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第五章 シークレア子爵領
第三百四十一話 海軍の治療施設で治療します
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「おーい、レオ君。軍の人が来たよ」
僕とシロちゃんがトマトパスタを食べ終えて少ししたら、食堂のおばちゃんが僕に声をかけてくれた。
食堂のおばちゃんの方を見ると、ビクターさんといつも一緒にいる部下の人がやっていたよ。
「レオ君、お待たせ。やっぱり黒髪の魔術師は、トマトパスタが大好きなんだね」
「えっ、海軍の人も僕の好物を知っているんですか?」
「ははは。この国に住んでいる人なら、ほぼ全員レオ君の好物を知っているよ」
部下の人は、僕の頭を撫でながら凄い事を言ってきたよ。
思わず職人さんたちの方を見ると、ニヤリとしてきました。
うぅ、まさかそんなに僕の大好物が広まっているなんて、ちょっと恥ずかしいよ。
「さあ、軍の施設に行こう。といっても、隣の施設だけどね」
「こっちは気にするな。レオが午前中頑張ったお陰で、パーツが多くて大変だよ」
「レオは、レオの仕事を頑張れ」
僕は職人さんに見送られて、部下の人と一緒に軍の施設に向かいます。
造船場の門兵の人にも手を振って、お隣に向かいます。
「レオ君は、もう街の人に愛されているんだね」
「皆さんとっても良い人です。いつも、困ったら助けてくれます」
「きっと、レオ君の事を子どもや孫だと思っているのかもね。じゃあ、冒険者カードを門兵に見せてくれるかい?」
職人さんは仕事にも一生懸命だし、とっても気さくな人が多いよ。
僕は、軍の施設の門兵に冒険者カードを見せて中に入ります。
「わあ、とっても広いです! 専用の港まであるんですね」
「軍の施設は警備が厳重だから、一般の港と分けているんだ。簡単な船の修理なら、この港で行えるよ」
表現が難しいけど、まるで別の街が存在している様な気分になっちゃった。
食事をする施設に兵が泊まる宿舎もあって、何でも揃っちゃいそうだよ。
もちろん沢山の軍人さんがいて、とても賑わっていました。
そんな中、僕たちはとある三階建ての施設に入っていきます。
「ここが軍の治療施設だ。大部屋と個室に分かれている。大部屋に、軽症者が集まっているよ。まずは、軽症者を治療して欲しい」
「大部屋に軽症者が多いのは、他の治療院と一緒ですね」
「だが、この治療施設には全階に大部屋がある。結構な人数が、治療を受けているんだ」
うーん、小競り合いの影響で怪我人が多いんだ。
治療担当の人も忙しく動いているし、本当に大変なんだね。
よーし、ここは一気に治しちゃおう。
シロちゃんも、やろうってやる気になっているよ。
「すみません。一気に治しちゃって、ちゃんと治ったかシロちゃんと一緒に確認するでも良いですか?」
「えっ、この人数を一気に治す? もちろんできるなら良いが、本当に大丈夫なのか?」
部下の人は、ビックリしながら僕の事を見ています。
でも、僕とシロちゃんが一緒にやるエリアヒールなら、一気に建物全部にいる人の治療ができます。
僕は、頭の上に乗ったシロちゃんと一緒に魔力を溜め始めました。
シュイン、シュイン、シュイン。
「な、何だ。この数の魔法陣は」
部下の人だけでなく、治療担当の人も僕の周囲に現れた沢山の魔法陣にビックリしていました。
よーし、十分に魔力も溜まったし、エリアヒールを放ちます。
「いきまーす。えーい!」
ぴかー!
