132 / 515
第四章 サンダーランド辺境伯領
第二百二十七話 僕の歓迎会です
しおりを挟む
暫くしたら、応接室にシスターさんが入ってきました。
「枢機卿様、チェルシー様、確認した所全ての患者が退院可能です」
「おお、そうか。それは良かった」
「明日の朝、第三治療院と第四治療院に向かいますわ。準備を宜しくね」
「はっ、はい!」
シスターさんは、ビックリしながらもブラッドリーさんとチェルシーさんの指示を聞いて部屋の外に出ていきました。
「ふわあー」
ホッとしちゃったら、あくびが出ちゃったよ。
魔力は全部使わないでいたけど、思ったよりも消費が激しかったみたいです、
僕の腕の中にいるシロちゃんも、少し眠たそうだね。
「レオ君、眠たいのね」
「はい、だいぶ魔力を使ってしまったので」
「あれだけの大魔法を使ったもんね。屋敷に戻って休みましょうね」
ひょい。
「わぁ! まだ、自分で歩けますよ」
「ふふふ、今日は何も出来なかったから、このくらいはね」
僕はシロちゃんごと、チェルシーさんに軽々と抱っこさせられちゃいました。
ちょっとジタバタしても、チェルシーは離してくれません。
「儂は教会の馬車で帰るのでな。チェルシー様、レオ君、また明日宜しくお願いします」
「はい、宜しくお願いします」
「お先に失礼します」
僕はチェルシーさんに抱っこされたまま、ブラッドリーさんに手を振りました。
そして、抱っこされたまま、馬車に乗り込みました。
「改めてレオ君、怪我人を治療してくれてありがとうね」
「僕も沢山の人を治療できて、ホッとしてします」
「ふふ、そうね。じゃあ、歓迎会は張り切って準備しないとね」
馬車の中でチェルシーさんから改めてお礼を言われたけど、僕としては普通に治療しただけなんだよね。
馬車が屋敷に着いたので、流石にチェルシーさんの抱っこから抜けて降りました。
「おお、早かったな」
ボーガン様がちょうど良いタイミングで玄関ホールにいて、僕達を出迎えてくれました。
でも、まだお昼前にもなっていないし、ボーガン様の言う通りまだ早い帰りだよね。
「ふふ、レオ君の大魔法のお陰で、たった二回の魔法で第一治療院と第二治療院に入院していた人の九割が治りましたわ」
「はっ?」
ニコニコしながら話すチェルシーさんの事を、ボーガン様がビックリしたまま固まっちゃいました。
しかも、たった二発の魔法で治療しちゃったもんね。
「大魔法を使ってレオ君の魔力がなくなっちゃったから、レオ君は昼食まで休むわ」
「ふむ、キチンと休まないとならないな。レオ君、色々とありがとう」
僕はボーガン様とチェルシーさんに頭を撫で撫でされてから、客室に向かいました。
ぼすっ。
「はあ、疲れちゃったね。あっ、起きる時間をセットしないと」
僕はシロちゃんと共にベッドにダイブしたけど、改めて懐中時計型の魔導具のタイマーをセットします。
うん、これで大丈夫。
僕とシロちゃんはモゾモゾとベッドの中に潜り込むと、あっという間に寝ちゃいました。
夕方になると、食堂に皆が並びました。
テーブルの上には、とても豪華な食事が並んでいました。
「それでは、レオ君が我が領にやってきた事を歓迎して乾杯する。乾杯!」
「「「乾杯!」」」
ボーガン様の音頭で、僕の歓迎会が始まりました。
サンダーランド辺境伯家の皆さんも、ニコニコしながらお酒を飲み始めました。
スーザンさんはお腹に赤ちゃんがいるので、僕と同じジュースを飲んでいます。
「いやあ、レオ君が数多くの怪我人を治療したとは聞いていたが、まさか大規模魔法一発で治療院にいた怪我人を治療したとは。改めて報告を聞いた時は、我が目を疑ったぞ」
「父上、私もですよ。街道の復旧といい治療院の事といい、改めてレオ君が大魔法使いだと思いました」
お酒を飲みながら、ボーガン様とマシューさんが上機嫌で話をしていました。
僕は昼食後にまたお昼寝をしちゃったんだけど、その間に教会から報告があったそうです。
「ボーガン様、今日治療した人はどうするんですか?」
「数日間準備をした後に、前線の国境警備隊の任務に戻るぞ。入れ替わりで、前線で怪我をした者が街にやってくる」
つまり、また怪我人が治療院にやってくるんですね。
怪我をした人が元気いっぱいになるように、僕もまた頑張らないと。
「明日は、お義母様と共に私も教会に伺いますわ」
「えっ、スーザンさんは動いても大丈夫ですか?」
「安定期に入っているから大丈夫よ。逆に、部屋に閉じこもりっぱなしは良くないのよ」
まさかのスーザンさんの同行宣言だったけど、既に決定みたいだし僕からは何も言えないね。
チェルシーさんも一緒にいるし、きっと大丈夫だね。
「レオ君がこの街に来て数日だけど、既に多くの人に影響を与えているわ。これって、とっても凄い事よ」
「うーん、僕は普通にしているだけなんですよ。何か特別な事をした訳じゃないんですよ」
「レオ君は大魔法使いだけど、それ以上にとっても頑張り屋さんなのよ。だから、周りの人も釣られて頑張ろうって思うのよ。レオ君は、いつも通りに、していれば良いのよ」
チェルシーさんが僕の頭を撫でながら話してくれたけど、今はいつも通りにすれば良いんだね。
その後も、とっても賑やかな歓迎会は続きました。
何だか、僕もシロちゃんもほっこりとしちゃったよ。
「枢機卿様、チェルシー様、確認した所全ての患者が退院可能です」
「おお、そうか。それは良かった」
「明日の朝、第三治療院と第四治療院に向かいますわ。準備を宜しくね」
「はっ、はい!」
