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第五章 シークレア子爵領
第三百四十二話 今日は重症者の治療をします
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ビクターさんが実際に僕とシロちゃんがどんな治療をしているか見てみたいそうなので、翌日午後の軍の施設での治療はビクターさんが施設に到着してから行います。
僕は昼食を食べ終えたら、シロちゃんと一緒に軍の施設に向かいます。
「はい、お願いします」
「確認しました。どうぞ中に入って下さい」
僕とシロちゃんは、冒険者カードを門兵さんに確認して貰って軍の施設の中に入って行きます。
今日も沢山の海軍の人が忙しそうにしているのを横目で見ながら、僕は治療施設に入ります。
「レオ君、こんにちは」
「こんにちは、宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しくね。総司令官は、まだこちらに来ていないわ」
昨日僕とシロちゃんと治療施設内で一緒だった、治療担当の女性が僕を出迎えてくれました。
ビクターさんはまだ来ていないので、玄関から見える大部屋を覗き込みます。
「もう新しい人が入院しているんですね」
「ここのところの帝国との小競り合いで、寮内で療養している人も多いのよ。ベッドが午前中に全て空いたから、寮内で療養していた人が入ってきたのよ」
うーん、こんなに怪我人が多いのはちょっと問題だよね。
ポーションとかの供給は、十分なんだろうか?
「レオ、良い所に気がついたな。怪我人が多くて、船に積んであるポーションが一時的に不足した。今は、だいぶ供給が追いついてきたがな」
僕の後ろから、ビクターさんが部下を引き連れながら声をかけてきました。
一時的にポーションの需要が増えちゃったから、怪我人の治療が追いつかなくなっちゃったんだ。
今は改善しているって事なので、ひとまず安心です。
人が揃ったので、僕たちは三階の個室から治療する事になりました。
治療対象のリストに書いてあるけど、今日は三階の個室に入院している五名を治療します。
まずは、左腕を肘先から欠損している人です。
どうも、相手の剣で受けた傷が原因で切断しないとならなかったそうです。
昨日の治療施設全体にかけたエリアヒールで、欠損部以外の怪我は治っています。
「じゃあ、治療を始めます。魔力を溜め始めますね」
シュイン、シュイン、シュイン。
ベッドに横たわっている人を中心に、複数の魔法陣が展開しました。
ビクターさんたちが、何だか汗をかきながらビックリしていた。
「何だ、こ、この魔法陣の数は。とんでもないが、今まで見た魔法なんて比じゃないぞ」
どうも、僕とシロちゃんが魔力を溜めている時に発動した魔法陣の数にビックリしているんだね。
でも、昨日のエリアヒールの方が魔法陣の数は多かったんだよなあ。
「では、回復魔法をかけますね」
ぴかー!
怪我をしている人を中心に、眩しい光が個室を包み込みます。
魔法も手応えがあったけど、果たしてどうかな。
「そ、そんな馬鹿な。腕が生えているぞ」
「自分の生命力を複製して相手に与える聖魔法の特徴と、患者さん自身の回復力を高める回復魔法の特徴を上手く組み合わせてみました。聖魔法の力が必要なので、シロちゃんに助けて貰っています」
「原理は分かったが、そう簡単に目の前で実現されてしまうと戸惑うものがある」
ビクターさんだけでなく、部下の人も付き添いの女性もまだ目の前で起きたことを飲み込めていなかった。
でも、まだまだ治療しないといけないひとが沢山いるから、今度は隣の個室に向かいます。
「あっ、この人は右手の手首から先が無いんですね」
「この方も剣で受けた傷が元です」
船の戦いでも、剣で切り合うんだ。
だから、大怪我をしちゃうんだ。
とはいっても、さっきの人ほど魔力は使わないので、サクッと治療しちゃいましょう。
シュイン、シュイン、ぴかー!
