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第五章 シークレア子爵領
第三百十八話 みんなで男の子のお家に行きます
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そして無事にお仕事も終わり、いよいよ荒海一家へ反撃するタイミングになりました。
既に支度を整えている人もいますね。
「子ども達の所には、レオがついてくれ。俺とモゾロフがレオと一緒に動く。シロちゃんは、ゲンナジーとヒョードルとともに奴のアジトに向かってくれ」
「「「おう!」」」
今日の宿のお手伝いだったモゾロフさんも、造船所に来ています。
というか、皆さん武器を持っていないけど大丈夫なのかな?
「ははは、この鍛え抜いた体が武器だ。ひょろひょろな奴らの剣なんて、俺達には意味ないぞ」
「「「そーだ!」」」
ザンギエフさんの言葉に、造船所の職人さんが答えていました。
確かに、みんな筋肉ムキムキマッチョなんだよね。
という事で、戦力を分散して動きます。
「坊主、大丈夫だ。俺らが奴らをボコボコにしてやるぞ」
「うん、僕はかーちゃんを守るよ」
「そうだぞ。まずは身内を優先して守れよ」
モゾロフさんが、男の子の頭を撫でていました。
ここは、男の子達にも頑張って貰わないとね。
守備隊も既に男の子の家とアジトを監視しているらしく、いつでもオッケーだそうです。
という事で、ザンギエフさんが男の子の後をついて行くそうなので、僕たちは先回りして男の子の家に向かいます。
ざっ、ざっ、ざっ。
「ここは簡易的なお家が多いんですね」
「スラム街だからな。簡単な家が多いんだよ」
男の子達の家の付近にやってきたけど、ボロボロの家が多いなあ。
これが話に聞いたスラム街なんだ。
確かに、この環境はどうにかしないといけないね。
その中の一つのお家に入ります。
「あっ、前に見たおっちゃんだ!」
「おう、元気だったか?」
「元気だよ! 今日はいっぱい人が来ているね」
職人さんの一人が家の中にいた女の子と気さくに話をしているけど、前に男の子のお家の確認にきたそうです。
僕たちの姿を見ても、職人さんのお友達って思っているみたいだね。
「でもね、おかーさん元気ないの……」
「そっか、それは大変だな」
「うん……」
女の子の顔がくもっちゃったけど、お母さんの容態は良くないんだ。
あまり大勢で行っても迷惑になっちゃうので、僕と職人さんと守備隊の人の三人でお母さんが寝ている部屋に向かいます。
「お母さん、お兄ちゃんの働いているところの人が来たよ!」
「あらあらまあまあ、ゴホッ、皆さんお揃いで、ゴホゴホ」
女の子が僕達を部屋に案内してくれたけど、お母さんは痩せ細っていて顔色もとても悪く、一目見て重症だと分かった。
職人さんと守備隊の人もお母さんの様子を見てビックリしていたけど、お互いに顔を見合わせてこくりと頷きました。
「お母さん、お久しぶりです」
「ええ、お久しぶりです。ゴホゴホ」
「お体が辛そうですね。今日は、凄腕の治癒師を連れてきました」
「ゴホゴホ、治癒師?」
職人さんがお母さんに話しかけていたけど、ここは僕の出番ですね。
職人さんも、僕の事を手招きしました。
「初めまして、僕はレオです。一緒に造船所で働いています」
「まあ、こんなに小さいのにね。ゴホッ」
「僕は治癒師なので、お母さんの治療をしますね」
シュイン。
僕は、お母さんに鑑定魔法を使ってどんな状態か調べました。
すると、とんでもない事実が発覚しました。
僕は職人さんと守備隊の人を手招きして呼び寄せました。
女の子とお母さんに、詳細な病状を聞かれない様にする為です。
「お母さん、肺炎もあったんですけど毒にも冒されていました」
「「毒?!」」
職人さんと守備隊の人は、とんでもなくビックリしています。
でも、僕はザンギエフさんと事前に話をして何かあるんじゃないかなと思ったんだ。