シスターさんは、ビックリしながらもブラッドリーさんとチェルシーさんの指示を聞いて部屋の外に出ていきました。
「ふわあー」
ホッとしちゃったら、あくびが出ちゃったよ。
魔力は全部使わないでいたけど、思ったよりも消費が激しかったみたいです、
僕の腕の中にいるシロちゃんも、少し眠たそうだね。
「レオ君、眠たいのね」
「はい、だいぶ魔力を使ってしまったので」
「あれだけの大魔法を使ったもんね。屋敷に戻って休みましょうね」
ひょい。
「わぁ! まだ、自分で歩けますよ」
「ふふふ、今日は何も出来なかったから、このくらいはね」
僕はシロちゃんごと、チェルシーさんに軽々と抱っこさせられちゃいました。
ちょっとジタバタしても、チェルシーは離してくれません。
「儂は教会の馬車で帰るのでな。チェルシー様、レオ君、また明日宜しくお願いします」
「はい、宜しくお願いします」
「お先に失礼します」
僕はチェルシーさんに抱っこされたまま、ブラッドリーさんに手を振りました。
そして、抱っこされたまま、馬車に乗り込みました。
「改めてレオ君、怪我人を治療してくれてありがとうね」
「僕も沢山の人を治療できて、ホッとしてします」
「ふふ、そうね。じゃあ、歓迎会は張り切って準備しないとね」
馬車の中でチェルシーさんから改めてお礼を言われたけど、僕としては普通に治療しただけなんだよね。
馬車が屋敷に着いたので、流石にチェルシーさんの抱っこから抜けて降りました。
「おお、早かったな」
ボーガン様がちょうど良いタイミングで玄関ホールにいて、僕達を出迎えてくれました。
でも、まだお昼前にもなっていないし、ボーガン様の言う通りまだ早い帰りだよね。
「ふふ、レオ君の大魔法のお陰で、たった二回の魔法で第一治療院と第二治療院に入院していた人の九割が治りましたわ」
「はっ?」
ニコニコしながら話すチェルシーさんの事を、ボーガン様がビックリしたまま固まっちゃいました。
しかも、たった二発の魔法で治療しちゃったもんね。
「大魔法を使ってレオ君の魔力がなくなっちゃったから、レオ君は昼食まで休むわ」
「ふむ、キチンと休まないとならないな。レオ君、色々とありがとう」
僕はボーガン様とチェルシーさんに頭を撫で撫でされてから、客室に向かいました。
ぼすっ。
「はあ、疲れちゃったね。あっ、起きる時間をセットしないと」
僕はシロちゃんと共にベッドにダイブしたけど、改めて懐中時計型の魔導具のタイマーをセットします。
うん、これで大丈夫。
僕とシロちゃんはモゾモゾとベッドの中に潜り込むと、あっという間に寝ちゃいました。
夕方になると、食堂に皆が並びました。
テーブルの上には、とても豪華な食事が並んでいました。
「それでは、レオ君が我が領にやってきた事を歓迎して乾杯する。乾杯!」
「「「乾杯!」」」
ボーガン様の音頭で、僕の歓迎会が始まりました。
サンダーランド辺境伯家の皆さんも、ニコニコしながらお酒を飲み始めました。
スーザンさんはお腹に赤ちゃんがいるので、僕と同じジュースを飲んでいます。
「いやあ、レオ君が数多くの怪我人を治療したとは聞いていたが、まさか大規模魔法一発で治療院にいた怪我人を治療したとは。改めて報告を聞いた時は、我が目を疑ったぞ」
「父上、私もですよ。街道の復旧といい治療院の事といい、改めてレオ君が大魔法使いだと思いました」
お酒を飲みながら、ボーガン様とマシューさんが上機嫌で話をしていました。
僕は昼食後にまたお昼寝をしちゃったんだけど、その間に教会から報告があったそうです。
「ボーガン様、今日治療した人はどうするんですか?」
「数日間準備をした後に、前線の国境警備隊の任務に戻るぞ。入れ替わりで、前線で怪我をした者が街にやってくる」
つまり、また怪我人が治療院にやってくるんですね。
怪我をした人が元気いっぱいになるように、僕もまた頑張らないと。
「明日は、お義母様と共に私も教会に伺いますわ」
「えっ、スーザンさんは動いても大丈夫ですか?」
「安定期に入っているから大丈夫よ。逆に、部屋に閉じこもりっぱなしは良くないのよ」
まさかのスーザンさんの同行宣言だったけど、既に決定みたいだし僕からは何も言えないね。
チェルシーさんも一緒にいるし、きっと大丈夫だね。
「レオ君がこの街に来て数日だけど、既に多くの人に影響を与えているわ。これって、とっても凄い事よ」
「うーん、僕は普通にしているだけなんですよ。何か特別な事をした訳じゃないんですよ」
「レオ君は大魔法使いだけど、それ以上にとっても頑張り屋さんなのよ。だから、周りの人も釣られて頑張ろうって思うのよ。レオ君は、いつも通りに、していれば良いのよ」
チェルシーさんが僕の頭を撫でながら話してくれたけど、今はいつも通りにすれば良いんだね。
その後も、とっても賑やかな歓迎会は続きました。
何だか、僕もシロちゃんもほっこりとしちゃったよ。
769
お気に入りに追加
5,453
あなたにおすすめの小説
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
チート転生~チートって本当にあるものですね~
水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!!
そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。
亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。