342 / 484
第六章 バーボルド伯爵領
第三百九十四話 街の治療院で治療をします
しおりを挟む
こうして無事に一週間を過ごし、また安息日になりました。
今日は炊き出しはないけど、イストワールさんと一緒に馬車に乗ってとあるところに向かいます。
「レオ君、安息日なのに付き合って貰って悪いわね」
「怪我をしている人がいるなら、僕は頑張って治療しますよ」
「アオン!」
馬車は、バーボルド伯爵領にある治療院に向かっています。
イストワールさんがバーボルド伯爵夫人として慰問に行くので、僕たちもついて行って治療する事になりました。
シロちゃんもユキちゃんも、頑張って治療すると張り切っていました。
「今日は、街の人も入院しているけど守備隊も入院しているのよ。前にも話をしたけど、常に多くの人が街を訪れるから守備隊員も警備や魔物の定期的な駆除と大変なのよ」
前にも街の守備隊を治療してくれと言われていたので、纏めて治療するのは全然大丈夫です。
そして、馬車は教会付属の治療院に到着し、僕達は馬車を降りて治療院の中に入っていきます。
すると、シスターさんが僕達を迎えてくれました。
「イストワール様、黒髪の天使様、お忙しい中治療院に着て頂きありがとうございます」
「いえいえ、こうして常日頃から街の人を治療頂き、私の方こそお礼を申さないといけませんわ」
おお、イストワールさんはまさに領主夫人といわんばかりの丁寧な対応をしているよ。
思わず、シロちゃんもユキちゃんも拍手していたよ。
そして、シスターさんの案内で僕達は病室に向かいました。
最初の病室では、ご老人が沢山入院していました。
ではでは、さっそく治療を始めましょう。
イストワールさんは、いつの間にかユキちゃんを抱っこしていました。
まだ回復魔法を使って日が浅いユキちゃんを補佐すると言っていました。
でも、ちゃっかりユキちゃんを抱きしめてもふもふしていますね。
シュイーン、ぴかー!
「これで、胸の痛みも良くなったと思いますよ」
「あらまあ、これは凄いわね。全く痛くないわよ」
僕は年配の女性の治療をしたけど、シロちゃんもユキちゃんも順調に治療を進めます。
重症患者がいないので、魔力もあまり使いません。
こうして、三十分で一部屋終了です。
「す、凄いスピードで治療していますわ。流石は黒髪の天使様です」
「えっ、そうですか? 確かに治療は早いかもしれないけど、普通にお喋りもしていますよ」
「はい、和やかに入院患者と話をしてこのスピードなので、私どもはとても驚いております」
治療は手早くするけど、お話も楽しいもんね。
イストワールさんもにこやかに患者と話をしていたし、ユキちゃんも良い笑顔でした。
こんな感じで、どんどんと治療を進めて行きます。
そして、今度は守備隊員が入院している部屋に移ります。
骨折とかが多いらしいけど、ユキちゃんなら大丈夫ですね。
ここで、入院している一人の守備隊員が僕達を見て不思議そうな表情をしていました。
「お、奥様? 今日は一般の方を先に治療するので、守備隊員まで治療できないと聞きましたが……」
「ええ、そうね。でも、既に街の人への治療は終えたわ」
「はっ? えっ?」
あっ、もしかしたら僕たちが街の人達よりも先に守備隊員のところに来たのかと思っていたかも。
そして、街の人は治療済みだと知ってぽかーんとしちゃったよ。
他の守備隊員も、ちょっと訳が分からないでいるね。
ではでは、さっそく治療を始めましょう。
シュイーン、ぴかー!
「はい、これで腕の骨折は良くなりましたよ。腰も良くなかったので、併せて治療しました」
「あっ、ありがとう。凄い魔法だ……」
僕は骨折している男性の守備隊員を治療したけど、物凄くビックリされちゃった。
でも、もっとビックリしているところがあります。
シュイーン、ぴかー!
