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第五章 シークレア子爵領
第二百九十八話 男爵様救援作戦
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ドタバタドタバタ。
あっ、筋肉ムキムキの背が高くてスキンヘッドの人が、建物の奥から走ってきたよ。
あの人がギルドマスターで間違いないね。
「な、何だこりゃ。すげー、オオカミの数だな」
「あっ、僕とシロちゃんが男爵領に来る間に倒しました」
「流石は黒髪の魔術師って事だな」
ギルドマスターは僕とシロちゃんが倒したオオカミの数に驚いたけど、直ぐに真面目な顔になりました。
「俺は、この男爵領のギルドマスターだ。悪いがレオに頼みがある。要人の救出だ」
「要人の救出、ですか?」
「そうだ。お館様が、兵や冒険者と共に街道を襲う動物や魔物を倒しに行って帰ってこない。俺と共にお館様の救出を手伝ってくれ」
えー、とっても大変な事になっていたよ。
午前中で終わる予定が未だに帰って来ていない上に、連絡が全く取れないんだって。
僕とシロちゃんは、ギルドマスターの後をついて走り出しました。
「ここから森の中に入った」
「ちょっと待って下さいね。探索魔法を使います」
街の防壁から直ぐの森で、僕は探索魔法を使いました。
因みに、僕とシロちゃんとギルドマスターだけでなく、守備隊の人も何人かついてくれる事になりました。
シュイン、ぱあー。
「うお、すげー。魔法陣が現れたぞ」
「こ、これが黒髪の魔術師の魔法か……」
探索魔法を広範囲で使ったので、ちょっと大きな魔法陣が現れました。
おや?
何やら、大量のものと戦っている反応があるよ。
「このまま真っ直ぐ進んで、割と近い所で大量の何かと戦っている反応があります」
「多分それだな。行くぞ!」
「「「おー!」」」
ギルドマスターの掛け声で、僕達は一斉に森の中に入っていきました。
そして、五分ほど進んだ所で大きな物音が聞こえてきました。
「「「ギシャー!」」」
「うわあ!」
「ぐっ、数が多すぎる」
「このままだと、全滅するぞ」
あっ、大量のゴブリンが人を襲っているよ。
怪我人も沢山いて、かなり危ない状態です。
「あっ、お館様。助っ人に来ました」
「お、おお、助かったぞ」
ギルドマスターが声をかけた先には、豪華な鎧を着て剣を片手にゴブリンを倒している人がいるよ。
あの人が男爵様だね。
「うーん、乱戦になっていてこれでは魔法が使えないね。シロちゃん、オークの時みたいに剣で戦おう」
下手に魔法が使えないので、僕はダガーをシロちゃんはナイフを手にしました。
よーし、行くぞ!
フッ。
ザシュ、ザシュ、ザシュ。
「「「ギャー!」」」
「な、何だ何だ? 子どもとスライムが消えたぞ」
「猛烈な速さで動いているんだ! な、何なんだ?」
オークの時と同じく、戦っている人を傷つけない様に身体能力強化魔法を使って戦います。
ゴブリンの数が多いから魔法剣も省エネモードだけど、オークと違って魔法剣を使わなくても剣の切れ味で十分に戦えます。
流石は、親方さんが作ったダガーだね。
「「「ギョギョ?」」」
「ゴブリンの統制が崩れた。一気に押し返すぞ!」
「「「おー!」」」
僕とシロちゃんであっという間にゴブリンを減らしたので、ゴブリンはかなり慌て始めました。
そこを、男爵様が見逃さずに兵に指示を出しました。
おっと、今のうちに治療をしないと。
シロちゃんが前線で奮闘しているから、暫くは大丈夫だね。
「怪我人を一箇所に集めて下さい。僕が治療します」
「わ、分かった」
「感謝する」
二十人以上が大怪我をしていて、それでも無理をしてゴブリンと戦っていたみたいです。
幸いにして手足の欠損は無かったけど、骨折をしている人も多数いました。
ぴかー。
「どうですか? これで骨折も治ったかと」
「凄い、これが黒髪の魔術師の回復魔法なのか」
今日は緊急事態なので、ぱぱっと治療していきます。
治療を終えた人は、順次前線に戻って行きました。
ザシュ!
