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第六章 バーボルド伯爵領
第三百七十八話 歓迎会
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そして広間にネストさんとイストワールさんを先頭に来賓が入ってきました。
マイスター師団長さんもいるし、着ている制服からすると軍の関係者が殆どみたいですね。
「では、レオ君も前に行こうか」
「今日はレオ君が主役ですよ。先程のお礼も含めて、精一杯おもてなししますわ」
僕とシロちゃんも、ダンビルさんとシャンティさんと一緒にネストさん達の方に向かいます。
しかし、ネストさんを含めて周りにいる人は身長が高いから、イストワールさんの背の低さが際立っちゃっているよ。
それでも、イストワールさんは僕よりも全然背が高いけどね。
「レオ君、待たせてしまったな。しかし、改めて思ったが凄い勲章の数だな」
「ええ、そうですわね。とても立派に見えますわ」
ネストさんとイストワールさんは、僕の服の胸に付いている勲章の数に驚いていました。
僕も、いつの間にこんなに増えていたのかとビックリしています。
でも勲章をいっぱい貰って、服に勲章を付ける場所がなくなるのはちょっと違うよね。
さて、さっそくネストさんの挨拶が始まるので、来賓に飲み物が配られました。
僕もシロちゃんも、ジュースをおかわりします。
「それでは、黒髪の魔術師ことレオ君が我がバーボルド伯爵領に来たのを歓迎して乾杯をする。乾杯!」
「「「乾杯!」」」
ネストさんの乾杯の音頭で、僕の歓迎会が始まりました。
とはいっても、最初は色々な人と挨拶をしないといけません。
僕は、ネストさんの側について色々な人と挨拶をして簡単にお話をします。
「レオ君は、結構パーティー慣れしているね。私の感覚では、平民の子が貴族と話すとなると畏れ多いって思うのが結構いたのだよ」
「旅の途中で、貴族の方と話す機会が結構ありましたので……」
「なるほどな、是非ともレオ君と話したいと思う貴族は沢山いるだろう。そういう相手をしていたのだから、レオ君は幼いのにパーティーに慣れている訳か」
セルカーク直轄領にいた時から考えると、僕も本当に多くの貴族と知り合ったよなあ。
中には悪い貴族もいたけど、総じて良い人が多かったよね。
サンダーランド辺境伯領でマナーを勉強したのも、今日は上手くいっているかも。
「しかし改めて思うが、レオ君とセルカーク直轄領で初めて出会った時と比べて本当に大きくなった。まだ体も小さくて少し気弱な少年だったけど、こうして堂々とした振る舞いを見ると感慨深いものがあるよ」
「あの時は、まだ四歳になったばっかりでしたから。シロちゃんにも出会っていなくて、一人でしたし」
「そうだな。本当ならセルカーク直轄領で長く暮らしているはずが、こうして旅をする事になってしまったのだ。我々としても、その点は深く反省しないとならない」
マイスター師団長さんが僕を見てしみじみと話をしたけど、思い返せばセルカーク直轄領を出発したのももうそんなに前なんだ。
うーん、そういえばあの事はどうなったんだろうか?