「アオン!」
「お、奥様、このコボルトって先週守備隊が保護したものですよね? 何故回復魔法を……」
「うふふ、ユキちゃんはどうやら魔力がとても強いコボルトなのよ。レオ君と一緒に、強いコボルトを目指しているのよ」
「アン!」
「は、はあ……」
ユキチャンの治療を受けた守備隊員は、イストワールさんの話を聞いてもいまいち理解出来ていません。
その間に、僕とシロちゃんはドンドンと治療を進めていきます。
そして、お昼前には治療院にいる全員を治療しました。
やっぱりユキちゃんが加わると、治療の効率がグーンと上がるね。
「ではシスター、また参りますので」
「はっ、はい! 全員を治療頂き、感謝します!」
まさか午前中に全員の治療が終わるとは思わなかったのか、シスターさんもかなり戸惑った表情をしていた。
僕達は、治療がうまくいってとっても良い気分です。
そして、シスターさんの見送りを受けながら、僕達を乗せた馬車が出発しました。
パカパカパカ。
「今日は、ユキちゃんもとても頑張ったわ。ご褒美に、美味しいお肉を用意してあげるわね」
「アオーン!」
帰りもユキちゃんはイストワールさんに抱っこされていたけど、頑張ったご褒美も貰えてとってもご機嫌です。
やっぱり美味しいお肉は嬉しいよね。
因みに、僕たちにも美味しい昼食が待っていました。
今日は炊き出しはないけど、イストワールさんと一緒に馬車に乗ってとあるところに向かいます。
「レオ君、安息日なのに付き合って貰って悪いわね」
「怪我をしている人がいるなら、僕は頑張って治療しますよ」
「アオン!」
馬車は、バーボルド伯爵領にある治療院に向かっています。
イストワールさんがバーボルド伯爵夫人として慰問に行くので、僕たちもついて行って治療する事になりました。
シロちゃんもユキちゃんも、頑張って治療すると張り切っていました。
「今日は、街の人も入院しているけど守備隊も入院しているのよ。前にも話をしたけど、常に多くの人が街を訪れるから守備隊員も警備や魔物の定期的な駆除と大変なのよ」
前にも街の守備隊を治療してくれと言われていたので、纏めて治療するのは全然大丈夫です。
そして、馬車は教会付属の治療院に到着し、僕達は馬車を降りて治療院の中に入っていきます。
すると、シスターさんが僕達を迎えてくれました。
「イストワール様、黒髪の天使様、お忙しい中治療院に着て頂きありがとうございます」
「いえいえ、こうして常日頃から街の人を治療頂き、私の方こそお礼を申さないといけませんわ」
おお、イストワールさんはまさに領主夫人といわんばかりの丁寧な対応をしているよ。
思わず、シロちゃんもユキちゃんも拍手していたよ。
そして、シスターさんの案内で僕達は病室に向かいました。
最初の病室では、ご老人が沢山入院していました。
ではでは、さっそく治療を始めましょう。
イストワールさんは、いつの間にかユキちゃんを抱っこしていました。
まだ回復魔法を使って日が浅いユキちゃんを補佐すると言っていました。
でも、ちゃっかりユキちゃんを抱きしめてもふもふしていますね。
シュイーン、ぴかー!
「これで、胸の痛みも良くなったと思いますよ」
「あらまあ、これは凄いわね。全く痛くないわよ」
僕は年配の女性の治療をしたけど、シロちゃんもユキちゃんも順調に治療を進めます。
重症患者がいないので、魔力もあまり使いません。
こうして、三十分で一部屋終了です。
「す、凄いスピードで治療していますわ。流石は黒髪の天使様です」
「えっ、そうですか? 確かに治療は早いかもしれないけど、普通にお喋りもしていますよ」
「はい、和やかに入院患者と話をしてこのスピードなので、私どもはとても驚いております」
治療は手早くするけど、お話も楽しいもんね。
イストワールさんもにこやかに患者と話をしていたし、ユキちゃんも良い笑顔でした。
こんな感じで、どんどんと治療を進めて行きます。
そして、今度は守備隊員が入院している部屋に移ります。
骨折とかが多いらしいけど、ユキちゃんなら大丈夫ですね。
ここで、入院している一人の守備隊員が僕達を見て不思議そうな表情をしていました。
「お、奥様? 今日は一般の方を先に治療するので、守備隊員まで治療できないと聞きましたが……」
「ええ、そうね。でも、既に街の人への治療は終えたわ」
「はっ? えっ?」
あっ、もしかしたら僕たちが街の人達よりも先に守備隊員のところに来たのかと思っていたかも。
そして、街の人は治療済みだと知ってぽかーんとしちゃったよ。
他の守備隊員も、ちょっと訳が分からないでいるね。
ではでは、さっそく治療を始めましょう。
シュイーン、ぴかー!
「はい、これで腕の骨折は良くなりましたよ。腰も良くなかったので、併せて治療しました」
「あっ、ありがとう。凄い魔法だ……」
僕は骨折している男性の守備隊員を治療したけど、物凄くビックリされちゃった。
でも、もっとビックリしているところがあります。
シュイーン、ぴかー!