回復魔法の青い光と、聖魔法の黄色い光があたり一面を照らします。
うん、上手くいった感覚があります。
シロちゃんも、大丈夫みたいです。
「ふう。これで治療施設にいる人全員に回復と聖魔法の合体魔法をかけました。中等症までは治せたはずなので、直ぐに確認しますね」
「あっ、ああ……」
部下の人がビックリしている内に、治療担当の人と共に各部屋で治療を受けている人の様子を見に行きます。
シロちゃんは、治療担当の人が抱っこしてくれています。
「うん、骨折は良くなっていますね。リハビリ頑張って下さい」
「も、もしかして、あの黒髪の魔術師なのか? と、とんでもない魔法だったぞ」
ベッドに寝ていた人は、怪我が治った事よりも僕の魔法にビックリしていました。
でも、治療は上手くいったので、問題ないですね。
今日は確認する人が多いので、スピードモードで診ていきます。
「シロちゃん、一階の大部屋の人は大丈夫だったね」
「このスライム、物凄く優秀ですね……」
シロちゃん治療担当の女性の人は、シロちゃんを抱いたままビックリしていました。
このまま二階、三階の大部屋にいる人を確認して、今度は個室にいる人を確認します。
流石に手足の再生が必要な人は魔力が足りないので明日にまわして、中等症くらいの人で治りきっていない人を治療します。
エリアヒールのお陰で、殆ど治っているけどね。
三階、二階と個室を確認しながら降りていって、一階に到着です。
日々の訓練のお陰で、前よりも治療で使う魔力が節約出来ているよ。
そして、全ての個室を確認し終わった時でした。
「よお、レオ。やっているな。治療はこれからか?」
玄関に戻ると、ビクターさんが他の部下を引き連れて治療施設にやってきました。
どうもビクターさんは、これから治療をしようと思っているみたいですね。
「取り敢えず、今日の治療は終わりました。各階の大部屋にいる軽症者と個室にいる中等症の人は、もう退院できますよ。手足の再生が必要な人とかは、明日以降治療します」
「はっ? もう治療が終わった?」
僕がビクターさんに報告すると、ビクターさんだけでなく連れてきた部下の人もきょとんとしちゃいました。
「ほ、報告いたします。まずレオ君は、強力なエリアヒールで建物全体にいる者を治療しました。その後、各階の個室も含めて治療漏れがないかを確認しております。明日以降の治療者リストも、この様に出来上がっております」
「ああ、うん。分かった。つまりは、レオ君が黒髪の魔術師たる力を使って一気に治療をした訳だな」
「はっ、その通りになります」
僕と一緒にいてくれた部下の人がビクターさんに改めて報告すると、ビクターさんは何とか納得してくれました。
ビクターさんは、少し考えてから新たな指示を出しました。
「入院している者の退院が完了次第、宿舎療養中になっている者を入院させよ。レオは今日は終了で、明日また頼むぞ」
「「「はっ」」」
おお、ビクターさんがきりりとしながら部下に命令していて、とってもカッコいいよ。
部下の人も、直ぐに動き出しています。
「ビクターさん、また明日昼食を食べたら軍の施設に来ます」
「おお、分かった。いっぱい食べて、元気になってから来いよ」
僕はお役御免になったので、ビクターさん達に挨拶をして造船場に戻っていきます。
他にも怪我をした人がいるみたいだし、明日も頑張って治療しないとね。
「おや? レオか。随分と早いお帰りだな」
「今日治療できる分は頑張りました。二百人くらい治療しましたよ」
「おお、そうか。この前やった教会での治療と、大体同じ人数だな」
造船場に戻ると、モゾロフさんが僕とシロちゃんを出迎えてくれました。
モゾロフさんは教会での治療でも一緒だったし、人数を言っても普通にしていたよ。
さあ、お仕事頑張らないとね。
僕とシロちゃんがトマトパスタを食べ終えて少ししたら、食堂のおばちゃんが僕に声をかけてくれた。
食堂のおばちゃんの方を見ると、ビクターさんといつも一緒にいる部下の人がやっていたよ。
「レオ君、お待たせ。やっぱり黒髪の魔術師は、トマトパスタが大好きなんだね」
「えっ、海軍の人も僕の好物を知っているんですか?」
「ははは。この国に住んでいる人なら、ほぼ全員レオ君の好物を知っているよ」
部下の人は、僕の頭を撫でながら凄い事を言ってきたよ。
思わず職人さんたちの方を見ると、ニヤリとしてきました。
うぅ、まさかそんなに僕の大好物が広まっているなんて、ちょっと恥ずかしいよ。
「さあ、軍の施設に行こう。といっても、隣の施設だけどね」
「こっちは気にするな。レオが午前中頑張ったお陰で、パーツが多くて大変だよ」
「レオは、レオの仕事を頑張れ」
僕は職人さんに見送られて、部下の人と一緒に軍の施設に向かいます。
造船場の門兵の人にも手を振って、お隣に向かいます。
「レオ君は、もう街の人に愛されているんだね」
「皆さんとっても良い人です。いつも、困ったら助けてくれます」
「きっと、レオ君の事を子どもや孫だと思っているのかもね。じゃあ、冒険者カードを門兵に見せてくれるかい?」
職人さんは仕事にも一生懸命だし、とっても気さくな人が多いよ。
僕は、軍の施設の門兵に冒険者カードを見せて中に入ります。
「わあ、とっても広いです! 専用の港まであるんですね」
「軍の施設は警備が厳重だから、一般の港と分けているんだ。簡単な船の修理なら、この港で行えるよ」
表現が難しいけど、まるで別の街が存在している様な気分になっちゃった。
食事をする施設に兵が泊まる宿舎もあって、何でも揃っちゃいそうだよ。
もちろん沢山の軍人さんがいて、とても賑わっていました。
そんな中、僕たちはとある三階建ての施設に入っていきます。
「ここが軍の治療施設だ。大部屋と個室に分かれている。大部屋に、軽症者が集まっているよ。まずは、軽症者を治療して欲しい」
「大部屋に軽症者が多いのは、他の治療院と一緒ですね」
「だが、この治療施設には全階に大部屋がある。結構な人数が、治療を受けているんだ」
うーん、小競り合いの影響で怪我人が多いんだ。
治療担当の人も忙しく動いているし、本当に大変なんだね。
よーし、ここは一気に治しちゃおう。
シロちゃんも、やろうってやる気になっているよ。
「すみません。一気に治しちゃって、ちゃんと治ったかシロちゃんと一緒に確認するでも良いですか?」
「えっ、この人数を一気に治す? もちろんできるなら良いが、本当に大丈夫なのか?」
部下の人は、ビックリしながら僕の事を見ています。
でも、僕とシロちゃんが一緒にやるエリアヒールなら、一気に建物全部にいる人の治療ができます。
僕は、頭の上に乗ったシロちゃんと一緒に魔力を溜め始めました。
シュイン、シュイン、シュイン。
「な、何だ。この数の魔法陣は」
部下の人だけでなく、治療担当の人も僕の周囲に現れた沢山の魔法陣にビックリしていました。
よーし、十分に魔力も溜まったし、エリアヒールを放ちます。
「いきまーす。えーい!」
ぴかー!
