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第五章 シークレア子爵領
第二百九十七話 何かあったのかな?
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シークレア子爵領への旅も四日目です。
シークレア子爵へもあと四日で着くので、旅もちょうど半分なんですね。
ピピピピ、ピピピピ。
「うーん、普通に寝ちゃったね。昨日は強盗騒ぎでドタバタしていたもんね」
僕は懐中時計型の魔導具のタイマーを止めて、ベッドから起き上がりました。
今までずっとふかふかなベッドで寝てたから硬いベッドで寝れるかなと思っていたけど、普通に寝ちゃいました。
実は昨日あった強盗騒ぎで守備隊の人に話を聞かれたり、夕食の時には村の人に揉みくちゃにされちゃいました。
なので、とっても疲れちゃいました。
でも、そろそろ起きて馬車便に乗らないとね。
「シロちゃん、起きるよ」
僕は寝ているシロちゃんを起こして、朝食用のパンを魔法袋から取り出しました。
さて、今日はどんな所に行くのかな?
「おっ、来たな」
「昨日はありがとうな」
「気をつけて行ってこいよ」
「わわっ!」
馬車乗り場には、多くの村人が集まっていました。
どうも、昨日の強盗騒ぎを聞きつけた人が集まってくれたみたいですね。
いきなり囲まれてビックリしちゃったけど、悪い感じは全くしなかったね。
「ばいばーい」
「「「気をつけてな」」」
僕とシロちゃんは、馬車便に乗って見送ってくれた人に手を振りました。
さてさて、いよいよディフェンダーズ伯爵領から新しい領地に入りますね。
パカパカパカ。
「今日は、どこに行くんですか?」
「男爵領の領都に行くぞ。まあ、辺境伯領や伯爵領に比べたらだいぶ田舎だがな」
馬車は、平原から川沿いの街道を進んで行きます。
この川が、シークレア子爵領にある海まで続いているんだって。
男爵領は田舎っていうけど、川の反対側は森になっているし気をつけないとね。
昨日は沢山の人が馬車に乗っていたけど、今日は男爵領に向かう家族が二組だけです。
「まさか、レオ君が乗る馬車に同乗できるとは」
「この幸運を、神に感謝します」
な、何だか僕の事を二組の家族が崇めているけど、どうもこの森から現れる動物や魔物に馬車が襲われる事があるんだって。
ますます気をつけないと。
ガサガサ、ガサガサ。
「あっ、オオカミが二十頭現れます!」
「「「えっ」」」
突然前方の森がガサガサとして、探索魔法にも沢山反応がありました。
いきなり、いっぱいのオオカミだね。
僕とシロちゃんは、お互いに魔力を溜め始めました。
ガサガサ、ガサガサ。
「「「ガルルル!」」」
「わあ、凄い数よ!」
「キャー!」
沢山のオオカミが現れて、同乗している人が悲鳴を上げました。
これだけの数のオオカミが現れたら、とっても怖いよね。
ではでは、やっつけちゃいましょう。
シュイーン、バシン、バシン、バシン!
「「「ギャイン、ギャイン」」」
まずは、オオカミをバインドで固定しちゃいます。
今日は何回も戦う可能性があるから、魔力の節約の為に広範囲魔法は控えないとね。
シュイーン、バシュン、バシュン、バシュン。
「「「ギャン!」」」
そして、今度はエアーバレットとセイントバレットでオオカミの頭を潰します。
これで討伐完了です。
早速、シロちゃんが倒したオオカミの血抜きを始めました。
「もう大丈夫ですよ。辺りにも、他のオオカミはいないですよ」
「えっ、も、もう終わったの?」
「凄い、これが黒髪の天使様の力……」
オオカミが現れてから十秒もかからずに終わっちゃったので、御者の人も同乗している人もとってもビックリしちゃいました。
オオカミ程度なら、僕とシロちゃんは楽勝です。
倒したオオカミはそのままシロちゃんがアイテムボックスにしまってくれたので、シロちゃんが馬車に戻ったら出発です。
こうして、男爵領の領都に着く前に三回ほどオオカミを倒したけど、特に何事もなく終わりました。
「おお、予定よりもかなり早く着いたな」
「お昼過ぎに着いちゃいましたね」
「いつもならもっと慎重に行くから、夕方頃になる事もあるぞ」
御者の人曰く、ここまで安全な道中は珍しいそうです。
同乗していた二組の家族も、ホッとしていました。
じゃあ、まだまだ時間もあるし、倒したオオカミを冒険者ギルドに卸さないとね。
昼食は馬車の中で食べちゃったし、今夜泊まる宿を探すだけだもんね。
御者の人に冒険者ギルドの場所を聞いたので、早速行ってみましょう。
ドサドサドサ。
「すみません、倒したオオカミの引き取りをお願いします」
「あっ、ああ……」
冒険者ギルドに入って、卸担当の職員に五十頭のオオカミを渡したよ。
血抜きもバッチリだし、毛皮も傷つけていないよ。
僕とシロちゃんがニコニコしていたら、何だかギルド内がざわざわし始めたよ。
何かあったのかな?
「レオ、レオって事は、あの黒髪の魔術師って言われるレオか?」
「あっ、はい。そう言われています」
「黒髪にスライム連れ、間違いないな。おい、誰かギルドマスターを呼んでこい!」
あれあれ?
今度は僕の冒険者カードを確認した卸担当の職員が、血相を変えながら他の人に指示を出していたよ。
うーん、何かあったのかな?
