小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第四章 サンダーランド辺境伯領

第二百三十八話 全員がニコニコの薬草採取です

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 皆でワイワイとしながら、防壁の門の近くにある草原に到着です。
 防壁の門から、歩いても僅かな距離です。

「はい、今日はここで薬草採取を行います。薬草採取をする際は、動物や魔物に盗賊等に襲われる可能性があります。護衛がいれば良いのですが、いない場合は直ぐに守備隊に助けを求められる位置が良いでしょう」

 僕も、薬草採取をする時はいつも防壁の門の近くでやっているよ。
 それに草原があるし、ここには沢山の薬草があるよ。

「じゃあ、最初にレオ君の薬草採取を見てもらいましょう」
「はい!」

 おっと、フレアさんからいきなりのご指名です。
 僕もシロちゃんも、張り切って薬草採取を始めました。

 プチプチプチ。

「凄い、こんなにも丁寧に薬草を取るのね」
「丁寧なのに、とっても早いわ」

 沢山の薬草が生えているので、良い感じに採取できています。
 シロちゃんも、楽しそうに薬草を集めています。
 そんな僕とシロちゃんの周りに集まった受講生が、関心した様に僕達の事を見ていました。
 そして、数分で沢山の薬草を集める事ができました。

「こんな感じで、レオ君は丁寧なのに素早く薬草を集めている。レオ君みたいにならなくても良いが、丁寧な仕事を心がける様に」
「何か分からない事があったら、私やフレアやレオ君に直ぐに聞く事よ」
「「「はい!」」」

 フレアさんとミシャさんが受講生に声をかけて、いざ薬草採取開始です。
 僕とシロちゃんも、フレアさんとミシャさんと共に周りの人の様子を見てまわります。

「レオ君、この草って薬草かな?」
「えーっと、毒消し草ですね。薬草とは別に採取して纏めて下さい」

 ここは、毒消し草も良く採れるみたいです。
 毒消しポーションの手持ちが少ないから、僕も後で毒消し草を集めよう。

「レオ君、この場合はどうやって薬草を摘めば良いかな?」
「えっと、こうすれば良いですよ」
「わあ、流石レオ君ね」

 僕を指名する人が多いので、僕もシロちゃんも大忙しです。
 僕がやり方を教えると、受講生が僕の頭を撫でてきたり抱きしめたりします。

「ほらほら、レオ君を構いたい気持ちは分かるけど、先ずは目の前の薬草に集中しなさいね」
「レオ君は、暫くこちらで預かりますわ」
「「「ええー!」」」

 余りにも僕の事を呼ぶ人が多いので、僕とシロちゃんはとうとうフレアさんとミシャさんに回収されちゃいました。
 受講生からブーイングが上がったけど、フレアさんとミシャさんは僕とシロちゃんを離さない様に僕の後ろから肩を抱いていました。

「えっと、僕が何でも答えちゃったのがいけなかったのでしょうか?」
「そんな事はないわよ。皆がレオ君が可愛いから構いたいのよ」
「それでいて、ちゃんと教えてくれるもんね。皆、レオ君にメロメロなのよ」

 僕とシロちゃんがしゅんってなっちゃったら、今度はフレアさんとミシャさんが僕の頭を撫で撫でしてくれました。
 受講生からはズルいって声が上がっていたけど、フレアさんとミシャさんは普通に僕の事を慰めてくれているだけだもんね。
 その後は再び薬草採取の補助に入ったり、僕とシロちゃんも薬草を採ったりしました。
 毒消し草が沢山採れたから、午後は毒消しポーションも作りたいなあ。

「では、そろそろ冒険者ギルドに戻る。普段よりも沢山の薬草が採れたと思うが、防壁の門の近くにも良い所があるので、これからの薬草採取の参考にして欲しい」

 こうして薬草採取講座は終わり、皆で冒険者ギルドに戻ります。
 受講生も沢山の薬草が採れていて、とっても満足げです。
 でも、本当のビックリは冒険者ギルドに帰ってからでした。

「えっ、こんなにもの金額になるの?」
「薬草以外にも、毒消し草が入っているからだ。薬草も数があれば良い金額になるし、何よりポーションが不足気味なんだ」

 高額な買取金額になり、受講生はとってもビックリしていました。
 でも、国境付近での衝突もあるから、ポーションが沢山あっても全く問題ありません。

「週に二回程度に薬草採取をする事で、薬草の葉が再生するのに丁度よいタイミングになる。採取しすぎる事だけ、注意するように」
「「「はい!」」」

 お金が沢山手に入って皆大満足した所で、薬草採取講座は終了です。
 僕は少しだけ換金して、後は自分のポーション作りに使います。
 と、ここでフレアさんとミシャさんが僕に声をかけました。

「レオ君、とっても助かったわ。ありがとうね」
「良かったら、一緒に昼食食べない? 勿論奢るわ」

 折角の昼食のお誘いなので、フレアさんとミシャさんと共に街にくり出しました。
 やってきたのは、とってもオシャレなカフェです。
 僕一人だと、絶対に来ない場所ですね。

「レオ君は、どんな料理が好きかな?」
「僕はパスタが好きです。シロちゃんと半分ずつ分けています」
「ふふ、レオ君とシロちゃんってとっても仲が良いのね。じゃあ、好きなパスタを頼んでね」

 僕の好きなパスタは、ミートソースなんだよね。
 このお店でも、僕はミートソースを注文します。

「レオ君は、薬草採取のベテランだね」
「教え方もとっても上手だし、話し方も丁寧だね」
「僕はまだまだですよ。それに、最近は自分でポーションを作る分だけ薬草を採る事が多いですし」

 昼食を食べながら、フレアさんとミシャさんが僕の事を褒めてくれました。
 講師の人みたいに薬草を採れないし、何より薬草と毒消し草しか採った事がないんだよね。

「レオ君は、今はどこに泊まっているの?」
「今は、ボーガン様のお屋敷に泊まっています。治療が終わるまでは、お屋敷にいる予定です」
「へ、辺境伯様のお屋敷に泊まっているなんて。やっぱりレオ君は、とんでもないね」

 僕がボーガン様のお屋敷に泊まっているって知ったら、フレアさんとミシャさんがとっても驚いちゃいました。
 でも、ボーガン様も辺境伯家の方もとっても良い人ばかりだから、気にする事はないと思うけどね。

「ごちそうさまでした」
「はい。午後も頑張ってね」
「また、一緒に依頼をしましょうね」

 僕とシロちゃんは、フレアさんとミシャさんに手を振ってボーガン様のお屋敷に戻りました。
 ちょっとお昼寝して、ポーション作りを頑張ろうっと。
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