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第五章 シークレア子爵領
第三百三十一話 海軍総司令官
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着替えが終わったタイミングで、お屋敷から迎えの馬車が宿に到着しました。
僕とザンギエフさんは、迎えの馬車に乗り込みます。
「ザンちゃん、レオ君、気をつけてね」
「お兄ちゃん、ちゃんとレオ君を守るのよ」
僕たちは、オリガさんとナディアさんに見送られながら宿を出発します。
といっても、宿からあっという間にお屋敷に到着です。
僕たちは、直ぐに応接室に案内されました。
応接室にはセルゲイさんとアンジェラさんに、ワイアットさんもいます。
更にもう一人見知らぬ男性がいました。
ザンギエフさんに負けず劣らずの筋肉ムキムキに加えて金髪を短髪にしている人で、立派な口ひげとあごひげも生えています。
「やあ、レオ君、ザンギエフ、仕事帰りに寄って貰って悪いな」
「今日は、お客様をお二人に紹介したいと思いましてお呼びしたのですわ」
セルゲイさんとアンジェラさんが僕たちを呼んだわけは、初めて会う人を紹介する為なんだ。
さっそく自己紹介をします。
「初めまして、僕はレオです。このスライムは、シロちゃんです」
「俺は冒険者兼宿の従業員のザンギエフだ。今は、レオのお守りもしている」
「ふむ、中々礼儀正しいな。私はビクター・ホルバー伯爵だ。海軍総司令官もしている。ワイアットの上司にあたるぞ」
おお、ビクターさんはワイアットさんの上司なんだ。
軍人さんだから、筋肉ムキムキなんだね。
「まずは、海軍を代表して礼を言う。この度の軍船作りに協力頂き感謝する。お陰で、予定よりもかなり早く旗艦船の就航ができそうだ」
「僕だけでなく、ザンギエフさんや職人さんも頑張っているので早くお船が出来ると思います」
「はは、そうだな。一人の功績だけでなく、多くの人が携わるからこそ巨大船が出来るという訳だ。レオは幼いのに、その事をよく分かっている」
荒海一家の脅威も殆どなくなったので、軍の造船所はフル回転で動いています。
僕とシロちゃんは木材や鉄板を沢山切る事しかできないから、やっぱりザンギエフさんや職人さんの力は大きいよね。
すると、ビクターさんは一枚の手紙を僕に差し出しました。
「これは、フランソワーズ公爵家から渡されたものだ。フランソワーズ公爵家が、俺が王都からシークレア子爵領に行くと知ったのでな」
「ありがとうございます。その、さっそく開けてみても良いですか?」
「その手紙はレオ宛だ。好きにすれば良い」
僕はさっそく手紙を開いて中身を見ました。
ターニャさんだけでなく、フランソワーズ公爵本人からも僕にお礼が書いてあったよ。
王都に来たら、是非招待したいと書いてあるよ。
「あっ、クリスちゃんも手紙を書いてくれたんだ。頑張って書いたんだね」
「レオ、もしかしてコバルトブルーレイク直轄領で治療した公爵家令嬢の事か?」
「あっ、はい、そうです。僕の二歳下で、とっても可愛い女の子です」
「そっか……レオには既に嫁さん候補がいるのか……」
あれ?
クリスちゃんの事を話したら、何故かザンギエフさんがずーんって暗くなっちゃったよ。
うーん、何かあったのかな?
「ははは、レオにはまだ分からない事だな。それにしても、ザンギエフも大きくなったな」
「そ、総司令官、俺の事を知っているんですか?」
「この街に関わりのある者は、全員オリガとその子どもを知っている。街中を走り回っていた子どものザンギエフや兄弟を、視察に来る度に見ていたぞ」
おお、今度はザンギエフさんがビクターさんを超ビックリな表情で見ていたよ。
開いた口が塞がらないって、まさにこの事なんだ。
まさか、物凄く偉い人に自分の小さい頃の姿を見られていたとは思わなかったんだろうね。
あっ、そうだ。
ビクターさんに確認しないといけないことがあるよ。
「ビクターさん、フランソワーズ公爵家に返信を書きたいんですけどどうすれば良いですか?」
「うむ、そうだな。返信だったら、シークレア子爵家に頼むのが良い。王都にあるシークレア子爵家の屋敷から、フランソワーズ公爵家に手紙が届けられるだろう」
「私もフランソワーズ公爵家に一筆したためよう。レオ君の事を書かないとならないな」
セルゲイさんも手紙を書くそうなので、僕の手紙が出来上がったらお屋敷に届けよう。
ふふ、ちょっと楽しみができたなあ。
「俺は、最低でも一ヶ月はシークレア子爵領にいる。明日、さっそく造船所に顔を出そう。その後は、たっぷりと部下をしごいてやらんとな」
ビクターさんがニヤリとワイアットさんの事を見ていたけど、取り敢えず明日はビクターさんが造船所に来るんだ。
それなら、僕とシロちゃんも頑張って働かないとね。
