小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第五章 シークレア子爵領

第三百五十五話 調理道具を整えます

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 せっかく料理をするようになったので、調理道具を揃える事にしました。
 お鍋とかもポーション作りの物とは分けたほうがいいそうなので、専用の物を買いに行きます。

「じゃあ、ザンちゃん宜しくね」
「へーい」
「うふふ、返事はしっかりとね」
「はい!」

 オリガさんとザンギエフさんのいつもの親子のやり取りを見つつ、僕はザンギエフさんと商会に向かいます。
 またもや、ザンギエフさんはオリガさんから買い物リストを預かっていました。

「はあ、また重い物ばっかりリストに書いてあるぞ。レオの魔法袋に入れると、かーちゃん怒るからなあ」

 商会への道すがら、僕はザンギエフさんの呟きを聞いて思わず苦笑しちゃいました。
 というのも、以前買ったものを僕の魔法袋に入れて運んだら、オリガさんが小さい子に荷物運びさせてとザンギエフさんをめちゃくちゃ怒っていました。
 宿につく前まで魔法袋に入れたらと提案したんだけど、どこでオリガさんが見ているか分からないと言って断っていました。
 そんな事を話しながら、商会に到着です。

「いらっしゃいませ。あら、今日はデートではないんですか?」
「生憎とな。かーちゃんからの買い物リストだ。あと、レオが使う料理道具を見せて貰うぞ」
「畏まりました」

 店員さんがザンギエフさんに軽くジャブを入れていますけど、たまにザンギエフさん達とダリアさん達が一緒に街に遊びに行ったりしているんだって。
 仲が良くて、オリガさんもニンマリなんだってね。

「レオが小さいとしても、一人用は止めておいた方が良い。二、三人用位の少し大きめな方が、何かあった時に役に立つぞ」
「確かに、誰かと一緒にいる事も考えたら少し大きめの方が良いですね」
「そういう事だ。馬車旅でも、何かあったら野営する可能性があるぞ」

 色々な事を教えてくれながら、ザンギエフさんは料理道具を選んでくれました。
 フライパンに鍋もだし、包丁やまな板も用意します。
 切った物を入れるボウルや、ヘラなども買いました。
 もちろん、シロちゃんの分も買っていきます。

「ついでだから、野営で使えるものも買っていくか。レオは火魔法が使えるけど、念の為に火起こし道具もあった方が良いな。皮の手袋は、体が大きくなったら買い替えてくれ」

 水を入れる皮袋に、斧にナタも買っていきます。
 何とコンパクトで折りたたみの出来る調理用コンロもあるそうなので、それも買っていきます。
 スコップとかもあった方が良いんだって。
 買った物は、全部魔法袋とシロちゃんのアイテムボックスに入れます。
 色々な物を買うことが出来て、僕はとっても満足です。
 オリガさんからの買い物リスト分も、用意完了です。
 でも、相変わらず凄い量だなあ。
 大きな袋が三つもあるよ。

「ざ、ザンギエフさん大丈夫ですか?」
「重さは何ともないが、ひたすら量が多い。何でこんなにも量が多いんだよ……」

 体の大きいザンギエフさんが、両手で抱えるほどの荷物があります。
 でも、手伝っては駄目なのでここは我慢ですね。
 行きよりも少しゆっくり歩いて、商会から宿に戻りました。

「ただいま」
「帰ったぞ」
「あらあら、ご苦労さまね。荷物は受け取っちゃうわ」

 宿に帰ると、オリガさんが待ってましたって感じでザンギエフさんから荷物を受け取りました。
 凄いなあ、オリガさん軽々と荷物を運んでいるよ。

「僕も部屋に戻りますね。付き添ってくれてありがとうございます」
「おう。俺も、昼食まで部屋にいるわ。ちょっと疲れちまった」

 ザンギエフさんも、あれだけの荷物を運べば疲れちゃうよね。
 僕は、ザンギエフさんと別れて宿の部屋に戻りました。
 一休みしたら、買った物を改めて見てみないといけないね。
 でも、これで野営はバッチリです。
 外に泊まるのが、ちょっと楽しみになっちゃった。
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