「はい、これで大丈夫です。リハビリをしっかりとしないと駄目ですね」
「はっ、はい。伝えておきます」
うん、やっぱり身体能力強化の魔法の特訓のお陰で、魔力制御が上がっているよ。
この人も、以前より少ない魔力で治療できました。
こんな感じで、残りの人も治療していきました。
三十分で、三階の個室に入院していた重症者は全員治療完了です。
僕たちは、再び玄関に移動しました。
「こんな感じで、サンダーランド辺境伯領やディフェンダーズ伯爵領で兵の治療していました。無理をしないように、重症者は数人ずつですけど」
「帝国との前線が急に盛り返したと聞いていたが、これだけの治癒師がいれば納得だ。人に無理をさせなくて済むし、何よりも士気が違う」
僕もシロちゃんも無理をしないで治療していたけど、このくらいなら余裕で出来る様になりました。
やっぱり、怪我は早く治した方が良いよね。
「今週あと二日は、重症者の治療を進めます。来週初めに、また大部屋の人の治療を行います」
「その方針で問題ない。ははは、これだけの魔法使いだ、相手にしたくないな」
ビクターさんが僕の頭をポンポンとしていたけど、僕もあまり攻撃魔法は使いたくないんだよね。
やっぱり笑顔になって欲しいから、回復魔法や生活魔法とかを使うのが僕は好きだよ。
僕は昼食を食べ終えたら、シロちゃんと一緒に軍の施設に向かいます。
「はい、お願いします」
「確認しました。どうぞ中に入って下さい」
僕とシロちゃんは、冒険者カードを門兵さんに確認して貰って軍の施設の中に入って行きます。
今日も沢山の海軍の人が忙しそうにしているのを横目で見ながら、僕は治療施設に入ります。
「レオ君、こんにちは」
「こんにちは、宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しくね。総司令官は、まだこちらに来ていないわ」
昨日僕とシロちゃんと治療施設内で一緒だった、治療担当の女性が僕を出迎えてくれました。
ビクターさんはまだ来ていないので、玄関から見える大部屋を覗き込みます。
「もう新しい人が入院しているんですね」
「ここのところの帝国との小競り合いで、寮内で療養している人も多いのよ。ベッドが午前中に全て空いたから、寮内で療養していた人が入ってきたのよ」
うーん、こんなに怪我人が多いのはちょっと問題だよね。
ポーションとかの供給は、十分なんだろうか?
「レオ、良い所に気がついたな。怪我人が多くて、船に積んであるポーションが一時的に不足した。今は、だいぶ供給が追いついてきたがな」
僕の後ろから、ビクターさんが部下を引き連れながら声をかけてきました。
一時的にポーションの需要が増えちゃったから、怪我人の治療が追いつかなくなっちゃったんだ。
今は改善しているって事なので、ひとまず安心です。
人が揃ったので、僕たちは三階の個室から治療する事になりました。
治療対象のリストに書いてあるけど、今日は三階の個室に入院している五名を治療します。
まずは、左腕を肘先から欠損している人です。
どうも、相手の剣で受けた傷が原因で切断しないとならなかったそうです。
昨日の治療施設全体にかけたエリアヒールで、欠損部以外の怪我は治っています。
「じゃあ、治療を始めます。魔力を溜め始めますね」
シュイン、シュイン、シュイン。
ベッドに横たわっている人を中心に、複数の魔法陣が展開しました。
ビクターさんたちが、何だか汗をかきながらビックリしていた。
「何だ、こ、この魔法陣の数は。とんでもないが、今まで見た魔法なんて比じゃないぞ」
どうも、僕とシロちゃんが魔力を溜めている時に発動した魔法陣の数にビックリしているんだね。
でも、昨日のエリアヒールの方が魔法陣の数は多かったんだよなあ。
「では、回復魔法をかけますね」
ぴかー!
怪我をしている人を中心に、眩しい光が個室を包み込みます。
魔法も手応えがあったけど、果たしてどうかな。
「そ、そんな馬鹿な。腕が生えているぞ」
「自分の生命力を複製して相手に与える聖魔法の特徴と、患者さん自身の回復力を高める回復魔法の特徴を上手く組み合わせてみました。聖魔法の力が必要なので、シロちゃんに助けて貰っています」
「原理は分かったが、そう簡単に目の前で実現されてしまうと戸惑うものがある」
ビクターさんだけでなく、部下の人も付き添いの女性もまだ目の前で起きたことを飲み込めていなかった。
でも、まだまだ治療しないといけないひとが沢山いるから、今度は隣の個室に向かいます。
「あっ、この人は右手の手首から先が無いんですね」
「この方も剣で受けた傷が元です」
船の戦いでも、剣で切り合うんだ。
だから、大怪我をしちゃうんだ。
とはいっても、さっきの人ほど魔力は使わないので、サクッと治療しちゃいましょう。
シュイン、シュイン、ぴかー!
「はい、これで大丈夫です。リハビリをしっかりとしないと駄目ですね」
「はっ、はい。伝えておきます」
うん、やっぱり身体能力強化の魔法の特訓のお陰で、魔力制御が上がっているよ。
この人も、以前より少ない魔力で治療できました。
こんな感じで、残りの人も治療していきました。
三十分で、三階の個室に入院していた重症者は全員治療完了です。
僕たちは、再び玄関に移動しました。
「こんな感じで、サンダーランド辺境伯領やディフェンダーズ伯爵領で兵の治療していました。無理をしないように、重症者は数人ずつですけど」
「帝国との前線が急に盛り返したと聞いていたが、これだけの治癒師がいれば納得だ。人に無理をさせなくて済むし、何よりも士気が違う」
僕もシロちゃんも無理をしないで治療していたけど、このくらいなら余裕で出来る様になりました。
やっぱり、怪我は早く治した方が良いよね。
「今週あと二日は、重症者の治療を進めます。来週初めに、また大部屋の人の治療を行います」
「その方針で問題ない。ははは、これだけの魔法使いだ、相手にしたくないな」
ビクターさんが僕の頭をポンポンとしていたけど、僕もあまり攻撃魔法は使いたくないんだよね。
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