264 / 515
第五章 シークレア子爵領
第三百五十九話 次の旅の予定
しおりを挟む
年末に近づいてきたある日、僕は仕事終わりにお屋敷に呼ばれました。
一体何だろうなと思いつつ、僕はお風呂に入って着替えてから迎えに馬車に乗り込みました。
応接室に案内されると、セルゲイさんとアンジェラさんだけでなく海軍司令官のワイアットさんもいた。
余計に、何で呼ばれたのか分からなくなっちゃった。
とにかく話を聞いてみよう。
「忙しいところ、来てもらって悪かった。話というのは軍関連の事なんだよ」
「軍、ですか?」
「軍といっても海軍ではない。陸軍の方だ」
ワイアットさんが話し始めたけど、ワイアットさんは海軍司令官だから直接は陸軍とは関係ないはずだ。
でも、お話は陸軍の方なんだね。
「レオ君は年明けに王都に向けて出発する予定らしいけど、その際に王都周辺にあるバーボルド伯爵領に寄って欲しいそうだ。ここには王都周辺や直轄領の対応にあたる軍の一大駐屯地があり、以前レオ君とあったマイスター師団長もいるぞ」
「わあ、マイスター師団長さんもいるんですね」
「そこで、訓練場の整備や治療を手伝って欲しいそうだ。マイスター師団長も、レオ君に会いたいそうだ」
マイスター師団長さんに手紙を送ったりはしたけど、直接会うのはコバルトブルーレイク直轄領以来だ。
僕もシロちゃんも、なんだか嬉しくなっちゃったよ。
「でも、僕は年が明けて少ししてから王都に向けて出発する予定ですけど、それで大丈夫ですか?」
「大丈夫だろう。一ヶ月くらいは滞在して欲しいそうだが、今回はお願いベースだから強要はしないよ」
一ヶ月はいて欲しいということは、2月の終わりにはバーボルド伯爵領につかないといけない。
となると、シークレア子爵領からバーボルド伯爵領までどのくらいかかるんだろうか。
「ワイアットさん、シークレア子爵領からバーボルド伯爵領まで馬車便でどのくらいかかりますか?」
「大体四日でバーボルド伯爵領に着く。バーボルド伯爵領から王都までは、数時間もあれば到着するぞ」
思ったよりも早くバーボルド伯爵領に着くんだ。
だったら、今後の予定も立てやすいです。
「二月半ばにシークレア子爵領を出発すれば、問題なくバーボルド伯爵領に到着しますね」
「その日程で問題ないだろう。バーボルド伯爵領駐留軍に連絡しておこう」
という事で、まだ先だけど今後の予定が決まりました。
でも、いよいよまた旅が始まるんだね。
「しかし、旗艦船の建造どころか高速船の建造にまで取りかかれるとは、やはりレオ君の力はとても大きかった。職人も、小さい子に負けてられないとやる気を出していたぞ」
「僕も、職人さんの技術はとっても凄いって思いました」
「シークレア子爵領が誇る造船職人だからな。彼らの技術は、王国内でも国内随一だ」
僕とシロちゃんは材料を切るだけしかできなかったし、本当に職人さんは凄かったよね。
造船場の人はとっても良い人だったし、しっかりと分業もできていたからプロの技術者集団なんだ。
そんな事を思っていたら、今度はセルゲイさんから別の話がありました。
「あと数日で年が明けるが、年明けの元旦に海岸でイベントを毎年している。オリガさんなら詳しく知っていると思うけど、もし良かったら参加するとよい。ただ、朝早いがな」
海岸でイベントがあるんだ。
お祭りっぽいものなのかな?
宿に帰ったら、オリガさんに聞いてみないと。
ちょうどこれで話は終わったので、帰って速攻でオリガさんに聞いてみました。
「新年初めての日の出を見ながら、今年一年の海の安全を祈る祭りよ。日の出とともに、海の仕事に関わる人がパンツのみになって海に入っていくのよ。身を清めるみたいね」
えっ、パンツだけで海に入っていくの?