「グオーーー!」
ドシーン。
「ゴブリンキングが倒れた。今の内にゴブリンを駆逐するぞ!」
「「「おー!」」」
あっ、シロちゃんが上手くゴブリンキングの脳天をナイフの魔法剣で突き刺して倒したよ。
残ったゴブリンもかなり慌て始めて、守備隊の人と冒険者にどんどんと倒されていったね。
シロちゃんはさっそくゴブリンの処理を始めたので、僕は男爵様の所に行こう。
「おお、君が黒髪の魔術師のレオ君か。助けてくれて、本当にありがとう。正直な所、危ない所だった」
「何とかなって、良かったです。でも、何でこんな数のゴブリンがいたのでしょうか?」
「恐らく、冬が暖かくて食料もあったのもあるのだろう。我々はオオカミやバイパーを倒していたら、急にゴブリンの大群に襲われたのだよ」
男爵様曰く、このゴブリンの襲撃は全く予想外だったんだね。
だから、助けを呼ぶこともできずに防戦一方だったんだ。
もしかしたら、ゴブリンの大群がいたから、オオカミとかが生息域を追い出されて街道に現れていたのかもね。
「よし、これで終わりだ。引き続き、周囲の警戒に当たるように」
「「「はっ」」」
あっ、残ったゴブリンも全部倒し終わったね。
僕も探索魔法を使うけど、ずーっとドタバタと音を立てていたから、オオカミとかも様子を伺っている状態だね。
あっ、筋肉ムキムキの背が高くてスキンヘッドの人が、建物の奥から走ってきたよ。
あの人がギルドマスターで間違いないね。
「な、何だこりゃ。すげー、オオカミの数だな」
「あっ、僕とシロちゃんが男爵領に来る間に倒しました」
「流石は黒髪の魔術師って事だな」
ギルドマスターは僕とシロちゃんが倒したオオカミの数に驚いたけど、直ぐに真面目な顔になりました。
「俺は、この男爵領のギルドマスターだ。悪いがレオに頼みがある。要人の救出だ」
「要人の救出、ですか?」
「そうだ。お館様が、兵や冒険者と共に街道を襲う動物や魔物を倒しに行って帰ってこない。俺と共にお館様の救出を手伝ってくれ」
えー、とっても大変な事になっていたよ。
午前中で終わる予定が未だに帰って来ていない上に、連絡が全く取れないんだって。
僕とシロちゃんは、ギルドマスターの後をついて走り出しました。
「ここから森の中に入った」
「ちょっと待って下さいね。探索魔法を使います」
街の防壁から直ぐの森で、僕は探索魔法を使いました。
因みに、僕とシロちゃんとギルドマスターだけでなく、守備隊の人も何人かついてくれる事になりました。
シュイン、ぱあー。
「うお、すげー。魔法陣が現れたぞ」
「こ、これが黒髪の魔術師の魔法か……」
探索魔法を広範囲で使ったので、ちょっと大きな魔法陣が現れました。
おや?
何やら、大量のものと戦っている反応があるよ。
「このまま真っ直ぐ進んで、割と近い所で大量の何かと戦っている反応があります」
「多分それだな。行くぞ!」
「「「おー!」」」
ギルドマスターの掛け声で、僕達は一斉に森の中に入っていきました。
そして、五分ほど進んだ所で大きな物音が聞こえてきました。
「「「ギシャー!」」」
「うわあ!」
「ぐっ、数が多すぎる」
「このままだと、全滅するぞ」
あっ、大量のゴブリンが人を襲っているよ。
怪我人も沢山いて、かなり危ない状態です。
「あっ、お館様。助っ人に来ました」
「お、おお、助かったぞ」
ギルドマスターが声をかけた先には、豪華な鎧を着て剣を片手にゴブリンを倒している人がいるよ。
あの人が男爵様だね。
「うーん、乱戦になっていてこれでは魔法が使えないね。シロちゃん、オークの時みたいに剣で戦おう」
下手に魔法が使えないので、僕はダガーをシロちゃんはナイフを手にしました。
よーし、行くぞ!
フッ。
ザシュ、ザシュ、ザシュ。
「「「ギャー!」」」
「な、何だ何だ? 子どもとスライムが消えたぞ」
「猛烈な速さで動いているんだ! な、何なんだ?」
オークの時と同じく、戦っている人を傷つけない様に身体能力強化魔法を使って戦います。
ゴブリンの数が多いから魔法剣も省エネモードだけど、オークと違って魔法剣を使わなくても剣の切れ味で十分に戦えます。
流石は、親方さんが作ったダガーだね。
「「「ギョギョ?」」」
「ゴブリンの統制が崩れた。一気に押し返すぞ!」
「「「おー!」」」
僕とシロちゃんであっという間にゴブリンを減らしたので、ゴブリンはかなり慌て始めました。
そこを、男爵様が見逃さずに兵に指示を出しました。
おっと、今のうちに治療をしないと。
シロちゃんが前線で奮闘しているから、暫くは大丈夫だね。
「怪我人を一箇所に集めて下さい。僕が治療します」
「わ、分かった」
「感謝する」
二十人以上が大怪我をしていて、それでも無理をしてゴブリンと戦っていたみたいです。
幸いにして手足の欠損は無かったけど、骨折をしている人も多数いました。
ぴかー。
「どうですか? これで骨折も治ったかと」
「凄い、これが黒髪の魔術師の回復魔法なのか」
今日は緊急事態なので、ぱぱっと治療していきます。
治療を終えた人は、順次前線に戻って行きました。
ザシュ!
「グオーーー!」
ドシーン。
「ゴブリンキングが倒れた。今の内にゴブリンを駆逐するぞ!」
「「「おー!」」」
あっ、シロちゃんが上手くゴブリンキングの脳天をナイフの魔法剣で突き刺して倒したよ。
残ったゴブリンもかなり慌て始めて、守備隊の人と冒険者にどんどんと倒されていったね。
シロちゃんはさっそくゴブリンの処理を始めたので、僕は男爵様の所に行こう。
「おお、君が黒髪の魔術師のレオ君か。助けてくれて、本当にありがとう。正直な所、危ない所だった」
「何とかなって、良かったです。でも、何でこんな数のゴブリンがいたのでしょうか?」
「恐らく、冬が暖かくて食料もあったのもあるのだろう。我々はオオカミやバイパーを倒していたら、急にゴブリンの大群に襲われたのだよ」
男爵様曰く、このゴブリンの襲撃は全く予想外だったんだね。
だから、助けを呼ぶこともできずに防戦一方だったんだ。
もしかしたら、ゴブリンの大群がいたから、オオカミとかが生息域を追い出されて街道に現れていたのかもね。
「よし、これで終わりだ。引き続き、周囲の警戒に当たるように」
「「「はっ」」」
あっ、残ったゴブリンも全部倒し終わったね。
僕も探索魔法を使うけど、ずーっとドタバタと音を立てていたから、オオカミとかも様子を伺っている状態だね。
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