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第六章 バーボルド伯爵領
第三百八十八話 バッツさんと手合わせ
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翌日も、僕は朝から修繕部の倉庫に行って魔石への魔力充填作業を行います。
僕とシロちゃんの作業が早いそうなので、どんどんと魔力充填済の魔石が溜まっていきます。
それでも魔力が空っぽの魔石はまだまだ沢山あるので、今のペースで作業しても最低でも今週いっぱいは作業を続けるそうです。
僕もシロちゃんも、こういったちまちまとした作業は全く苦にならないので、できる範囲のペースで作業を進めます。
そして大食堂に行ってみんなで昼食を食べていたら、バッツさんがとある提案をしてきました。
「レオ、腹ごなしに剣を見てやろう。木剣は持っているな」
「持っていますけど、僕の木剣はダガータイプですよ」
「ははは、全然問題ないぞ。俺もずっと座っていると腰が張って辛いんだよな」
豪快に笑うバッツさんだけど、確かに僕もたまに体を動かさないと駄目だよね。
シロちゃんはスライムだから、腰がどこだか分からないもんね。
でも、勝手にグランドとかを使っても大丈夫なのかな?
「レオ君、食後の時間は訓練をしていなければグランドは使用しても問題はないよ。もちろん、グランドをぐちゃぐちゃにするのだけはやめてね」
「そういうこった。軽い運動をしている奴とか、結構な数がいるぞ」
マイスター師団長さんも特に問題ないって言ってくれたので、僕とシロちゃんはバッツさんと一緒に大食堂からグランドに向かいました。
すると、他の人もぞろぞろと僕たちの後についてきました。
何だか面白い物が見れるって、そんな声も聞こえてきます。
うーん、そんな凄い物を見せられるか僕は自信がないけどね。
そしてグランドに到着すると、確かに多くの人が体を動かしたり素振りをしたりしていました。
この後訓練があるので、準備運動をしている人も沢山いました。
そんな中、僕とバッツさんはお互いに木剣を構えます。
「レオ、最初は身体能力強化なしでかかってこい。思いっきり動いて良いぞ」
身体能力強化なしでどこまでできるか分からないけど、バッツさんに胸を借りるつもりで頑張ろう。
僕は木剣を構えて、バッツさんに向かって走っていきました。
カン、カン、カン。
「えい、やあ!」
「そうだ、どんどん遠慮なく打ち込んで来い。手加減なしでいいぞ」
バッツさんは僕の剣を余裕で受け止めているけど、僕は諦めずにどんどんと打ち込んでいきます。
毎日の型とは違って実線訓練なので、どこに打ち込めばいいかとても勉強になります。
そして、数分打ち込んだところで一旦休憩します。
周りから、「おおー」って声が聞こえました。
「年齢の割に良い剣だ。レオ、誰に剣を習ったか?」
「えっと、最初はセルカーク直轄領の守備隊の人に型を習いました。その後、サンダーランド辺境伯領で、紅の剣士のフレアさんと双剣のミシャさんに色々と教わりました」
「ははは、二つ名付きの冒険者に教わればそりゃ剣も上手くなるだろう」
色々な人に教わったから、僕も剣が上達したって思っています。
特に、ミシャさんの教え方はとってもためになりました。
すると、バッツさんがニヤリとしながら僕に言いました。
「レオ、今度は身体能力強化をかけて俺に打ち込んでこい。その代わりに、俺も身体能力強化をかけて打ち込んでいくぞ」
おお、今度はバッツさんも魔法を使って打ち込んでくるんだ。
僕ももっと頑張らないといけないね。
そして、改めてお互い木剣を構えました。
カンカンカンカン!
刹那、僕とバッツさんは一気に接近して激しく打ち合い始めました。
バッツさんはリーチを生かして遠距離からも打ち込んでくるので、僕もできるだけバッツさんの懐に入り込んで打ち込んでいきます。
でも、バッツさんはニヤリとしながらかなり余裕を持って僕の木剣を受け止めていました。
「えい、えい、やあ!」
「そうだそうだ、どんどんと打ち込んでこい!」
結構な速度でお互いが打ち込んでいるので、僕たちの周りにいる人も固唾を飲んで見守っていました。
グランドで準備運動をしている人も、手を止めて僕とバッツさんの手合わせを見ていました。
そして、数分間打ち込んだのち手合わせが終わりました。
周りからは、さっきよりももっと大きな「おおー」という声が聞こえてきました。
「はあはあはあ、バッツさんに全く太刀打ちできませんでした」
「ははは、そりゃそうだ。俺とレオじゃ、技術力が全く違うからな。レオがいくら早くても、いくらでも対処できるぞ」
やっぱりバッツさんは凄腕の剣士でした。
僕がどう打ち込んでも、バッツさんに全部受け止められそうでした。
身体能力強化魔法云々じゃなくて、剣技に圧倒的なレベル差がありました。
「レオ君は魔法使いとしては優秀だけど、冒険者として活躍するならもう少し剣技を頑張らないといけないね。バッツ、たまにレオ君に付き合ってくれるかい?」
「師団長、この位なら食後の運動にちょうど良いぞ。一か月でレオがどのくらい上達するか、俺も楽しみだ」
という事で、昼食後はバッツさんの手合わせに付き合う事になりました。
僕としても全く歯が立たなかったのがちょっと悔しいので、頑張って上達するようにしよう。
そして、バッツさんが周りにいた人に一言。
「一緒に付き合いたい奴は、いくらでも歓迎するぞ。最近なまってる奴が多いらしいからな」
ベッツさんが不敵な笑みを浮かべながら言うと、周りにいた人の大部分が顔を一斉に背けました。
どうもバッツさんが前線にいた頃は、鬼教官として有名だったそうです。
因みに、シロちゃんは強くなりたいので元気よく触手をあげていました。
僕とシロちゃんの作業が早いそうなので、どんどんと魔力充填済の魔石が溜まっていきます。
それでも魔力が空っぽの魔石はまだまだ沢山あるので、今のペースで作業しても最低でも今週いっぱいは作業を続けるそうです。
僕もシロちゃんも、こういったちまちまとした作業は全く苦にならないので、できる範囲のペースで作業を進めます。
そして大食堂に行ってみんなで昼食を食べていたら、バッツさんがとある提案をしてきました。
「レオ、腹ごなしに剣を見てやろう。木剣は持っているな」
「持っていますけど、僕の木剣はダガータイプですよ」
「ははは、全然問題ないぞ。俺もずっと座っていると腰が張って辛いんだよな」
豪快に笑うバッツさんだけど、確かに僕もたまに体を動かさないと駄目だよね。
シロちゃんはスライムだから、腰がどこだか分からないもんね。
でも、勝手にグランドとかを使っても大丈夫なのかな?
