小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第四章 サンダーランド辺境伯領

第二百五十話 子どもらしい勉強って何だろう?

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 僕とシロちゃんの学力レベルを確認する為に、改めて明日テストをする事になりました。

「僕は、面白そうな本があるなと思って読んでいたんですけど」
「その面白そうな本が、貴族の教育の為の本だった訳ね。逆に、もっと子どもらしい本を読んだ方が良いわね」
「敢えて、その方面の勉強をした方が良いかと思いますわ。レオ君は頭が良いばかりに、興味を持った物しか勉強していない可能性があります」

 えーっと、子どもらしい勉強って一体なんだろう?
 絵本を読む事なのかな?
 読み書き計算はもう大丈夫だし、他に何があるのだろうか。
 ここは、マリアナさんに確認して貰わないと分からないね。

「しかし、ここまで秀才な子どもは初めて目にしました。しかも、秀才の子はどこかしらに難を抱えている者が多いのですが、レオ君はとっても明るいですわ」
「えっ、そうなんですか?」
「本好きの子は、物静かだったり何かに執着する子が多いのです。周りに興味を示さない事もありますね」

 うーん、僕は特にそういうのは気にしないけど、何かしらに執着する人もいるんだね。
 色々な子どもがいるんだなあ。

「レオ君は礼儀正しいし、既に最低限の礼儀作法を身に着けています。改めて、礼儀作法を教えるのも良いかと思いますわ」
「そうですわね。この際だから、勉強以外の事も教えないとならないわね」

 という事で、礼儀作法とかも教わる事になりました。
 勉強以外の事も学べるのもあるので、とっても嬉しいです。
 今日はこれで勉強は終わりだそうで、マリアナさんはお家に帰って明日のテストを作るそうです。

 カチャ。

「わあ、本が沢山あります!」
「ここが書斎よ。汚したり持ち出さなければ、自由に読んで構わないわ」

 昼食まで時間があるので、僕とシロちゃんは書斎で本を読む事にしました。
 流石は、サンダーランド辺境伯家のお屋敷の書斎です。
 沢山の本が置いてあって、僕もシロちゃんもどの本を読もうか迷っちゃいます。

「あっ、冒険者関連の本もあるよ。今日はこの本にしよう」

 初心者冒険者の冊子よりも詳しい本があったので、僕はその本を読む事にしました。
 シロちゃんは、動物や魔物の生態の本を読んでいます。
 こうして僕とシロちゃんは、昼食までの時間を本を読みながら過ごしていました。

「レオ君は本当に真面目だね。わざわざ冒険者の本を読んでいるとは」
「スライムが動物と魔物の生態を調べるのも、どう考えても普通じゃないわね」

 今日はボーガン様がお仕事でいないので、チェルシーさん以外にマシューさんとスーザンさんと一緒に昼食を食べます。
 話題は、やっぱり僕の事になりました。
 マシューさんとスーザンさんは、僕とシロちゃんが読んでいた本を知ってビックリしていました。

「魔法使いは総じて頭が良いと言われるけど、レオ君は勤勉だからってのもあるな」
「そうね、レオ君が魔法使いじゃなくてもきっとレオ君は賢いと思うわ」

 僕がもし魔法使いじゃなかったら、多分普通の人と同じ気がするよ。
 僕的には、やっぱり魔法使いってのが大きい気がするよ。

「しかし、既に十二歳並みの知識を持っているのか。とはいえ、レオ君はまだまだ子どもだ。色々な事を覚えていく時期だ」
「私がレオ君くらいの時は、いつも遊んでいて勉強が嫌いだったわ」

 スーザンさんは、元気いっぱいな子どもだったんだね。
 今はとっても知的な感じがするけど、やっぱり子どもの時は違うんだね。
 こうして昼食は終わり、午後も書斎で本を読んでから帰りました。

「レオ君は、同年代じゃなくて年上の人と一緒にいる事が多かったから、それで考え方が大人っぽいのかもね」

 夕食時に日中の事を話すと、ミシャさんからそんな事を言われました。
 確かに、同じくらいの年の子って殆ど会ったことがないなあ。
 クリスちゃんくらいしか、年下の子とも会ってないね。

「レオ君の年で旅をしている人は珍しいのよ。だから、気にしなくて良いし、これからいくらでも会うことはあるわ」

 僕がうーんって考えちゃったら、ミシャさんが僕の頭を撫でてくれました。
 そうだね、深く考えても仕方ないって思いながら、僕は夕食を食べました。
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