小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第四章 サンダーランド辺境伯領

第二百八十八話 花祭り最終日です

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 そして、遂に花祭りも最終日になりました。
 最終日という事もあって、一層多くのお客さんが商店街を訪れていました。
 勿論、僕の出店もとっても大忙しです。

 あみあみあみ、ポチポチポチ。
 僕とシロちゃんは、大急ぎでリースとピンブローチを作っていきます。
 でも、ある程度在庫があるし、お客さんが困る事はありません。

「はい、ありがとうございます」
「次の方、どうぞ」

 沢山のお客さんが来ているので、フレアさんとミシャさんだけでなく商会の人も販売を手伝ってくれています。
 僕達の出店だけじゃなくて、他の出店もお客さんが沢山来ていて大忙しみたいですね。
 すると、予想外のお客さんがやってきました。

「わあ、大盛況だね。流石はレオ君のお店だね」
「あうあう」
「あっ、スーザンさん。来てくれたんですね。アンソニーちゃんもありがとー」

 出店の前に豪華な馬車が止まったかと思ったら、中からスーザンさんとスーザンさんに抱っこされているアンソニーちゃんが降りてきました。
 僕とシロちゃんは、ビックリしながらも大喜びです。

「最終日って事もあってね、昨日のうちに帰った人もいるのよ。だから、ようやく時間が取れたのよ」
「そうだったんですね。お仕事ご苦労さまです」
「まあ、これはサンダーランド辺境伯家にとっては義務みたいなものよ。更に、窃盗団騒ぎもあったからね」

 今年はお客さんも多い分、サンダーランド辺境伯家に挨拶に来る人も多かったそうです。
 窃盗団制圧でマシューさんも出陣していたし、一週間本当に大忙しだったんだね。

「えっと、リースとピンブローチを一つずつ下さいね。とっても綺麗なリースだって、我が家でも話題になっていたのよ」

 もしかしたら、サンダーランド辺境伯家に挨拶に来た人もリースとピンブローチの事を噂していたかも。
 早速お付きの侍従の人が、フレアさんに品物を頼んでいました。
 こういう場合は、貴族家の人が直接は買わないんだって。

「ふふ、ありがとうね。あと、大事な言伝があるのよ。花祭りが終わったらミシャさんのお父さんが屋敷に来ると思うけど、その時にレオ君も一緒に来て欲しいのよ。勿論、ミシャさんとフレアさんもついてきてね」

 あれ?
 僕達に話って何だろう。
 もしかしたら、窃盗団を捕まえた事なのかな?
 確か守備隊の人も、サンダーランド辺境伯家から話があるって言っていたもんね。

「では、私は屋敷に戻るわ。また後でね」
「あうー」
「ばいばーい」

 僕とシロちゃんは、あっという間に出発したスーザンさんとアンソニーちゃんに手を振りました。
 さて、まだまだお客さんが沢山いるから頑張らないとね。
 僕達は、昼食まで頑張ってリースとピンブローチを販売しました。

「おお、その話は私もさっき聞いた。何でも、三人への話とレオ君への二つの話があるそうだよ」

 昼食時にミシャさんのお父さんが一緒だったので、ちょっと話を聞いてみました。
 三人への話は多分窃盗団の件だと思うんだけど、僕への話は一体何だろう?
 ミシャさんのお父さんも、話の詳細は聞いていないみたいです。

「これは、お屋敷に行って話を聞かないと分からないね」
「そうね。ナイショって訳じゃなさそうだし、行けば分かりそうね」

 フレアさんとミシャさんは、流石冒険者というか直ぐに頭を切り替えていました。
 スーザンさんの話しぶりだと、特に問題のある事じゃなさそうだもんね。
 僕もそんな事を思いながら、昼食を食べました。

「恐らくだけど、その話の中でレオ君の新たな目的地への出発の日が決まってくるだろう」
「シークレア子爵領に行くって件ね。うーん、もしかしたら、レオ君への話ってそのシークレア子爵領関連なのかも」
「可能性はあるわ。レオ君宛に、貴族当主が依頼を出すのもありえるわね」

 あっ、そうか。
 次の目的地関連の話もありそうだね。
 確か海があって、軍港もあるんだっけ。
 そうなると、お船関連の話もあるのかな?
 目の前の大人があーだこーだ話をしているのを、僕とシロちゃんもなんだろうなって聞いていました。
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