「レオ君、食後の時間は訓練をしていなければグランドは使用しても問題はないよ。もちろん、グランドをぐちゃぐちゃにするのだけはやめてね」
「そういうこった。軽い運動をしている奴とか、結構な数がいるぞ」
マイスター師団長さんも特に問題ないって言ってくれたので、僕とシロちゃんはバッツさんと一緒に大食堂からグランドに向かいました。
すると、他の人もぞろぞろと僕たちの後についてきました。
何だか面白い物が見れるって、そんな声も聞こえてきます。
うーん、そんな凄い物を見せられるか僕は自信がないけどね。
そしてグランドに到着すると、確かに多くの人が体を動かしたり素振りをしたりしていました。
この後訓練があるので、準備運動をしている人も沢山いました。
そんな中、僕とバッツさんはお互いに木剣を構えます。
「レオ、最初は身体能力強化なしでかかってこい。思いっきり動いて良いぞ」
身体能力強化なしでどこまでできるか分からないけど、バッツさんに胸を借りるつもりで頑張ろう。
僕は木剣を構えて、バッツさんに向かって走っていきました。
カン、カン、カン。
「えい、やあ!」
「そうだ、どんどん遠慮なく打ち込んで来い。手加減なしでいいぞ」
バッツさんは僕の剣を余裕で受け止めているけど、僕は諦めずにどんどんと打ち込んでいきます。
毎日の型とは違って実線訓練なので、どこに打ち込めばいいかとても勉強になります。
そして、数分打ち込んだところで一旦休憩します。
周りから、「おおー」って声が聞こえました。
「年齢の割に良い剣だ。レオ、誰に剣を習ったか?」
「えっと、最初はセルカーク直轄領の守備隊の人に型を習いました。その後、サンダーランド辺境伯領で、紅の剣士のフレアさんと双剣のミシャさんに色々と教わりました」
「ははは、二つ名付きの冒険者に教わればそりゃ剣も上手くなるだろう」
色々な人に教わったから、僕も剣が上達したって思っています。
特に、ミシャさんの教え方はとってもためになりました。
すると、バッツさんがニヤリとしながら僕に言いました。
「レオ、今度は身体能力強化をかけて俺に打ち込んでこい。その代わりに、俺も身体能力強化をかけて打ち込んでいくぞ」
おお、今度はバッツさんも魔法を使って打ち込んでくるんだ。
僕ももっと頑張らないといけないね。
そして、改めてお互い木剣を構えました。
カンカンカンカン!
刹那、僕とバッツさんは一気に接近して激しく打ち合い始めました。
バッツさんはリーチを生かして遠距離からも打ち込んでくるので、僕もできるだけバッツさんの懐に入り込んで打ち込んでいきます。
でも、バッツさんはニヤリとしながらかなり余裕を持って僕の木剣を受け止めていました。
「えい、えい、やあ!」
「そうだそうだ、どんどんと打ち込んでこい!」
結構な速度でお互いが打ち込んでいるので、僕たちの周りにいる人も固唾を飲んで見守っていました。
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そして、数分間打ち込んだのち手合わせが終わりました。
周りからは、さっきよりももっと大きな「おおー」という声が聞こえてきました。
「はあはあはあ、バッツさんに全く太刀打ちできませんでした」
「ははは、そりゃそうだ。俺とレオじゃ、技術力が全く違うからな。レオがいくら早くても、いくらでも対処できるぞ」
やっぱりバッツさんは凄腕の剣士でした。
僕がどう打ち込んでも、バッツさんに全部受け止められそうでした。
身体能力強化魔法云々じゃなくて、剣技に圧倒的なレベル差がありました。
「レオ君は魔法使いとしては優秀だけど、冒険者として活躍するならもう少し剣技を頑張らないといけないね。バッツ、たまにレオ君に付き合ってくれるかい?」
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そして、バッツさんが周りにいた人に一言。
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