今は冬でとっても寒いから、海に入ったら凍えちゃいそうだよ。
「海から出てきたら、たき火にあたって温かいスープが出されるわ。それに、いつもザンちゃん達は参加するのよ。名物の祭りだから、観光客も沢山くるわ」
うん、ザンギエフさんたちなら寒いのも大丈夫そうに思えます。
ユリスさんも昔は参加していたらしいけど、流石に今は参加しないみたいです。
僕も巻き込まれない様に、他の人と一緒に観戦組にまわろおっと。
一体何だろうなと思いつつ、僕はお風呂に入って着替えてから迎えに馬車に乗り込みました。
応接室に案内されると、セルゲイさんとアンジェラさんだけでなく海軍司令官のワイアットさんもいた。
余計に、何で呼ばれたのか分からなくなっちゃった。
とにかく話を聞いてみよう。
「忙しいところ、来てもらって悪かった。話というのは軍関連の事なんだよ」
「軍、ですか?」
「軍といっても海軍ではない。陸軍の方だ」
ワイアットさんが話し始めたけど、ワイアットさんは海軍司令官だから直接は陸軍とは関係ないはずだ。
でも、お話は陸軍の方なんだね。
「レオ君は年明けに王都に向けて出発する予定らしいけど、その際に王都周辺にあるバーボルド伯爵領に寄って欲しいそうだ。ここには王都周辺や直轄領の対応にあたる軍の一大駐屯地があり、以前レオ君とあったマイスター師団長もいるぞ」
「わあ、マイスター師団長さんもいるんですね」
「そこで、訓練場の整備や治療を手伝って欲しいそうだ。マイスター師団長も、レオ君に会いたいそうだ」
マイスター師団長さんに手紙を送ったりはしたけど、直接会うのはコバルトブルーレイク直轄領以来だ。
僕もシロちゃんも、なんだか嬉しくなっちゃったよ。
「でも、僕は年が明けて少ししてから王都に向けて出発する予定ですけど、それで大丈夫ですか?」
「大丈夫だろう。一ヶ月くらいは滞在して欲しいそうだが、今回はお願いベースだから強要はしないよ」
一ヶ月はいて欲しいということは、2月の終わりにはバーボルド伯爵領につかないといけない。
となると、シークレア子爵領からバーボルド伯爵領までどのくらいかかるんだろうか。
「ワイアットさん、シークレア子爵領からバーボルド伯爵領まで馬車便でどのくらいかかりますか?」
「大体四日でバーボルド伯爵領に着く。バーボルド伯爵領から王都までは、数時間もあれば到着するぞ」
思ったよりも早くバーボルド伯爵領に着くんだ。
だったら、今後の予定も立てやすいです。
「二月半ばにシークレア子爵領を出発すれば、問題なくバーボルド伯爵領に到着しますね」
「その日程で問題ないだろう。バーボルド伯爵領駐留軍に連絡しておこう」
という事で、まだ先だけど今後の予定が決まりました。
でも、いよいよまた旅が始まるんだね。
「しかし、旗艦船の建造どころか高速船の建造にまで取りかかれるとは、やはりレオ君の力はとても大きかった。職人も、小さい子に負けてられないとやる気を出していたぞ」
「僕も、職人さんの技術はとっても凄いって思いました」
「シークレア子爵領が誇る造船職人だからな。彼らの技術は、王国内でも国内随一だ」
僕とシロちゃんは材料を切るだけしかできなかったし、本当に職人さんは凄かったよね。
造船場の人はとっても良い人だったし、しっかりと分業もできていたからプロの技術者集団なんだ。
そんな事を思っていたら、今度はセルゲイさんから別の話がありました。
「あと数日で年が明けるが、年明けの元旦に海岸でイベントを毎年している。オリガさんなら詳しく知っていると思うけど、もし良かったら参加するとよい。ただ、朝早いがな」
海岸でイベントがあるんだ。
お祭りっぽいものなのかな?
宿に帰ったら、オリガさんに聞いてみないと。
ちょうどこれで話は終わったので、帰って速攻でオリガさんに聞いてみました。
「新年初めての日の出を見ながら、今年一年の海の安全を祈る祭りよ。日の出とともに、海の仕事に関わる人がパンツのみになって海に入っていくのよ。身を清めるみたいね」
えっ、パンツだけで海に入っていくの?
今は冬でとっても寒いから、海に入ったら凍えちゃいそうだよ。
「海から出てきたら、たき火にあたって温かいスープが出されるわ。それに、いつもザンちゃん達は参加するのよ。名物の祭りだから、観光客も沢山くるわ」
うん、ザンギエフさんたちなら寒いのも大丈夫そうに思えます。
ユリスさんも昔は参加していたらしいけど、流石に今は参加しないみたいです。
僕も巻き込まれない様に、他の人と一緒に観戦組にまわろおっと。
1,653
お気に入りに追加
5,453
あなたにおすすめの小説
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
チート転生~チートって本当にあるものですね~
水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!!
そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。
亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。
リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。
そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。
そして予告なしに転生。
ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。
そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、
赤い鳥を仲間にし、、、
冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!?
スキルが何でも料理に没頭します!
超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。
合成語多いかも
話の単位は「食」
3月18日 投稿(一食目、二食目)
3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。