回復魔法の青い光と、聖魔法の黄色い光があたり一面を照らします。
うん、上手くいった感覚があります。
シロちゃんも、大丈夫みたいです。
「ふう。これで治療施設にいる人全員に回復と聖魔法の合体魔法をかけました。中等症までは治せたはずなので、直ぐに確認しますね」
「あっ、ああ……」
部下の人がビックリしている内に、治療担当の人と共に各部屋で治療を受けている人の様子を見に行きます。
シロちゃんは、治療担当の人が抱っこしてくれています。
「うん、骨折は良くなっていますね。リハビリ頑張って下さい」
「も、もしかして、あの黒髪の魔術師なのか? と、とんでもない魔法だったぞ」
ベッドに寝ていた人は、怪我が治った事よりも僕の魔法にビックリしていました。
でも、治療は上手くいったので、問題ないですね。
今日は確認する人が多いので、スピードモードで診ていきます。
「シロちゃん、一階の大部屋の人は大丈夫だったね」
「このスライム、物凄く優秀ですね……」
シロちゃん治療担当の女性の人は、シロちゃんを抱いたままビックリしていました。
このまま二階、三階の大部屋にいる人を確認して、今度は個室にいる人を確認します。
流石に手足の再生が必要な人は魔力が足りないので明日にまわして、中等症くらいの人で治りきっていない人を治療します。
エリアヒールのお陰で、殆ど治っているけどね。
三階、二階と個室を確認しながら降りていって、一階に到着です。
日々の訓練のお陰で、前よりも治療で使う魔力が節約出来ているよ。
そして、全ての個室を確認し終わった時でした。
「よお、レオ。やっているな。治療はこれからか?」
玄関に戻ると、ビクターさんが他の部下を引き連れて治療施設にやってきました。
どうもビクターさんは、これから治療をしようと思っているみたいですね。
「取り敢えず、今日の治療は終わりました。各階の大部屋にいる軽症者と個室にいる中等症の人は、もう退院できますよ。手足の再生が必要な人とかは、明日以降治療します」
「はっ? もう治療が終わった?」
僕がビクターさんに報告すると、ビクターさんだけでなく連れてきた部下の人もきょとんとしちゃいました。
「ほ、報告いたします。まずレオ君は、強力なエリアヒールで建物全体にいる者を治療しました。その後、各階の個室も含めて治療漏れがないかを確認しております。明日以降の治療者リストも、この様に出来上がっております」
「ああ、うん。分かった。つまりは、レオ君が黒髪の魔術師たる力を使って一気に治療をした訳だな」
「はっ、その通りになります」
僕と一緒にいてくれた部下の人がビクターさんに改めて報告すると、ビクターさんは何とか納得してくれました。
ビクターさんは、少し考えてから新たな指示を出しました。
「入院している者の退院が完了次第、宿舎療養中になっている者を入院させよ。レオは今日は終了で、明日また頼むぞ」
「「「はっ」」」
おお、ビクターさんがきりりとしながら部下に命令していて、とってもカッコいいよ。
部下の人も、直ぐに動き出しています。
「ビクターさん、また明日昼食を食べたら軍の施設に来ます」
「おお、分かった。いっぱい食べて、元気になってから来いよ」
僕はお役御免になったので、ビクターさん達に挨拶をして造船場に戻っていきます。
他にも怪我をした人がいるみたいだし、明日も頑張って治療しないとね。
「おや? レオか。随分と早いお帰りだな」
「今日治療できる分は頑張りました。二百人くらい治療しましたよ」
「おお、そうか。この前やった教会での治療と、大体同じ人数だな」
造船場に戻ると、モゾロフさんが僕とシロちゃんを出迎えてくれました。
モゾロフさんは教会での治療でも一緒だったし、人数を言っても普通にしていたよ。
さあ、お仕事頑張らないとね。
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