「ねえ、いつもお母さんが飲んでいる薬を見せてくれるかな?」
「うん、いーよ。これだよ」
僕は、女の子に頼んでお母さんが飲んでいる薬の空き瓶を受け取りました。
シュイン。
そして、空き瓶を素早く鑑定を行なうとやっぱりの結果が待っていました。
僕は職人さんと守備隊の人にこくりと頷き、職人さんと守備隊の人もこくりと頷きました。
薬と言いつつ、中身には毒が入っていたんです。
僕は魔法袋から毒消しポーションを取り出し、お母さんに手渡しました。
「これは特製のポーションです。今までのお薬よりも格段に良くなりますよ」
「まあ、ありがとうね。こくこく」
お母さんは毒消しポーションを全て飲みほし、直ぐに僕は鑑定を行いました。
うん、毒の表示が消えていますね。
続いて、回復魔法をかけます。
シュイン、ぴかー。
「わあ、魔法だ。凄い凄い!」
「まあ、体が軽くなったわ。レオ君、ありがとうね」
「でもまだ完調じゃないので、ゆっくり休んで下さいね」
まずはこれで大丈夫だけど、シロちゃんと一緒の魔法をかけた方が良いみたいだ。
でも今できる事はここまでだし、安静にしないといけないね。
僕と職人さんと守備隊の人は、お母さんが寝ている部屋から出ていきました。
「おっ、出てきたな。どうだった?」
「荒海一家の奴、薬と偽って毒を飲ませていたぞ」
「僕一人では完治できませんでした。シロちゃんと一緒じゃないと、完治は無理ですね」
「「「はあ?」」」
集まっていた職人さんと守備隊の人が、思わず声を荒げていました。
毒を飲ませていたのと、僕一人では治せなかったという事実です。
僕は、魔法袋から毒消しポーションと普通のポーションを二つずつ取り出しました。
「これを、他の二人の男の子の家に持って行ってお母さんに飲ませて下さい。後ほど、僕とシロちゃんの魔法で治療します」
「おう、任せておけ。手分けして治療して、そのまま待機するぞ」
「これで、ますます荒海一家に怒りを覚えたぞ」
毒消しポーションとポーションを手にした職人さんと守備隊の人が、手分けして残りの家に行きました。
今回の件、僕も滅茶苦茶怒っていますよ。
既に支度を整えている人もいますね。
「子ども達の所には、レオがついてくれ。俺とモゾロフがレオと一緒に動く。シロちゃんは、ゲンナジーとヒョードルとともに奴のアジトに向かってくれ」
「「「おう!」」」
今日の宿のお手伝いだったモゾロフさんも、造船所に来ています。
というか、皆さん武器を持っていないけど大丈夫なのかな?
「ははは、この鍛え抜いた体が武器だ。ひょろひょろな奴らの剣なんて、俺達には意味ないぞ」
「「「そーだ!」」」
ザンギエフさんの言葉に、造船所の職人さんが答えていました。
確かに、みんな筋肉ムキムキマッチョなんだよね。
という事で、戦力を分散して動きます。
「坊主、大丈夫だ。俺らが奴らをボコボコにしてやるぞ」
「うん、僕はかーちゃんを守るよ」
「そうだぞ。まずは身内を優先して守れよ」
モゾロフさんが、男の子の頭を撫でていました。
ここは、男の子達にも頑張って貰わないとね。
守備隊も既に男の子の家とアジトを監視しているらしく、いつでもオッケーだそうです。
という事で、ザンギエフさんが男の子の後をついて行くそうなので、僕たちは先回りして男の子の家に向かいます。
ざっ、ざっ、ざっ。
「ここは簡易的なお家が多いんですね」
「スラム街だからな。簡単な家が多いんだよ」
男の子達の家の付近にやってきたけど、ボロボロの家が多いなあ。
これが話に聞いたスラム街なんだ。
確かに、この環境はどうにかしないといけないね。
その中の一つのお家に入ります。
「あっ、前に見たおっちゃんだ!」
「おう、元気だったか?」
「元気だよ! 今日はいっぱい人が来ているね」
職人さんの一人が家の中にいた女の子と気さくに話をしているけど、前に男の子のお家の確認にきたそうです。
僕たちの姿を見ても、職人さんのお友達って思っているみたいだね。
