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第四章 サンダーランド辺境伯領
第二百八十九話 リースを買いに来た小さな女の子
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夕方になり、作った物が殆ど売れちゃったので閉店作業をします。
一週間、無事に販売できて良かったね。
「いやあ、こんなに忙しい花祭りは初めてだね」
「そうだね。お客さんが沢山来てくれたし、とっても良い花祭りになったわ」
フレアさんとミシャさんも、とっても満足そうに後片付けをしていました。
他の出店でも、店主の人が良い笑顔をしていました。
今年の花祭りは大成功ですね。
僕とシロちゃんも後片付けをしていると、店頭に僕よりも小さい女の子がやってきました。
「あの、りーすください……」
「リースね、ちょっと待っていて」
涙目の女の子は、少しだけどお金を握りしめていました。
何か事情があるみたいですね。
ちょうど一個分の材料が残っていたので、ササッとリースを作ります。
折角だから、残ったお花も全部つかっちゃおう!
あみあみあみ、あみあみあみ。
「フレアさん、できました!」
「とっても華やかな物ができたね」
僕は受付にいるフレアさんに、出来上がったリースを渡しました。
沢山のお花を使っているから、とっても豪華ですね。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。これで、おかーさんのびょーきもよくなるかな……」
「あら、お母さん病気なの?」
「うん、ずっとベッドでねているの……」
女の子は、涙を流しながらフレアさんに説明していました。
僕のリースを見せれば、お母さんが元気になると思ったんだね。
「レオ君、女の子が夕方に一人だと危ないから、私送って行くわ」
「僕も一緒に行きます。病気だと聞いたら、黙っていられません」
「出店の方は、私が片付けておくわ。気をつけてね」
出店はミシャさんにお任せして、僕とシロちゃんはフレアさんと共に女の子をお家まで送って行きます。
実は女の子のお家は出店をやっている所からとっても近く、歩いて十分もあれば着きました。
「おかーさん、ただいま! りーすかってきたよ!」
「あら、お帰りなさい。ゴホゴホ」
小さな女の子の事をベッドに寝ているお母さんが出迎えたけど、咳き込んでいてとっても体調が良くないね。
「あら、お客さんかしら?」
「出店の店員です。小さな女の子が夕方に一人になるのは危ないと思い、勝手ながら送ってきました」
「まあまあ、ありがとうございます。ゴホゴホ」
フレアさんが説明していても、お母さんは咳き込んでいて体調が良くなさそうですね。
「失礼ですが、旦那様はどちらにおりますか?」
「実は、たまたま遠方へ仕事に行っているのです。あと一ヶ月は帰ってこないかと。そのタイミングで風邪をひいてしまいまして」
あらら、タイミングが悪い時に風邪をひいちゃったんだね。
では、早速治療しましょうね。
「じゃあ、直ぐに治療します。あっ、腰も悪いですね」
「え、ええ、寝込んでいたもので……」
お母さんに軽く魔力を流すと、他にも悪いところがあったよ。
お母さんは僕が腰も悪いのを言い当てたら、とってもビックリしていたよ。
「じゃあ、治療しますね」
ぴかー。
「わあ、まほーだ!」
「えっ、あっ、体が軽く……」
と言っても、このくらいの病気なら合体魔法を使わなくても十分に治せます。
僕が魔法を使ったのを見て、女の子とお母さんはビックリしていました。
「これで体調は良くなったはずですよ。でも、体力が落ちているのでご飯をいっぱい食べて下さいね」
「咳が出ない、腰も痛くない。坊や、本当にありがとう」
「ありがとう!」
うんうん、お母さんが元気になって良かったよ。
女の子もにっこりしているね。
でも、今度はお母さんがしょんぼりしちゃいました。
「あの、こんなにも凄い魔法で治して貰いながらなんですけど、実はあまり持ち合わせがなく……」
あっ、そういう事だったのね。
でも、もうお金は貰っているもんね。
「お金は大丈夫です。リースを買ってくれたから、これはおまけです」
「本当に何から何まで……。ありがとうございます」
「ありがとー!」
僕達は長居をしちゃ悪いと思って、直ぐにお家から出ました。
皆、笑顔になって良かったね。
お家を出ると、ばったりとパン屋さんの奥さんと出会いました。
「あら、フレアちゃんとレオ君じゃない。どうしたの、こんな所で」
「実は、リースを買ってくれた女の子を送り届けていたんです。ついでに、レオ君が女の子のお母さんを治療してくれたんですよ」
「それはありがとうね。実は、お母さんはうちの店員なのよ。病気になってしまってからは、売れ残りのパンを届けてあげたのよ」
あっ、だからパン屋さんの奥さんがお家の前にいたんだね。
手には、数個のパンを持っていたよ。
「もう病気は大丈夫ですよ。でも、体力が落ちちゃっていました」
「ずっと寝ていたから、それはしょうがないわ。出勤は、もう少し休んでからにするわよ」
パン屋さんの奥さんは、僕にニコリとして話しかけてからお家の中に入りました。
うん、これでもう大丈夫だね。
僕達もこれからボーガン様のお屋敷に行かないといけないから、急いで帰って着替えないとね。
一週間、無事に販売できて良かったね。
「いやあ、こんなに忙しい花祭りは初めてだね」
「そうだね。お客さんが沢山来てくれたし、とっても良い花祭りになったわ」
フレアさんとミシャさんも、とっても満足そうに後片付けをしていました。
他の出店でも、店主の人が良い笑顔をしていました。
今年の花祭りは大成功ですね。
僕とシロちゃんも後片付けをしていると、店頭に僕よりも小さい女の子がやってきました。
「あの、りーすください……」
「リースね、ちょっと待っていて」
涙目の女の子は、少しだけどお金を握りしめていました。
何か事情があるみたいですね。
ちょうど一個分の材料が残っていたので、ササッとリースを作ります。
折角だから、残ったお花も全部つかっちゃおう!
