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第四章 サンダーランド辺境伯領

第二百七十七話 サンダーランド辺境伯領に帰ります

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 そして、僕達がサンダーランド辺境伯領に帰る朝になりました。
 朝食を食べた後、僕とフレアさんとミシャさんは宿泊していた部屋を綺麗に整頓しました。

「じゃあ、いきまーす」

 シュイン、キラリーン。

 ついでに、僕の生活魔法で部屋を綺麗にします。
 うん、良い感じに綺麗になったね。

「いやいや、新築みたいな輝きになっているよ……」
「レオ君は、生活魔法もかなり凄いのね……」

 フレアさんとミシャさんがあ然としながらピカピカになった部屋を見ていたけど、僕とシロちゃんは良い仕事をしたと大満足です。
 忘れ物を確認して、僕達は部屋を出て玄関に向かいました。

「マシューさん、お待たせしました」
「おっ、来たな。私も今来たところだよ」

 玄関には、マシューさんとディフェンダーズ伯爵家の方々が待っていました。
 どうやら、マシューさんとマンデラ様は何かお話をしているみたいです。
 あっ、そうだ。
 ハルカさんとヒカリさんに、昨日僕とシロちゃんが作ったピンブローチを渡さないと。
 僕とシロちゃんは、それぞれ二つのピンブローチを取り出しました。

「ハルカさん、ヒカリさん。昨夜、僕とシロちゃんが作ったピンブローチです。プレゼントです!」
「まあまあ、とっても綺麗なピンブローチね。わざわざありがとう。黒髪の天使様が作ったピンブローチには、幸運が訪れると言われているわ」
「こんなに綺麗なピンブローチを、レオ君とシロちゃんが作ったのね。本当に凄いわ。大切に使うわ」

 ハルカさんとヒカリさんは、僕とシロちゃんが作ったピンブローチをとっても気に入ってくれました。
 何だか僕とシロちゃんの作ったピンブローチがラッキーアイテムみたいって言われていたけど、僕としては普通に身に着けて貰えれば嬉しいなって思っているんだよね。

「ほほう、女性の喜ばせ方まで知っているとは。レオ君は、小さいのに中々やりますな」
「私の妻も、レオ君からプレゼントされたピンブローチを大切に使っています。コバルトブルーレイク直轄領では、とっても人気商品だったそうですよ」

 あの、マンデラ様にマシューさん。
 僕は、喜んでくれたらいいなって思ってピンブローチをプレゼントしたんです。
 別に、下心とか全くないですよ。

「レオ君がサンダーランド辺境伯領を出発するのは、確か春の祭りが終わった頃だよね?」
「はい。祭りが終わってから、サンダーランド辺境伯領からシークレア子爵領に向かいます」
「では、次にレオ君と会うのは春頃だな。必ず屋敷に寄ってくれ。歓迎しよう」

 よく考えると、あと数ヶ月でサンダーランド辺境伯領を出発するんだよね。
 マンデラ様と握手をしながら、何だか不思議だなって思っちゃいました。
 ハルカさんとヒカリさんとも握手をして、僕達は場所に乗り込みました。

「さようなら、また来ますね」
「「「さようなら」」」

 ディフェンダーズ伯爵家の方々が馬車に手を振ってくれたので、僕とシロちゃんも馬車の窓から顔を出して手を振りました。
 ふう、濃密な数日間だったね。

「そういえば、そろそろ祭りの準備が始まるわ」
「そうね。商会も、とても忙しくなるわ」

 ディフェンダーズ伯爵領の街から出ると、フレアさんとミシャさんが祭りの事で話をしていました。
 うーん、そもそも祭りって何をするんだろう?

「フレアさん、ミシャさん、お祭りって何をするんですか?」
「レオ君は、祭りの内容を知らなかったのね。毎年春になると、花の祭りをやるの。春の訪れを祝う祭りなのよ」
「街中に花飾りを飾って、とっても華やかな雰囲気にするのよ。出店も沢山出て、多くの人が訪れるわ」

 お花をメインにしたお祭りなんだね。
 何だか、とっても綺麗な感じがするよ。

「商会でも出店をするから、もしかしたらレオ君にも手伝って貰うかもね」
「もし、僕にお手伝いできることがあれば、頑張っちゃいます」
「ふふ、ありがとうね。出店も何種類か出すから、どの出店にするかは相談しましょうね」

 ミシャさんの商会はとっても大きいから、出店も凄いのが出そうですね。
 何だか、とっても楽しみです。

「うちの武器屋は、出店を出さないよ。その代わりに、セールをするつもりだよ」

 フレアさんの武器屋さんは、特売セールをするそうです。
 在庫品とかを、安く売るんだって。
 フレアさんのお父さんが作る武器はとっても良いものだから、安くてお買い得だね。

「マシューさん、サンダーランド辺境伯家では何かするんですか?」
「辺境伯家は、特に何もやらないよ。祭りのタイミングで各地の有力者とかがくるから、基本的には挨拶対応で終わっちゃうよ」

 あらら、サンダーランド辺境伯家の人々はとっても忙しいんだね。
 でも、僕とシロちゃんは何だかワクワクしてきました。
 こうして、皆でワイワイとお喋りをしながら、帰りの馬車は進んで行きました。
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