僕は、思い切ってマイスター師団長さんに聞いてみました。
「マイスター師団長さん、その、僕の両親は……」
「レオ君の両親は、セルカーク直轄領の守備隊と軍の合同チームが捕縛したところまでは把握してる。だが、処分がどうなったかは現地に聞いてみないと分からないんだ。申し訳ないね」
そっか、マイスター師団長さんも両親がその後どうなったのか知らないんだ。
いまさら両親に会おうなんて思わないけど、どんな処分になったかは気になる。
いつかセルカーク直轄領に行って、どんな処分になったか聞いてみよう。
「レオ君、今はパーティーを楽しもう。特に、女性陣はレオ君の武勇伝を聞きたがっているはずだよ」
僕は、マイスター師団長さんに言われて「はっ」ってなっちゃいました。
そうだよね、今はパーティーだから楽しまないといけないよね。
僕は気合を入れ直して、心配してくれたシロちゃんと共にイストワールさんのところに向かいました。
マイスター師団長さんもいるし、着ている制服からすると軍の関係者が殆どみたいですね。
「では、レオ君も前に行こうか」
「今日はレオ君が主役ですよ。先程のお礼も含めて、精一杯おもてなししますわ」
僕とシロちゃんも、ダンビルさんとシャンティさんと一緒にネストさん達の方に向かいます。
しかし、ネストさんを含めて周りにいる人は身長が高いから、イストワールさんの背の低さが際立っちゃっているよ。
それでも、イストワールさんは僕よりも全然背が高いけどね。
「レオ君、待たせてしまったな。しかし、改めて思ったが凄い勲章の数だな」
「ええ、そうですわね。とても立派に見えますわ」
ネストさんとイストワールさんは、僕の服の胸に付いている勲章の数に驚いていました。
僕も、いつの間にこんなに増えていたのかとビックリしています。
でも勲章をいっぱい貰って、服に勲章を付ける場所がなくなるのはちょっと違うよね。
さて、さっそくネストさんの挨拶が始まるので、来賓に飲み物が配られました。
僕もシロちゃんも、ジュースをおかわりします。
「それでは、黒髪の魔術師ことレオ君が我がバーボルド伯爵領に来たのを歓迎して乾杯をする。乾杯!」
「「「乾杯!」」」
ネストさんの乾杯の音頭で、僕の歓迎会が始まりました。
とはいっても、最初は色々な人と挨拶をしないといけません。
僕は、ネストさんの側について色々な人と挨拶をして簡単にお話をします。
「レオ君は、結構パーティー慣れしているね。私の感覚では、平民の子が貴族と話すとなると畏れ多いって思うのが結構いたのだよ」
「旅の途中で、貴族の方と話す機会が結構ありましたので……」
「なるほどな、是非ともレオ君と話したいと思う貴族は沢山いるだろう。そういう相手をしていたのだから、レオ君は幼いのにパーティーに慣れている訳か」
セルカーク直轄領にいた時から考えると、僕も本当に多くの貴族と知り合ったよなあ。
中には悪い貴族もいたけど、総じて良い人が多かったよね。
サンダーランド辺境伯領でマナーを勉強したのも、今日は上手くいっているかも。
「しかし改めて思うが、レオ君とセルカーク直轄領で初めて出会った時と比べて本当に大きくなった。まだ体も小さくて少し気弱な少年だったけど、こうして堂々とした振る舞いを見ると感慨深いものがあるよ」
「あの時は、まだ四歳になったばっかりでしたから。シロちゃんにも出会っていなくて、一人でしたし」
「そうだな。本当ならセルカーク直轄領で長く暮らしているはずが、こうして旅をする事になってしまったのだ。我々としても、その点は深く反省しないとならない」
マイスター師団長さんが僕を見てしみじみと話をしたけど、思い返せばセルカーク直轄領を出発したのももうそんなに前なんだ。
うーん、そういえばあの事はどうなったんだろうか?
僕は、思い切ってマイスター師団長さんに聞いてみました。
「マイスター師団長さん、その、僕の両親は……」
「レオ君の両親は、セルカーク直轄領の守備隊と軍の合同チームが捕縛したところまでは把握してる。だが、処分がどうなったかは現地に聞いてみないと分からないんだ。申し訳ないね」
そっか、マイスター師団長さんも両親がその後どうなったのか知らないんだ。
いまさら両親に会おうなんて思わないけど、どんな処分になったかは気になる。
いつかセルカーク直轄領に行って、どんな処分になったか聞いてみよう。
「レオ君、今はパーティーを楽しもう。特に、女性陣はレオ君の武勇伝を聞きたがっているはずだよ」
僕は、マイスター師団長さんに言われて「はっ」ってなっちゃいました。
そうだよね、今はパーティーだから楽しまないといけないよね。
僕は気合を入れ直して、心配してくれたシロちゃんと共にイストワールさんのところに向かいました。
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