているよ」
「ありがとう!」
「アン!」

 僕はニコニコしながらお肉を食べるクリスちゃんの口を拭いてあげます。
 僕の反対側に座るユキちゃんの口も拭いてあげるけど、大人が侍従も含めてニヤニヤと僕の事を見ています。

「いやあ、レオ君はとっても世話が上手だね」
「ええ、そうですわね。クリスだけでなく、ユキちゃんの面倒もしっかりと見ていますわ。黒髪の天使様は動物も魔物も癒すという逸話は、どうやら本当のようですわ」
「全くだ。これだけ心が優しい子どもは珍しい」

 ギルバートさんとターニャさんは僕と周りにいる人の事を微笑ましく見ているけど、僕としては世話の焼ける妹って感じです。
 シロちゃんも、たまにクリスちゃんの肩に乗って口を拭いてあげていました。

「本当に仲が良いわね。二年ぶりの再会とは思えませんわ」
「あんなに仲が良いのを見ますと、こちらもほっこりとしますわ」

 イストワールさんとシャンティさんも、僕達を見てほっこりとしています。
 二年間会えていなかったのか、逆に良かったのかもしれないですね。
 ササッと昼食を食べ終えると、今度はクリスちゃんから質問がありました。

「おにいさま、どんな旅をしたの?」
「えーっと、道を直したり沢山の人を治療したり大きな船を作ったりしたよ。あと、お祭りでピンブローチを売ったり、釣りをしてお魚を釣ったよ」
「わあ、すごーいね」

 僕が旅であった事を話すと、クリスちゃんはニコニコが止まりません。
 他の人も、改めて僕の旅の話を聞いていました。
 こうして、とっても賑やかな昼食も終わります。
 いよいよ、王都に向けて出発ですね。
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