あみあみあみ、あみあみあみ。
「フレアさん、できました!」
「とっても華やかな物ができたね」
僕は受付にいるフレアさんに、出来上がったリースを渡しました。
沢山のお花を使っているから、とっても豪華ですね。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。これで、おかーさんのびょーきもよくなるかな……」
「あら、お母さん病気なの?」
「うん、ずっとベッドでねているの……」
女の子は、涙を流しながらフレアさんに説明していました。
僕のリースを見せれば、お母さんが元気になると思ったんだね。
「レオ君、女の子が夕方に一人だと危ないから、私送って行くわ」
「僕も一緒に行きます。病気だと聞いたら、黙っていられません」
「出店の方は、私が片付けておくわ。気をつけてね」
出店はミシャさんにお任せして、僕とシロちゃんはフレアさんと共に女の子をお家まで送って行きます。
実は女の子のお家は出店をやっている所からとっても近く、歩いて十分もあれば着きました。
「おかーさん、ただいま! りーすかってきたよ!」
「あら、お帰りなさい。ゴホゴホ」
小さな女の子の事をベッドに寝ているお母さんが出迎えたけど、咳き込んでいてとっても体調が良くないね。
「あら、お客さんかしら?」
「出店の店員です。小さな女の子が夕方に一人になるのは危ないと思い、勝手ながら送ってきました」
「まあまあ、ありがとうございます。ゴホゴホ」
フレアさんが説明していても、お母さんは咳き込んでいて体調が良くなさそうですね。
「失礼ですが、旦那様はどちらにおりますか?」
「実は、たまたま遠方へ仕事に行っているのです。あと一ヶ月は帰ってこないかと。そのタイミングで風邪をひいてしまいまして」
あらら、タイミングが悪い時に風邪をひいちゃったんだね。
では、早速治療しましょうね。
「じゃあ、直ぐに治療します。あっ、腰も悪いですね」
「え、ええ、寝込んでいたもので……」
お母さんに軽く魔力を流すと、他にも悪いところがあったよ。
お母さんは僕が腰も悪いのを言い当てたら、とってもビックリしていたよ。
「じゃあ、治療しますね」
ぴかー。
「わあ、まほーだ!」
「えっ、あっ、体が軽く……」
と言っても、このくらいの病気なら合体魔法を使わなくても十分に治せます。
僕が魔法を使ったのを見て、女の子とお母さんはビックリしていました。
「これで体調は良くなったはずですよ。でも、体力が落ちているのでご飯をいっぱい食べて下さいね」
「咳が出ない、腰も痛くない。坊や、本当にありがとう」
「ありがとう!」
うんうん、お母さんが元気になって良かったよ。
女の子もにっこりしているね。
でも、今度はお母さんがしょんぼりしちゃいました。
「あの、こんなにも凄い魔法で治して貰いながらなんですけど、実はあまり持ち合わせがなく……」
あっ、そういう事だったのね。
でも、もうお金は貰っているもんね。
「お金は大丈夫です。リースを買ってくれたから、これはおまけです」
「本当に何から何まで……。ありがとうございます」
「ありがとー!」
僕達は長居をしちゃ悪いと思って、直ぐにお家から出ました。
皆、笑顔になって良かったね。
お家を出ると、ばったりとパン屋さんの奥さんと出会いました。
「あら、フレアちゃんとレオ君じゃない。どうしたの、こんな所で」
「実は、リースを買ってくれた女の子を送り届けていたんです。ついでに、レオ君が女の子のお母さんを治療してくれたんですよ」
「それはありがとうね。実は、お母さんはうちの店員なのよ。病気になってしまってからは、売れ残りのパンを届けてあげたのよ」
あっ、だからパン屋さんの奥さんがお家の前にいたんだね。
手には、数個のパンを持っていたよ。
「もう病気は大丈夫ですよ。でも、体力が落ちちゃっていました」
「ずっと寝ていたから、それはしょうがないわ。出勤は、もう少し休んでからにするわよ」
パン屋さんの奥さんは、僕にニコリとして話しかけてからお家の中に入りました。
うん、これでもう大丈夫だね。
僕達もこれからボーガン様のお屋敷に行かないといけないから、急いで帰って着替えないとね。
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