「でもね、おかーさん元気ないの……」
「そっか、それは大変だな」
「うん……」
女の子の顔がくもっちゃったけど、お母さんの容態は良くないんだ。
あまり大勢で行っても迷惑になっちゃうので、僕と職人さんと守備隊の人の三人でお母さんが寝ている部屋に向かいます。
「お母さん、お兄ちゃんの働いているところの人が来たよ!」
「あらあらまあまあ、ゴホッ、皆さんお揃いで、ゴホゴホ」
女の子が僕達を部屋に案内してくれたけど、お母さんは痩せ細っていて顔色もとても悪く、一目見て重症だと分かった。
職人さんと守備隊の人もお母さんの様子を見てビックリしていたけど、お互いに顔を見合わせてこくりと頷きました。
「お母さん、お久しぶりです」
「ええ、お久しぶりです。ゴホゴホ」
「お体が辛そうですね。今日は、凄腕の治癒師を連れてきました」
「ゴホゴホ、治癒師?」
職人さんがお母さんに話しかけていたけど、ここは僕の出番ですね。
職人さんも、僕の事を手招きしました。
「初めまして、僕はレオです。一緒に造船所で働いています」
「まあ、こんなに小さいのにね。ゴホッ」
「僕は治癒師なので、お母さんの治療をしますね」
シュイン。
僕は、お母さんに鑑定魔法を使ってどんな状態か調べました。
すると、とんでもない事実が発覚しました。
僕は職人さんと守備隊の人を手招きして呼び寄せました。
女の子とお母さんに、詳細な病状を聞かれない様にする為です。
「お母さん、肺炎もあったんですけど毒にも冒されていました」
「「毒?!」」
職人さんと守備隊の人は、とんでもなくビックリしています。
でも、僕はザンギエフさんと事前に話をして何かあるんじゃないかなと思ったんだ。
「ねえ、いつもお母さんが飲んでいる薬を見せてくれるかな?」
「うん、いーよ。これだよ」
僕は、女の子に頼んでお母さんが飲んでいる薬の空き瓶を受け取りました。
シュイン。
そして、空き瓶を素早く鑑定を行なうとやっぱりの結果が待っていました。
僕は職人さんと守備隊の人にこくりと頷き、職人さんと守備隊の人もこくりと頷きました。
薬と言いつつ、中身には毒が入っていたんです。
僕は魔法袋から毒消しポーションを取り出し、お母さんに手渡しました。
「これは特製のポーションです。今までのお薬よりも格段に良くなりますよ」
「まあ、ありがとうね。こくこく」
お母さんは毒消しポーションを全て飲みほし、直ぐに僕は鑑定を行いました。
うん、毒の表示が消えていますね。
続いて、回復魔法をかけます。
シュイン、ぴかー。
「わあ、魔法だ。凄い凄い!」
「まあ、体が軽くなったわ。レオ君、ありがとうね」
「でもまだ完調じゃないので、ゆっくり休んで下さいね」
まずはこれで大丈夫だけど、シロちゃんと一緒の魔法をかけた方が良いみたいだ。
でも今できる事はここまでだし、安静にしないといけないね。
僕と職人さんと守備隊の人は、お母さんが寝ている部屋から出ていきました。
「おっ、出てきたな。どうだった?」
「荒海一家の奴、薬と偽って毒を飲ませていたぞ」
「僕一人では完治できませんでした。シロちゃんと一緒じゃないと、完治は無理ですね」
「「「はあ?」」」
集まっていた職人さんと守備隊の人が、思わず声を荒げていました。
毒を飲ませていたのと、僕一人では治せなかったという事実です。
僕は、魔法袋から毒消しポーションと普通のポーションを二つずつ取り出しました。
「これを、他の二人の男の子の家に持って行ってお母さんに飲ませて下さい。後ほど、僕とシロちゃんの魔法で治療します」
「おう、任せておけ。手分けして治療して、そのまま待機するぞ」
「これで、ますます荒海一家に怒りを覚えたぞ」
毒消しポーションとポーションを手にした職人さんと守備隊の人が、手分けして残りの家に行きました。
今回の件、僕も滅茶苦茶怒っていますよ。
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