こうして和やかにお話は進んで、夕食までご馳走になっちゃいました。
夕食の間中みんながザンギエフさん達の小さい頃の話をしていて、その度にザンギエフさんが思わず小さくなっちゃいました。
僕とザンギエフさんは、迎えの馬車に乗り込みます。
「ザンちゃん、レオ君、気をつけてね」
「お兄ちゃん、ちゃんとレオ君を守るのよ」
僕たちは、オリガさんとナディアさんに見送られながら宿を出発します。
といっても、宿からあっという間にお屋敷に到着です。
僕たちは、直ぐに応接室に案内されました。
応接室にはセルゲイさんとアンジェラさんに、ワイアットさんもいます。
更にもう一人見知らぬ男性がいました。
ザンギエフさんに負けず劣らずの筋肉ムキムキに加えて金髪を短髪にしている人で、立派な口ひげとあごひげも生えています。
「やあ、レオ君、ザンギエフ、仕事帰りに寄って貰って悪いな」
「今日は、お客様をお二人に紹介したいと思いましてお呼びしたのですわ」
セルゲイさんとアンジェラさんが僕たちを呼んだわけは、初めて会う人を紹介する為なんだ。
さっそく自己紹介をします。
「初めまして、僕はレオです。このスライムは、シロちゃんです」
「俺は冒険者兼宿の従業員のザンギエフだ。今は、レオのお守りもしている」
「ふむ、中々礼儀正しいな。私はビクター・ホルバー伯爵だ。海軍総司令官もしている。ワイアットの上司にあたるぞ」
おお、ビクターさんはワイアットさんの上司なんだ。
軍人さんだから、筋肉ムキムキなんだね。
「まずは、海軍を代表して礼を言う。この度の軍船作りに協力頂き感謝する。お陰で、予定よりもかなり早く旗艦船の就航ができそうだ」
「僕だけでなく、ザンギエフさんや職人さんも頑張っているので早くお船が出来ると思います」
「はは、そうだな。一人の功績だけでなく、多くの人が携わるからこそ巨大船が出来るという訳だ。レオは幼いのに、その事をよく分かっている」
荒海一家の脅威も殆どなくなったので、軍の造船所はフル回転で動いています。
僕とシロちゃんは木材や鉄板を沢山切る事しかできないから、やっぱりザンギエフさんや職人さんの力は大きいよね。
すると、ビクターさんは一枚の手紙を僕に差し出しました。
「これは、フランソワーズ公爵家から渡されたものだ。フランソワーズ公爵家が、俺が王都からシークレア子爵領に行くと知ったのでな」
「ありがとうございます。その、さっそく開けてみても良いですか?」
「その手紙はレオ宛だ。好きにすれば良い」
僕はさっそく手紙を開いて中身を見ました。
ターニャさんだけでなく、フランソワーズ公爵本人からも僕にお礼が書いてあったよ。
王都に来たら、是非招待したいと書いてあるよ。
「あっ、クリスちゃんも手紙を書いてくれたんだ。頑張って書いたんだね」
「レオ、もしかしてコバルトブルーレイク直轄領で治療した公爵家令嬢の事か?」
「あっ、はい、そうです。僕の二歳下で、とっても可愛い女の子です」
「そっか……レオには既に嫁さん候補がいるのか……」
あれ?
クリスちゃんの事を話したら、何故かザンギエフさんがずーんって暗くなっちゃったよ。
うーん、何かあったのかな?
「ははは、レオにはまだ分からない事だな。それにしても、ザンギエフも大きくなったな」
「そ、総司令官、俺の事を知っているんですか?」
「この街に関わりのある者は、全員オリガとその子どもを知っている。街中を走り回っていた子どものザンギエフや兄弟を、視察に来る度に見ていたぞ」
おお、今度はザンギエフさんがビクターさんを超ビックリな表情で見ていたよ。
開いた口が塞がらないって、まさにこの事なんだ。
まさか、物凄く偉い人に自分の小さい頃の姿を見られていたとは思わなかったんだろうね。
あっ、そうだ。
ビクターさんに確認しないといけないことがあるよ。
「ビクターさん、フランソワーズ公爵家に返信を書きたいんですけどどうすれば良いですか?」
「うむ、そうだな。返信だったら、シークレア子爵家に頼むのが良い。王都にあるシークレア子爵家の屋敷から、フランソワーズ公爵家に手紙が届けられるだろう」
「私もフランソワーズ公爵家に一筆したためよう。レオ君の事を書かないとならないな」
セルゲイさんも手紙を書くそうなので、僕の手紙が出来上がったらお屋敷に届けよう。
ふふ、ちょっと楽しみができたなあ。
「俺は、最低でも一ヶ月はシークレア子爵領にいる。明日、さっそく造船所に顔を出そう。その後は、たっぷりと部下をしごいてやらんとな」
ビクターさんがニヤリとワイアットさんの事を見ていたけど、取り敢えず明日はビクターさんが造船所に来るんだ。
それなら、僕とシロちゃんも頑張って働かないとね。
こうして和やかにお話は進んで、夕食までご馳走になっちゃいました。
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