シークレア子爵へもあと四日で着くので、旅もちょうど半分なんですね。
ピピピピ、ピピピピ。
「うーん、普通に寝ちゃったね。昨日は強盗騒ぎでドタバタしていたもんね」
僕は懐中時計型の魔導具のタイマーを止めて、ベッドから起き上がりました。
今までずっとふかふかなベッドで寝てたから硬いベッドで寝れるかなと思っていたけど、普通に寝ちゃいました。
実は昨日あった強盗騒ぎで守備隊の人に話を聞かれたり、夕食の時には村の人に揉みくちゃにされちゃいました。
なので、とっても疲れちゃいました。
でも、そろそろ起きて馬車便に乗らないとね。
「シロちゃん、起きるよ」
僕は寝ているシロちゃんを起こして、朝食用のパンを魔法袋から取り出しました。
さて、今日はどんな所に行くのかな?
「おっ、来たな」
「昨日はありがとうな」
「気をつけて行ってこいよ」
「わわっ!」
馬車乗り場には、多くの村人が集まっていました。
どうも、昨日の強盗騒ぎを聞きつけた人が集まってくれたみたいですね。
いきなり囲まれてビックリしちゃったけど、悪い感じは全くしなかったね。
「ばいばーい」
「「「気をつけてな」」」
僕とシロちゃんは、馬車便に乗って見送ってくれた人に手を振りました。
さてさて、いよいよディフェンダーズ伯爵領から新しい領地に入りますね。
パカパカパカ。
「今日は、どこに行くんですか?」
「男爵領の領都に行くぞ。まあ、辺境伯領や伯爵領に比べたらだいぶ田舎だがな」
馬車は、平原から川沿いの街道を進んで行きます。
この川が、シークレア子爵領にある海まで続いているんだって。
男爵領は田舎っていうけど、川の反対側は森になっているし気をつけないとね。
昨日は沢山の人が馬車に乗っていたけど、今日は男爵領に向かう家族が二組だけです。
「まさか、レオ君が乗る馬車に同乗できるとは」
「この幸運を、神に感謝します」
な、何だか僕の事を二組の家族が崇めているけど、どうもこの森から現れる動物や魔物に馬車が襲われる事があるんだって。
ますます気をつけないと。
ガサガサ、ガサガサ。
「あっ、オオカミが二十頭現れます!」
「「「えっ」」」
突然前方の森がガサガサとして、探索魔法にも沢山反応がありました。
いきなり、いっぱいのオオカミだね。
僕とシロちゃんは、お互いに魔力を溜め始めました。
ガサガサ、ガサガサ。
「「「ガルルル!」」」
「わあ、凄い数よ!」
「キャー!」
沢山のオオカミが現れて、同乗している人が悲鳴を上げました。
これだけの数のオオカミが現れたら、とっても怖いよね。
ではでは、やっつけちゃいましょう。
シュイーン、バシン、バシン、バシン!
「「「ギャイン、ギャイン」」」
まずは、オオカミをバインドで固定しちゃいます。
今日は何回も戦う可能性があるから、魔力の節約の為に広範囲魔法は控えないとね。
シュイーン、バシュン、バシュン、バシュン。
「「「ギャン!」」」
そして、今度はエアーバレットとセイントバレットでオオカミの頭を潰します。
これで討伐完了です。
早速、シロちゃんが倒したオオカミの血抜きを始めました。
「もう大丈夫ですよ。辺りにも、他のオオカミはいないですよ」
「えっ、も、もう終わったの?」
「凄い、これが黒髪の天使様の力……」
オオカミが現れてから十秒もかからずに終わっちゃったので、御者の人も同乗している人もとってもビックリしちゃいました。
オオカミ程度なら、僕とシロちゃんは楽勝です。
倒したオオカミはそのままシロちゃんがアイテムボックスにしまってくれたので、シロちゃんが馬車に戻ったら出発です。
こうして、男爵領の領都に着く前に三回ほどオオカミを倒したけど、特に何事もなく終わりました。
「おお、予定よりもかなり早く着いたな」
「お昼過ぎに着いちゃいましたね」
「いつもならもっと慎重に行くから、夕方頃になる事もあるぞ」
御者の人曰く、ここまで安全な道中は珍しいそうです。
同乗していた二組の家族も、ホッとしていました。
じゃあ、まだまだ時間もあるし、倒したオオカミを冒険者ギルドに卸さないとね。
昼食は馬車の中で食べちゃったし、今夜泊まる宿を探すだけだもんね。
御者の人に冒険者ギルドの場所を聞いたので、早速行ってみましょう。
ドサドサドサ。
「すみません、倒したオオカミの引き取りをお願いします」
「あっ、ああ……」
冒険者ギルドに入って、卸担当の職員に五十頭のオオカミを渡したよ。
血抜きもバッチリだし、毛皮も傷つけていないよ。
僕とシロちゃんがニコニコしていたら、何だかギルド内がざわざわし始めたよ。
何かあったのかな?
「レオ、レオって事は、あの黒髪の魔術師って言われるレオか?」
「あっ、はい。そう言われています」
「黒髪にスライム連れ、間違いないな。おい、誰かギルドマスターを呼んでこい!」
あれあれ?
今度は僕の冒険者カードを確認した卸担当の職員が、血相を変えながら他の人に指示を出していたよ。
うーん、何かあったのかな?
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