「アオン!」
「お、奥様、このコボルトって先週守備隊が保護したものですよね? 何故回復魔法を……」
「うふふ、ユキちゃんはどうやら魔力がとても強いコボルトなのよ。レオ君と一緒に、強いコボルトを目指しているのよ」
「アン!」
「は、はあ……」
ユキチャンの治療を受けた守備隊員は、イストワールさんの話を聞いてもいまいち理解出来ていません。
その間に、僕とシロちゃんはドンドンと治療を進めていきます。
そして、お昼前には治療院にいる全員を治療しました。
やっぱりユキちゃんが加わると、治療の効率がグーンと上がるね。
「ではシスター、また参りますので」
「はっ、はい! 全員を治療頂き、感謝します!」
まさか午前中に全員の治療が終わるとは思わなかったのか、シスターさんもかなり戸惑った表情をしていた。
僕達は、治療がうまくいってとっても良い気分です。
そして、シスターさんの見送りを受けながら、僕達を乗せた馬車が出発しました。
パカパカパカ。
「今日は、ユキちゃんもとても頑張ったわ。ご褒美に、美味しいお肉を用意してあげるわね」
「アオーン!」
帰りもユキちゃんはイストワールさんに抱っこされていたけど、頑張ったご褒美も貰えてとってもご機嫌です。
やっぱり美味しいお肉は嬉しいよね。
因みに、僕たちにも美味しい昼食が待っていました。
1,706
お気に入りに追加
5,475
あなたにおすすめの小説
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
何でも欲しがる妹が、私が愛している人を奪うと言い出しました。でもその方を愛しているのは、私ではなく怖い侯爵令嬢様ですよ?
柚木ゆず
ファンタジー
「ふ~ん。レナエルはオーガスティン様を愛していて、しかもわたくし達に内緒で交際をしていましたのね」
姉レナエルのものを何でも欲しがる、ニーザリア子爵家の次女ザラ。彼女はレナエルのとある寝言を聞いたことによりそう確信し、今まで興味がなかったテデファリゼ侯爵家の嫡男オーガスティンに好意を抱くようになりました。
「ふふ。貴方が好きな人は、もらいますわ」
そのためザラは自身を溺愛する両親に頼み、レナエルを自室に軟禁した上でアプローチを始めるのですが――。そういった事実はなく、それは大きな勘違いでした。
オーガスティンを愛しているのは姉レナエルではなく、恐ろしい性質を持った侯爵令嬢マリーで――。
※全体で見た場合恋愛シーンよりもその他のシーンが多いため、2月11日に恋愛ジャンルからファンタジージャンルへの変更を行わせていただきました(内容に変更はございません)。
身勝手な理由で婚約者を殺そうとした男は、地獄に落ちました【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「おい、アドレーラ。死んだか?」
私の婚約者であるルーパート様は、私を井戸の底へと突き落としてから、そう問いかけてきました。……ルーパート様は、長い間、私を虐待していた事実が明るみになるのを恐れ、私を殺し、すべてを隠ぺいしようとしたのです。
井戸に落ちたショックで、私は正気を失い、実家に戻ることになりました。心も体も元には戻らず、ただ、涙を流し続ける悲しい日々。そんなある日のこと、私の幼馴染であるランディスが、私の体に残っていた『虐待の痕跡』に気がつき、ルーパート様を厳しく問い詰めました。
ルーパート様は知らぬ存ぜぬを貫くだけでしたが、ランディスは虐待があったという確信を持ち、決定的な証拠をつかむため、特殊な方法を使う決意をしたのです。
そして、すべてが白日の下にさらされた時。
ルーパート様は、とてつもなく恐ろしい目にあうことになるのでした……
とんでもないモノを招いてしまった~聖女は召喚した世界で遊ぶ~
こもろう
ファンタジー
ストルト王国が国内に発生する瘴気を浄化させるために異世界から聖女を召喚した。
召喚されたのは二人の少女。一人は朗らかな美少女。もう一人は陰気な不細工少女。
美少女にのみ浄化の力があったため、不細工な方の少女は王宮から追い出してしまう。
そして美少女を懐柔しようとするが……
異世界に行ったら才能に満ち溢れていました
みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。
異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....
もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです
もきち
ファンタジー
私は男に肩を抱かれ、真横で婚約破棄を言い渡す瞬間に立ち会っている。
この位置って…もしかして私ってヒロインの位置じゃない?え、やだやだ。だってこの場合のヒロインって最終的にはざまぁされるんでしょうぉぉぉぉぉ
知らない間にヒロインになっていたアリアナ・カビラ
しがない男爵の末娘だったアリアナがなぜ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。